東京外国語大学 総合文化研究所

所員 出版紹介2019

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日々の子どもたち: あるいは366篇の世界史

エドゥアルド・ガレアーノ著 久野 量一訳、岩波書店、2019年12月14日

円柱の上で眠る聖シメオン,彗星とともに旅するマーク・トウェイン,水に映る月に抱きつこうとして溺死した李白,ボルネオの空から舞い降りる猫,原発事故と黒澤映画,そして時を逍遥する無名の人びと――勝者の歴史だけでなく,埋もれつつある人間的で小さな〈歴史〉にも向けられた,著者の厳しくあたたかな眼差しを追体験する三六六日,一日一話.

岩波書店のHPより

 

 

ちいさなタグボートのバラード

ヨシフ・ブロツキー 詩、イーゴリ・オレイニコフ 絵 沼野恭子訳、東京外国語大学出版会、2019年11月30日

ノーベル文学賞詩人ヨシフ・ブロツキーが、子どもたちのために書いた、ちいさなタグボートの美しいものがたり。

ぼくの下は海。ぼくの上は空。
曳いてきては、曳いていき、
曳いてきては、曳いていく。

――「ぼく」のしごとは、港にはいってくる大型船を停泊させること。
いつかじぶんで、はるか遠くの海へ行ってみたいけれど......。

乗組員たちと港で大型船を迎え、そして長い航海へと見送る役目をはたす、魅力的なちいさなタグボート。きっとあなたも大好きになるだろう。

国際アンデルセン賞画家賞を受賞したイーゴリ・オレイニコフの、豊かな想像力とたしかな筆の感触が、ブロツキーの詩の世界にいきいきとした新たな生命を吹きこみ、幻想的で気品あふれる絵本がロシアから届けられました。

東京外国語大学出版会のHPより


神の書: イスラーム神秘主義と自分探しの旅

アッタール 著、佐々木あや乃 訳注、平凡社、2019年8月11日

ペルシアのイスラーム神秘主義を代表する詩人アッタールの書。さまざまな例話によって、神への愛と信仰のあるべき姿を王が王子たちに諭す。『鳥の言葉』の姉妹編。散文訳。

平凡社のHPより







「満洲」に渡った朝鮮人たち ~写真でたどる記憶と痕跡~

李光平・金富子・中野敏男・橋本雄一・飯倉江里衣 編著、世織書房、2019年6月20日

旧「満洲」に渡った朝鮮人の姿と声を収めた初の写真記録集。 集団移民の魂を探して数万里――― 写真家・李光平の二〇年かけたオーラルヒストリー・ノート。 その〈声〉から植民地主義の歴史へより立ち入った問いが始まる。

世織書房のHPより







夢と爆弾——サバルタンの表現と闘争

友常勉著、航思社、2019年5月28日

東アジア反日武装戦線、はだしのゲン、寄せ場労働者、
被差別部落、アイヌ民族、在日、水俣病の患者たち……
近現代日本が抱える宿痾に対していかに闘い、何を失い、何を獲得・奪還したのか。
当事者による様々な表現・言説の分析と革命の(不)可能性をめぐる考察。

航思社のHPより







ダイアローグのことばとモノローグのことば:ヤクビンスキー論から読み解くバフチンの対話理論

田島充士編著、福村出版、2019年4月5日

「ダイアローグ(対話)」と「モノローグ(独話)」概念を軸に、バフチンの議論を実践的に読み解く。ヤクビンスキーの論文『ダイアローグのことばについて』邦訳を全文掲。

福村出版のHPより







ハバナ零年 

カルラ・スアレス著、久野量一訳、共和国、2019年2月20日

カオス理論とフラクタルを用いて、電話がキューバで発明された事実を証明せよ!? 1993年、深刻な経済危機下のキューバ。数学教師のジュリアは、世界で最初の電話がハバナで発明されたことを証明する、イタリア人発明家アントニオ・メウッチの重要な自筆文書の存在を知る。その文書をめぐって、作家、ジャーナリスト、そして元恋人までが虚々実々の駆け引きと恋を展開するが……。 キューバ出身の新鋭作家が、数学とミステリーの要素を巧みに織り込んで挑んだ代表作。 [2012年カルベ・ド・ラ・カリブ賞受賞作]

版元ドットコムのHPより




会津八一(コレクション日本歌人選68)

村尾誠一著、笠間書院、2019年1月25日

奈良大和を愛し、古寺巡礼の歌を詠う。

会津八一
1881年(明治14)新潟市生。中学校在学中に俳句を始め『ほとゝぎす』に投句。早稲田大学で英文学を専攻し、坪内逍遙らに学ぶ。1908年(明治41)のはじめての奈良旅行以来、その地の古寺や古美術や風土を短歌に歌い続ける。早稲田中学校で英語を教えながら、美術史の研究を続け、後に早稲田大学で東洋美術史を担当する。歌壇の外に身を置き、特に仏教美術の美を学を背景とした眼で捉えて、醇乎とした声調に表現し、独自の歌境を拓いた。

笠間書院のHPより







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