第100回外語祭 学長×外語祭実行委員会三役局長インタビュー:対面での外語祭を楽しみたい!~第100回外語祭を前に~
外大生インタビュー
2022年11月19日(土)~23日(水・祝)にかけて、第100回外語祭が開催されます。今年度は新型コロナウイルス感染対策を取りながら、3年ぶりに対面での料理店が戻ってきました。外語祭は今から122年前の1900年に始まり、「講演会」(1900年〜1908年)、「語学大会」(1919年〜1928年)、「語劇大会」(1930年〜1936年)、「語劇祭」(1947年〜1954年)、「外語祭」(1955年〜)とその名称を変え、今日に至ります(戦争や学園紛争などにより中断があったため、今年は100回目の開催となります)。今年の外語祭はキャンパスでの対面の企画に加え、外語祭WEBでも参加できるハイブリッド開催になります。対面でもオンラインでも、皆様を「100回目の世界旅行」にお連れします!
今回のTUFS Todayでは、記念すべき第100回外語祭の開催に向けて奮闘する外語祭実行委員会の委員長ら学生10名と、林佳世子学長が対談しました(対談は9月下旬に実施)。
対談者
- 林 佳世子 東京外国語大学長(以下「林学長」)
- 外語祭実行委員会三役局長陣
- 委員長: 宇多川 樹(うたがわたつき)さん (以下「宇多川委員長」)
- 副委員長: 市川 尚寿(いちかわなおひさ)さん (以下「市川副委員長」)
- 会計: 一瀬 和歌(いちのせわか)さん (以下「一瀬(会計)」)
- 屋内―装飾局長: 鈴木 拓郎(すずきたくろう)さん (以下「鈴木(屋内・装飾)」)
- 企画局長: 大倉 駆(おおくらかける)さん (以下「大倉(企画)」)
- 広報局長: 橋本 剛(はしもとつよし)さん (以下「橋本(広報)」)
- 語劇局長: 天野 航(あまのわたる)さん (以下「天野(語劇)」)
- 事務局長: 武村 万和(たけむらまお)さん (以下「武村(事務)」)
- 渉外局長: 鈴木 寧々(すずきねね)さん (以下「鈴木(渉外)」)
- 野外ステージ局長: 内村 泰龍(うちむらたいろん)さん (以下「内村(野外)」)
取材担当
- 記事執筆 言語文化学部ドイツ語4年 太田愛美(おおたあみ)
- カメラ 国際社会学部東アジア3年 長谷部結衣(はせべゆい)
第100回外語祭への思い
林学長: 第98回、第99回外語祭はオンライン開催やハイブリッド開催というイレギュラーな形でしたが、今年は3年ぶりにほとんどの企画が対面で開催できますね。大学としても盛り上げていきたいと思っていますし、学生の皆さんにとっても外語祭は大学生活のメインイベントの1つになることでしょう。そんな外語祭を支えてくださる実行委員会の皆さんには、本当に頭が下がる思いでいます。そうは言っても、今年もまだまだ大変な時期ではあるので、それぞれご苦労があると思います。率直にどのような心境でいますか?
宇多川委員長: ありきたりではありますが、楽しみです。確かに、ここ2年はオンラインやハイブリッドでの開催だったので、なかなか対面での外語祭というのはイメージができず大変なことも多いです。ですが、開催できた時のことをイメージすると、たくさんのお客様が来てくださるんだろうなって。対面での料理店復活は、外語祭実行委員会に所属している私たちからしても楽しみな部分でもあります。そういったところで盛り上がりを取り戻せるだろうことを、本当に楽しみに思っています。
市川副委員長: 今年は「第100回」というように、大きな節目の回ですし、多くの方に期待していただいていると思います。なので、それだけの期待に応えないといけないんだなというプレッシャーはありますが、まずは私たち自身も心から楽しめる外語祭を作りたいと思います。
一瀬(会計): 私はそんなに大きなプレッシャーは感じていなくて(笑)。というのも、私が2年前に外語祭実行委員会に入った時が第98回外語祭だったので、3年生の時に第100回だなっていうのはもう分かっていたんです。それでも、第98回の時から先輩方が長い歴史を途絶えさせないように仕事をされていた姿を見ていて、すでに昨年のうちから第100回に向けた企画も始動していたので、いよいよ本番が迫ってきているなという自覚はあります。
鈴木(屋内・装飾): 第100回という数字に関係なく、とにかく失敗しないように準備を進めています。屋内―装飾局としては、第100回外語祭に向けて新しい装飾をたくさん作ろうと思って、夏休みにがんばって活動していました。
大倉(企画): 外語祭に訪れる方は、外語祭期間の5日間をすごく大きなイベントとして捉えていると思うのですが、外語祭実行委員会は、その年の外語祭に向けて2月くらいから活動を始めています。外語祭本番に向けてずっと仕事をしていると、第100回外語祭が目前に迫ってきているという実感が自分にはまだあまりなくて。でも、外語祭本番だけではなく、半年以上かけて準備してきたことすべてが実行委員会の皆の思い出となり、良い経験として残っていけばいいなって考えています。
橋本(広報): 第98回、第99回はコロナの制約がある中で開催され、今年は第100回の節目の年ということで、歴史的な3回の外語祭に携われていることは個人的にすごくいい経験ができたと思っています。もちろん第100回ということで特別に盛り上げたい気持ちもあるのですが、広報局としては、外語祭の魅力を1人でも多くの人に知ってもらい、外語祭に来た人のサポートをするという広報の基本の役割をしっかりと務められるようにがんばっていきたいと思っています。
天野(語劇): 第98回、第99回外語祭でも語劇は実施できたのですが、かなり制約をかけた状態でした。語劇局は、自分たちで外語祭の企画を作り上げるのではなく、各語科の学生の皆さんが作る語劇をサポートする局なので、第100回外語祭は非常に制約が少ない状態で語劇をしていただけることがすごく嬉しいです。お客様に喜んでいただくのはもちろんですが、学生の皆さんにも外語祭を楽しんでもらいたいです。
武村(事務): 私は事務局で料理店の運営を中心に活動しているのですが、私自身コロナ以前の外語祭に来たことがなくて、具体的に料理店がどういうものなのか本当に分からなかったんです。それでも料理店はメインの企画ですし、第100回の節目の年ということで、どうにか成功させたいというプレッシャーがある中で活動しています。各料理店などの学生たちががんばっている姿を見ると、外語祭も例年通りに戻っていけばいいなって思います。
林学長: 学生全員が参加するという意味では、外語祭のメインは、2年生による各専攻語の語劇と1年生による専攻語/地域の料理店ですものね。とはいえ、皆さんは2,3年生だから料理店を経験していなくて大変ですね。でも、オンラインでもいろいろなことができたので、伝統的な形式に加えて、新しい形式なども取り入れられるといいですね。
鈴木(渉外): 私は昨年初めて外語祭を経験して、本当に楽しい5日間だなと思いました。渉外局は2年生が主体となって活動しているのですが、3年生の先輩も対面での外語祭を経験していないので、すごく手探り状態で仕事をしているところがあります。不安を感じるところも大きいですが、第100回外語祭という節目の年なので楽しみでもあります。
林学長: 在学生の皆さんも経験してないことですからね。これからは、皆さんが作るものが新しいスタイルになりますよ。
内村(野外): 僕はたまたま第100回外語祭の年に外語祭実行委員会に在籍していて、しかもたまたま僕が2年生の時に3年生が留学でいなくて局長になったので本当にラッキーというか(笑)。第100回だからといってプレッシャーは特に感じていません。野外ステージ局も語劇局と同様、出演者を支える仕事をする局なので、第100回だからではなく、第100回だし快適に出演してもらいたいと思っています。あとは円形広場のど真ん中にステージがあるので、料理店に並んでいる人も含めて、訪れた方全員に楽しんでもらえるものにしたいと考えています。
林学長: ありがとうございます。それぞれに思いがあっていろいろな活動されているんだと思います。外語祭も100回やっていると、「昔からこうだったから」とただ続けてきたこともあると思うんですね。北区西ヶ原の旧キャンパスから多磨に移転したときに一大変革がありましたが、それからさらに20年経って、見直すべきことも多々あったかなと思います。特に、安全面の対策は、厳しくならざるをえません。大学もできることはサポートしますので、皆さんもいろいろと挑戦していただければと思います。
実行委員の思いも感じてください!
林学長: それでは、今年の見どころについても教えてもらえますか?
宇多川委員長: やはり大きいのは、3年ぶりに料理店ができる点だと思っています。今在籍している外語祭実行委員たちは誰も料理店を経験していないので大変ではありますが、新しい形で料理店を復活させることができるのは見どころだと思います。あとは、それぞれの局でこれを見てくれというものがあると思うので、みんなアピールしてくれると思います。
林学長: ではひと言ずつお願いします。屋内―装飾局はどうですか?
鈴木(屋内・装飾): 屋内企画に関しては、昨年なかった団体の参加もあります。興味深い団体がたくさん参加するので、楽しみにしてほしいです。装飾に関しては2年生がおもしろいものを作っています。それを見どころとして来ていただければと思います。
林学長: 楽しみですね。企画局はどうですか?
大倉(企画): 企画局は、外語祭実行委員が主体で行う本部企画を扱う局で、民族衣装を着ての撮影だったり、受験生の相談会などをしたりしています。今年の見どころとしては、全部で16個の企画を用意しているのですが、それぞれの企画で少しずつ第100回にちなんだ要素を取り入れています。例年よりバージョンアップしているとまではいかないかもしれませんが、いろいろと工夫を凝らしています。
林学長: 100にこだわっているんですね。
大倉(企画): はい。少しだけですけど(笑)。例えば、外語祭の最終日には毎年花火が打ち上がっていますよね。それも今年は少し特別なことをしてみようかなと考えています。
林学長: 花火が100発あがるとか?
大倉(企画): それはお楽しみにしていただきたいです(笑)。本部企画は根強いファンの方が毎年来てくださっていると思うのですが、ぜひ来場者の皆さまにもさまざまな屋内の企画が行われている研究講義棟の中に足を運んでいただいて、楽しんでもらいたいと思います。
林学長: 楽しみです。広報局はどうですか?
橋本(広報): ガイドブックは毎年、編集担当が一生懸命編集した内容で構成しています。特に今年は料理店が開催されるので、料理店の料理紹介ページを見ながらどこに行くか決められますし、語劇のページも予定しています。今年はガイドブックが輝いていると思うので1人でも多くの人に手に取ってほしいですね。あと、外語祭マスコットの「たふくじら」のTwitterも手が込んでいるのでチェックしていただけたら嬉しいです。
林学長: フォローしていますよ! 語劇局はいかがですか?
天野(語劇): 語劇局としては、昨年は23団体だったのが、今年は現時点で28団体が語劇を上映する予定で準備を進めているので、かなり幅広い語科の劇を楽しむことができるようになっていると思っています。あと、コロナ禍ではいろいろな制約がありましたが、それをきっかけに、語劇を撮影してYouTubeで配信する取り組みが始まりました。これが結構好評で再生回数もかなり多いんです。各回公演の定員は320人ですが、それをゆうに超える再生回数が出ている語科がたくさんあったので、今後も続けて、ぜひ多くの方に観ていただきたいと思っています。たまに、何語かわからないコメントがついていることもあって(笑)。外語祭期間中にキャンパスに来ることができない方にも楽しんでいただけるコンテンツになっていると思うので、いろいろな方に語劇を楽しんでいただきたいです。
林学長: 私はトルコ語専攻で教えてきたので、以前はトルコ語専攻の劇以外を観たことがありませんでした。YouTubeで配信されるようになったので、大語科(専攻する学生の人数が多い語科)の語劇を見たら「あっ、さすが」と感動しました(笑)。それに、1年生は料理店が忙しくて先輩の語劇が見られないことが多いので、配信はとてもよい試みだと思います。事務局はどうですか?
武村(事務): 事務局にとって第100回だからという見どころは特にありませんが、第100回を楽しみに来てくださるお客さんのために、料理店をつつがなく運営できるよう尽力していきたいです。
林学長: 事故がないよう、どうかがんばって支えてください。渉外局はどうですか?
鈴木(渉外): 渉外局は、たふくじらのグッズを販売しています。毎年販売しているので目新しくはないかもしれませんが、毎年マイナーチェンジをしているんです。今年も1,2年生の局員ががんばってデザインしてくれたので、それを楽しみにしていただければと思います。
林学長: 本当にかわいいですよね。野外ステージ局はいかがでしょうか?
内村(野外): 毎年野外ステージの出演者の後ろに張るバッグ幕があるのですが、第100回外語祭のバック幕も完成しました。力作なのでぜひ注目してほしいです。出演団体に関しても、昨年は出演枠が余っていたのですが、今年は出演枠を超える応募がありました。それくらい各団体の熱量があることがわかったので、野外ステージを楽しんでいただく方にも、それが伝わればいいなって考えています。
林学長: 学長室にいるとよく音が聞こえてくるので、いつも音楽やトークを聞きながら働いています。副委員長もひと言どうぞ。
市川副委員長: 委員長、副委員長、会計の三役は、委員会全体を俯瞰してサポートするのが大きな仕事ではありますが、私たち自身で何かをしてという以上に、来場者の方に「いいな」と思ってもらえることを一番に考えています。どの企画も思い入れがあって作られているので、個人的には全部が見どころですね。あえてひと言で言うなら、そんな実行委員の「想い」を見どころとして見てほしいです。
(一同:おおー!(拍手))
林学長: 最後に会計さんも見どころをお願いします。
一瀬(会計): 会計として予算を組んでいると、いろいろな担当者から「ここは譲れません!」とか「ここにお金を使ってください!」という気持ちが伝わってくるので、どの企画もどのグッズも全部おすすめしたいです。また、料理店の復活は、私たち実行委員もすごく楽しみにしているのですが、なにより学生の皆さんがたくさん参加してくださっていて、想いもたくさん詰まっていると思います。楽しむ学生の姿も参考に、高校生の皆さんには東京外国語大学の受験も考えていただければと思います。
林学長: ありがとうございます。外語祭は本当に目を見張りますよね。外語祭は学生の皆さんが日ごろ勉強していることと直結していて、学生主体で行われる「学び」の場でもあると思います。外語祭実行委員会の皆さんが企画をして、指示を出して、学生の皆さんが参加して、要望を実行委員会がまとめて……というのをしっかりやってくださっているので、安心して見守っていられます。東京外国語大学らしい世界を体験できることが、今から楽しみです。とはいっても、何かあったら言ってくださいね。
地域の方々にもお返しができるような外語祭を目指して
林学長: 最後に、メッセージをお願いします。
宇多川委員長: 第100回ということに特別気を張っていることはないのですが、それでもどこかで「100」という数字に外語祭実行委員も何かしらの想いを抱いているので、そういったものを感じていただきたいと思います。また、なるべく多くの方が、なるべく多くの企画に足を運んでくださり、「外語祭楽しかったな。また101回目以降も来たいな。」と思っていただければ、それだけでとても嬉しいことなので、ぜひご来場をお待ちしております。
林学長: 本当にそうですね。ご近所の方がお子さんを連れてピクニックのように来てくださることもあるので、この地域の大学として、近隣の方にとっても「大学があることが楽しいな」と思ってもらえればいいですよね。
宇多川委員長: 地域の方や業者の方もそうですし、警察署や消防署の方にもお世話になっているので、そういった方々に少しでもお返しができたらいいなと思っています。
林学長: 外語祭はスペシャルなものですからね。目指せ200回!
編集後記
学長と対談する外語祭実行委員会の皆さんの様子からは、3年ぶりにほとんど完全対面でできる外語祭への、そして記念すべき第100回外語祭に携われることへの熱意や想いをたくさん感じることができました。私自身、料理店や語劇に参加してできた思い出を今でも鮮明に思い出せます。学生の皆さんをはじめ、外語祭実行委員会の皆さんが、素晴らしい5日間を経験できることを願っております。
取材担当:太田愛美(言語文化学部ドイツ語4年)