コンゴ民主共和国東部では、10月20日に攻撃を再開したM23とコンゴ軍との戦闘が続いている。ウガンダ国境のブナガナ(Bunagana)を今年6月に制圧し,拠点としていたM23は、10月末にはルチュル(Rutshuru)、キワンジャ(Kiwanja)を制圧し、そこから国道2号線沿いに、拠点都市ゴマに向かって南下した。
11月初め、コンゴ軍は東部戦線にスホイ25型戦闘機を導入した(8日付ルモンド)。戦闘機と攻撃用ヘリによる爆撃を交えて、ゴマ北方で戦闘が続いている。M23の進攻によって既に18万8000人の避難民が出ているが、今回の戦闘激化に伴って、ゴマ近郊の避難民キャンプから数千人がゴマに流入した(17日付ルモンド)。
東アフリカ共同体(EAC)の部隊派遣合意に伴って、ケニアが部隊派遣を決定。15日には、EACのファシリテーターであるケニヤッタ前大統領がゴマを訪れ、戦闘停止を呼びかけた。また、AUの仲介者に任命されているアンゴラのロウレンソ大統領も、チセケディ、カガメ両大統領と相次いで会談した。こうした外交努力は、今のところ成果を上げていない。
EACは、21日からナイロビで和平交渉を予定している(14日付ルモンド)。積極的な関与を打ち出したケニアの外交的手腕が注目される。ただ、コンゴ国内にはM23を「テロリスト」と見なして交渉を拒否する声が強くあり、何らかの合意が成立するかは不透明である。
(武内進一)