東京外国語大学 総合文化研究所

所員 出版紹介2013

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夢のなかの夢

アントニオ・タブッキ著、和田忠彦訳、岩波書店、2013年9月18日

書評:石井沙和(『総合文化研究』第16号)

 

岩波書店 ウェブサイトより

 

 

千鳥足の弁証法:マシャード文学から読み解くブラジル

武田千香著、東京外国語大学出版会、2013年3月15日

書評:福嶋伸洋(『総合文化研究』第16号)

“神と悪魔が棲む国"ブラジルを探究する

ブラジル最大の文豪マシャード・ジ・アシスの最高傑作『ブラス・クーバスの死後の回想』を読む──。
批評家スーザン・ソンタグが「19世紀の主要な作家の一人であり、
「ラテンアメリカ最高の作家だ」と評したブラジルの文豪マシャード・ジ・アシス。
著者は、彼の最高傑作『ブラス・クーバスの死後の回想』を独自の視点で縦横に読み解き、ブラジル世界の本質を探究する。
物語世界の細部に目を凝らしながら、西洋にして、非・西洋でもある「ブラジル」を、人・社会・文化という観点から考察する独創的な一書。

 

私のいた場所

ペトルシェフスカヤ著、沼野恭子訳、河出書房新社、2013年8月26日

書評:前田和泉(『総合文化研究』第18号)

空を飛ぶ病身の女、キャベツの赤ん坊を育てる母親、身体を入れ替えられた妻、生の心臓を食べたがる娘、マッチを擦る黒いコートの少女----

現代ロシアを代表する女性作家による、本邦初の幻想短篇集。現実と非現実、生と死の狭間をたゆたう女たちを強靱な筆致で描く、めくるめく奇想世界。全18編を収録した日本オリジナル編集。

 

 

 

ベンガル詩選集:もう一つの夢

丹羽京子編訳、大同生命国際文化基金、2013年9月30日

書評:藤井守男(『総合文化研究』第18号)

現代ベンガル詩を代表する詩人7人(ジボナノンド・ダーシュ、ブッドデブ・ボシュ、シュバシュ・ムコッパダエ、ションコ・ゴーシュ、ショクティ・チョットパッダエ、ビノエ・モジュムダル、ジョエ・ゴーシャミ)の作品98編を収録しています。

ベンガルは、1913年にノーベル文学賞を受賞したタゴールが詩聖として世界中に広く知られているように、「詩の国」とも呼ばれています。

一方、宗教的対立がもとで、現在はインドとバングラデシュに分断され、歴史・民族・宗教的に複雑な事情を抱えている地域でもあります。

タゴール亡き後、インド・パキタンの分離独立とその後の混乱の時代を生き抜き、タゴールを超えようとした詩人たちの多彩で豊穣な詩の世界をご堪能ください。

大同生命国際文化基金 ウェブサイトより


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