東京外国語大学 総合文化研究所

所員 出版紹介2002

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パンジャーブ生活文化誌

N. A. テシュティー著、麻田豊・露口哲也訳、平凡社、2002年5月

19世紀半ば、ラーホールのウルドゥー詩人がこの地方のさまざまな社会集団の暮らしぶりを活写する。従来情報の少なかった南アジアのムスリム(イスラム教徒)社会が初めて明瞭に。

平凡社 ウェブサイトより

 



 

芸術の名において

ティエリー・ド・デューヴ著、松浦寿夫・松岡新一郎訳、青土社、2002年1月

近代芸術の論理そのものを作品の主題へと転換したデュシャンの「レディメイド」。カント、フーコーの思想を鍵に、そのラジカルな芸術的実践の偉業を鮮やかに読み解き「近代」の意味を根底から問い返す。

青土社 ウェブサイトより





CDエクスプレス ラオス語

鈴木玲子・P・チャンタマリー著、白水社、2002年10月1日

ラオス語の文字と発音、そして会話を勉強するための本。会話は簡単なスキットと新出単語のあとに、文法事項を学ぶ。練習問題や発音記号付きで着実にマスター。99年刊「エクスプレスラオス語」にCDを添付したもの。







壺中天酔歩:中国の飲酒詩を読む

沓掛良彦著、大修館書店、2002年4月10日

書評:小林二男(『総合文化研究』第6号)

酒を得れば詩自(おの)ずから成る

陶淵明・李白・蘇軾から知られざる名句まで、「詩酒合一」の境地を尋ね枯骨閑人先生が酔歩する中国の飲酒詩の世界。

大修館書店 ウェブサイトより





現代韓国短篇選 上・下

三枝壽勝著、岩波書店、2002年4月

未来へと駆けてゆく90年代の韓国の短篇群を収めた短篇集。揺るぎなくみえた韓国の家族の結びつきに、時代の息吹が急速に打ち寄せる小説を収録。現代の韓国が、斬新な切り口から鮮烈に描き出される。







インモラル・アンリアル:現代タイ文学 ウィン・リョウワーリン短編集

ウィン・リョウワーリン著、宇戸清治訳、国際言語文化振興財団、2002年7月1日

書評:藤井守男(『総合文化研究』第6号)

風俗嬢の世界と僧侶の世界という二つの物語を平行させ、人間存在の不条理を描いた「肉欲と涅槃」他8編を収録、東南アジア文学賞をはじめ多くの文学賞を受賞した、現代タイを代表する作家の傑作短編集。







歴史的理性の批判のために

上村忠男著、岩波書店、2002年5月10日

書評:西谷修(『総合文化研究』第6号)

一人の証言者も残さない徹底的な破壊を、歴史は想起できるのか。民族・国民の歴史が排除してきた「他者」を、歴史は回復できるのか―二〇世紀の廃墟のあとを生きる私たちは、近代の歴史的理性の限界を意識せざるをえない。しかしまさにそれゆえに、わたしたちは廃墟のあとの歴史・異他なる歴史の構想へと歩を進めることができるのだ。あらたな歴史の主体形成の可能性をサバルタンのなかに探る、二一世紀の歴史哲学への問い。







ポストドラマ演劇

ハンス=ティース・レーマン著、谷川道子ほか訳、同学社、2002年11月

書評:山口裕之(『総合文化研究』第6号)

「ポストドラマ演劇」とは、たとえばハイナー・ミュラーやロバート・ウィルソン、あるいはピナ・バウシュやヤン・ファーブルなどの仕事に見られるような、ドラマ以後の演劇である。ドイツの演劇研究者H・Th・レーマンによる本書は、1960年代から今日までの新しい舞台形式の展開に関する、その美的手段のパノラマ、国際的な演劇の豊富な実践例、同時に理論的な考察を含んだ、待望の叙述である。







磔のロシア:スターリンと芸術家たち

亀山郁夫著、岩波書店、2002年5月28日

書評:渡辺雅司(『総合文化研究』第6号)

なぜ、殺されたのか。なぜ、生き延びねばならなかったのか。革命の夢と大テロルを潜り、恐怖の詩神スターリンと対話した、芸術家と表現の運命。謀殺か、自殺か、病死か。ようやく公開された裁判記録や検事調書を解読し、もろもろの証言や作家自身の遺作に耳をすまして、その死の真相に迫る。







〈個人〉の行方:ルネ・ジラールと現代社会

西永良成著、大修館書店、2002年4月

書評:武田千春(『総合文化研究』第6号)

なぜ、殺されたのか。なぜ、生き延びねばならなかったのか。革命の夢と大テロルを潜り、恐怖の詩神スターリンと対話した、芸術家と表現の運命。謀殺か、自殺か、病死か。ようやく公開された裁判記録や検事調書を解読し、もろもろの証言や作家自身の遺作に耳をすまして、その死の真相に迫る。







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