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今日のアフリカ

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エチオピア、IGAD議長国の座から退く

2019/12/02/Mon

11月29日、アディスアベバにて第13回IGAD((Inter-Governmental Authority on Development: 政府間開発機構)首脳会合が開催され、新たな議長国にスーダンが選出された。

IGADは、ジブチ、エチオピア、ケニア、ソマリア、スーダン、ウガンダ、エリトリア、南スーダンの8カ国を加盟国とする地域機構であり、1986年の創立(1996年に現在の名称に改称)以来、アフリカの角地域などで恒常的に発生する干魃・飢餓、難民、内戦といった問題に取り組んできた。

IGADの議長国を巡っては、この10年以上エチオピアがその座を独占してきた経緯がある。一つの国が議長国を10年以上に亘り独占してきた状況は、アフリカ連合及び他のアフリカ内の地域機構に類を見ない特殊な事態だ。エチオピアが自らの外交空間を拡張する手段としてIGADを利用しているとの批判も、かねてから寄せられていた。

現在のエチオピアは国内各地で反政府デモが散発し、また与党の再編プロセスが進行するなかで、情勢が不穏になってきている。内政に手を焼くエチオピアがようやくIGAD議長国の座を退き、新政府が走り出したスーダンがその座に就いた。このことが今後のIGADの活動にどのように影響するか、注目したい。