東京外国語大学 総合文化研究所

所員 出版紹介2017

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家宝

ズウミーラ・ヒベイロ・タヴァーリス著、武田千香訳、水声社、2017年12月01日

訳者よりひとこと:武田千香(『総合文化研究』第21号)

20世紀後半のサンパウロ、長年判事を務めた夫の死後、一人残された老女マリア・ブラウリアは、愛人からもらった宝石を胸に抱きながら自らの過去を振り返る……。
人間の嘘やいつわり、社会の擬装や欺瞞を、ブラジル文学を代表する女性作家があばく。


水声社ウェブサイトより






エルドラードの孤児

ミウトン・ハトゥン著、武田千香訳、水声社、2017年11月20日

訳者よりひとこと:武田千香(『総合文化研究』第21号)

舞台は20世紀前半のアマゾンの中流地域「エルドラード」。文明化されているとはいえ、人々は神話が色濃く残る世界に生きている。アルミント・コルドヴィウは、急死した父親の事業を継ぐが労働することに意識は向かず、一夜をともにしたきり姿を消した、あるインディオの女を忘れることができずにいた……。現代のブラジル文学を代表する作家が描く、文明と神話的世界が交錯した愛の物語。


水声社ウェブサイトより



จอมโจรสี่สิบหน้ากับปริศนาหัวกะโหลก(原題:『怪奇四十面相』)

江戸川乱歩著、ティップティエンポン・コースィット(โฆษิต ทิพย์เทียมพงษ์)訳、JClass  (Thailand)、2017年10月

訳者よりひとこと:ティップティエンポン・コースィット(『総合文化研究』第21号)

江戸川乱歩の『怪奇四十面相』のタイ語翻訳が出版されました。










メタヒストリー 一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力

ヘイドン・ホワイト著、岩崎稔 監訳、作品社、2017年9月29日

訳者よりひとこと:岩崎稔(『総合文化研究』第21号)

歴史学に衝撃をもたらした伝説の名著。翻訳不可能と言われた問題作が43年を経て遂に邦訳完成!
ホワイト日本語版序文「ようやく! そして、メタヒストリーを再考する意味について」 

作品社ウェブサイトより







ヘーゲルとハイチ 普遍史の可能性に向けて

スーザン・バック=モース著、岩崎稔 / 高橋明史 訳、法政大学出版局、2017年9月29日

訳者よりひとこと:岩崎稔(『総合文化研究』第21号)

奴隷制と植民地支配が形成した世界資本主義市場を背景に、近代市民社会をめぐるヘーゲルの洞察とハイチ革命の現実とを同時に思考すること。それは、主人と奴隷の弁証法のプロセスないし階級闘争史とみなされた世界史のヴィジョンを、従来問われずにいたまったく別の観点から批評することである。非西洋中心主義的で真に普遍的な人類史にむけた、ポストコロニアル的批判の刺激的成果!


法政大学出版局ウェブサイトより




私小説のたくらみ: 自己を語る機構と普遍性

柴田勝二著、勉誠出版、2017年8月31日

私小説は、私的な小さな世界を描くと同時に、作者自身の経験や心情を描くことで、社会との対峙、他者との葛藤など、人間性に関わる普遍的な問題をも提示する。
芥川龍之介『歯車』、梶井基次郎『檸檬』、志賀直哉『和解』といった私小説の代表作から、森鷗外『舞姫』、三島由紀夫『仮面の告白』、大江健三郎『個人的な体験』など従来は「私小説」として扱われなかった作品も取り上げ、日本近代文学における「私」語りのありようを考察する。

勉誠出版ウェブサイトより



ウンベルト・エーコの小説講座 若き小説家の告白

ウンベルト・エーコ著、和田忠彦・小久保真理江訳、筑摩書房、2017年7月25日

訳者よりひとこと:小久保真理江(『総合文化研究』第21号)

高名な中世美学研究者にして哲学者が、ある日ベストセラー小説家に!処女作『薔薇の名前』ほかの世界的名作・話題作は、どのような方法で生み出されたのか。最初のアイディア、緻密な調査・考証の方法、「リスト」作り、さらには創作世界と読者と作家の関係。五〇歳目前にして小説を書き始めた、自称「とても若く将来有望な小説家」が、創作の手のうちを見せる。

筑摩書房ウェブサイトより





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