2018年12月23日、ポルトガルのテレビ局SICは、世論調査に基づく2018年のパーソン・オブ・ザ・イヤーを発表した。習近平国家主席やトランプ大統領を抑えて1位になったのはアンゴラの大統領であった。日本ではあまり知られていない人物である。38年間という世界でもトップクラスの超長期政権のあとに大統領となったのがローレンソ大統領である。就任後も、強力な前任者、ドス・サントス氏による院政が続くかとも思われたが、ローレンソ大統領は前任とは一線を画す独自路線をとった。当初、与党総裁の地位はドス・サントス氏が握ったままであったが、本年9月にはこの地位も手に入れている。
アンゴラはポルトガル語圏のひとつでありポルトガルではよく知られているということがこの世論調査にも反映されたといえるであろうが、必ずしもポルトガル語圏が注目を集めた世論調査ともいえない。「2018年の大きな出来事」として票を得たのは、1位タイの少年救出、2位朝鮮半島南北交流、3位BREXITとなっており、世界で8~9カ国を占めるポルトガル語圏のことが重要な出来事として選ばれてはいないのだ。