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今日のアフリカ

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第3回トルコ・アフリカサミット開催

2021/12/19/Sun

 
 17日と18日、イスタンブールで第3回トルコ・アフリカサミットが開催された。コンゴ民主共和国のチセケディ大統領(AU議長)やルワンダのカガメ大統領など、国家元首を含めて多数の政府高官が参加した。
 トルコとアフリカ諸国の政治経済関係は近年急速に深まっている。16日付ルモンドによれば、2003年に55億ドルだった貿易額は2020年に253億ドルに増大し、トルコ航空はアフリカ大陸の61都市との間で就航している。20年前には12に過ぎなかった大使館の数は現在43に増えている。
 経済関係の中で重要なのは、軍事物資である。モロッコ、チュニジアに続いて、エチオピアがトルコ製の軍用ドローンの購入と、パイロット研修に動いている。アンゴラ、チャド、モロッコも武器発注を高めている。
 ソフトパワーとしての側面もある。特によく知られているのは、イスタンブールに本拠を置く「人権と自由に対する人道援助基金」(IHH)の活動である。IHHは1990年代に設立された人道支援団体で、ムスリム同胞団との関係が指摘されている。アフリカ41カ国で住民支援活動を行っている。
 トルコ・アフリカサミットは、中国やロシアなどと並んで新興諸国のアフリカへの関心の高まりを示すとともに、湾岸諸国と並んで中東・アフリカ関係の強まりも映している。アフリカを巡る国際関係の複雑化が示されている。