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今日のアフリカ

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ギニアでクーデタか

2021/09/06/Mon

 5日付ルモンドによれば、ギニア軍特別部隊は、同日公開したビデオにおいて、アルファ・コンデ大統領の身柄を確保したとして、国家の諸制度を停止・解散すると発表した。このビデオはAFP特派員向けに送られると同時に、ソーシャルメディアでも流された。国防相はクーデタの試みは阻止されたと述べたが、その後に軍が戒厳令を発布した。情報は依然混乱しているが、軍が政権を掌握した可能性が高い。
 クーデタの首謀者はママディ・ドゥンブヤ(Mamady Doumbouya)中佐で、現地時間午後4時ごろに国営放送にギニア国旗をまとって登場し、社会・経済状況の混乱、民主的規範の無視、財政破たんなどをその要因として列挙した。クーデタを主導する軍人に囲まれた平服のコンデ大統領が、ひどい扱いを受けているかと問われ、回答を拒否するシーンを映したビデオも出回っており、コンデがクーデタ首謀者側に捕らえられたとの見方が広がっている。首謀者側は日曜日に放送された声明の中で、閣僚等主要組織の責任者に対し、月曜日現地時間11時に集まるよう指示しており、今後の対応が示されると見られる。
 ギニアの状況に対して、国連のグテーレス事務総長、ECOWAS、フランス外務省は直ちに非難する声明を発表し、コンデ大統領の解放を要求した。
 ギニアは高品質の鉄鉱石を豊富に産出する国だが、独立後はセク・トゥーレ、ランサナ・コンテと長期独裁政権が続き、2010年に初めての民主的な選挙を経てアルファ・コンデが選出された。コンデは、独裁政権下で民主化を訴えて逮捕され、死刑判決を受けた経験もある。しかし、大統領就任後は権威主義的な傾向を指摘され、2020年3月には憲法を改正して自らの3期目の任期を可能としたことで野党から批判を浴びていた。