東京外国語大学出版会

最新刊のご案内

伊東剛史 後藤はる美 編
『痛みと感情のイギリス史 』



【2017年3月31日発売】
四六判 上製 368頁 定価:本体2600円
ISBN 978-4-904575-59-8 C0022

歴史から浮かび上がる〈感情〉の共同体

痛みは普遍的なのか――
生と痛みが絡まり合う感情の諸相を、イギリス史を舞台に描き出す。

17世紀から20世紀のイギリスをフィールドとして、神経医学の発達、貧者の救済、聖職者の処刑、宗教改革期の病、魔女裁判、夫婦間の虐待訴訟、動物の生体解剖などを題材に、6名の研究者が史料に残された〈生きられた痛み〉を照らし出し、感情を歴史学の視点から考えるための視座を開く。

【目次】
無痛症の苦しみ(伊東剛史)
Ⅰ  神経――医学レジームによる痛みの定義(高林陽展)
Ⅱ   救済――一九世紀における物乞いの痛み(金澤周作)
Ⅲ  情念――プロテスタント殉教ナラティヴと身体(那須敬)
Ⅳ  試練――宗教改革期における霊的病と痛み(後藤はる美)
Ⅴ   感性――一八世紀虐待訴訟における挑発と激昂のはざま(赤松淳子)
Ⅵ  観察――ダーウィンとゾウの涙(伊東剛史)
ラットの共感?(後藤はる美)
痛みと感情の歴史学(伊東剛史・後藤はる美)

【編者紹介】
伊東剛史(いとう・たかし)

ロンドン大学 Ph.D. 東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。単著に、London Zoo and the Victorians, 1828-1859, Woodbridge: Boydell / Royal Historical Society, 2014. 共著として、『ヨーロッパ史講義』(近藤和彦編、山川出版社、2015年)、Animal cities: beastly urban histories (ed. Peter Atkins) Farnham: Ashgate, 2012. がある。

後藤はる美(ごとう・はるみ)
ケンブリッジ大学 Ph.D. 東洋大学文学部講師。共著に『礫岩のようなヨーロッパ』(古谷大輔、近藤和彦編、山川出版社、2016年)、『ヨーロッパ史講義』(近藤和彦編、山川出版社、2015年)。論文として、「一七世紀イングランド北部における法廷と地域秩序 国教忌避者訴追をめぐって」『史学雑誌』第121編第10号(2012年)がある。

東京外国語大学留学生日本語教育センター 編著
『大学の日本語 初級 ともだちVol.1 』


【2017年3月31日発売】
B5判・並製 280頁 定価:本体2500円+税
ISBN 978-4-904575-61-1 C3881 

初級レベルの学生のための日本語教科書
Elementary Japanese for Academic Purposes

本書は、大学等の日本語教育機関で学ぶ初級レベルの学生のための日本語教科書です。大学などでの生活に密着した多様なタスク、異文化理解タスクをすることにより、中級・上級日本語につなげるための初級文型・語彙を学習しながら、「自己を発信する力」「他者と伝え合う力」を総合的に身につけます。初級はVol.1とVol.2の2冊からなり、Vol.1は初級前半、Vol.2は初級後半のレベルとなっています。

◆総合的な日本語力をアップする
「JLPTUFSアカデミック日本語 Can-doリスト」初級前半の指標に基づき、日常生活や身近な活動を中心に、総合的な運用力をアップします。

◆豊富なイラストによる導入
学生たちが遭遇する場面や人々を想定して、楽しく会話やタスクが行えるよう工夫しました。豊富なイラストにより、授業の導入・練習ができます。学習項目は「流暢さ」と「正確さ」をバランスよく、段階的に習得できるよう配列しました。

◆多彩な教材活用
英語による文法説明は文型や活用形を導入する際の予習や復習として活用できます。また付属教材として音声CD、語彙リスト(別冊)のほかに、東京外国語大学留学生日本語教育センターのウェブサイトと連携して、漢字・文法の宿題、教師用のイラストもダウンロードできるようになっています。

【編著者紹介】
東京外国語大学留学生日本語教育センター

1970年に本学外国語学部附属日本語学校として創立され、1992年に留学生教育教材開発センターと統合して「留学生日本語教育センター」となりました。2012年には、文部科学省より「日本語教育・教材開発・実践教育研修」の教育関係共同利用拠点に認定され、他大学との共同利用を推進しています。本書は、この「AJ Can-doリスト」に基づいて開発された初級教科書で、主に交換留学生や研究留学生を対象とした本学の「全学日本語プログラム(JLPTUFS)」で使用しています。このプログラムでは、留学生の習熟度やニーズに応じて多様な日本語科目が開講され、本書をはじめ、「AJ Can-doリスト」に対応した教材の開発が進められています。

青山弘之 スライマーン・アラーエルディーン 著
『大学のアラビア語 初級表現 』


【2017年3月31日発売】
B5判・並製 255頁 定価:本体3000円+税
ISBN 978-4-904575-60-4  C 3087

本書は『大学のアラビア語』シリーズの1冊です。『大学のアラビア語 詳解文法』において具体的かつ体系的に解説されているアラビア語の文法項目に沿って、アラビア語の表現能力を身につけるための教本です。全13章からなり、各章は例文・解説・文法の復習・練習問題で構成され、アラビア語の文法事項を復習しつつ、初級レベルの表現能力を習得できるようになっています。

◆会話表現を学ぶ丁寧な解説
◆文法の理解を会話に活かす練習問題
◆語彙を確認し、増やすための単語帳
◆実際の会話表現を聴く音声ダウンロード

【著者紹介】
青山弘之
(あおやま ひろゆき)
東京外国語大学総合国際学研究院教授。専門は現代東アラブ政治、思想、歴史。著書に『シリア 終わらない人道危機(岩波新書)』(岩波書店、2016年)、『「アラブの心臓」に何が起きているのか:現代中東の実像』(編著、岩波書店、2014年)、『混迷するシリア:歴史と政治構造から読み解く』(岩波書店、2012年)、『現代シリア・レバノンの政治構造』(アジア経済研究所叢書5、共著、岩波書店、2009年)などがある。

スライマーン・アラーエルディーン
東京外国語大学世界言語社会教育センター外国人主任教員(特任教授)。専門はアラビア語と日本語の統語論、言語学。著書にFacing Finality: Cognitive and Cultural Studies on Death and Dying (共著、The Institute for Intercultural Communication, The University of Louisville、2013年)、『基礎日本語学習辞典』(アラビア語版、共訳、アッシュルーク、2010年)、『アラビア語60分(マルチリンガル・マラソン1)』(アルク、1995年)などがある。

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 発行
『FIELD PLUS(フィールドプラス)』第17号

オールカラー・A4判・並製・33頁・定価:本体476円+税
ISBN 978-4-904575-58-1 C0039
年2回(1月/7月)発行

巻頭特集は「チベット牧畜民の「今」を記録する」

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)から、世界各地の息吹を伝える雑誌をお届けします。多様な研究分野の垣根を越えて、世界のあらゆる地域をフィールドとする研究者たちの取り組みや経験を紹介。〈世界〉をさまざまな角度から見つめます。最新の第17号は巻頭特集「チベット牧畜民の「今」を記録する」(責任編集・星 泉)のほか、好評のコーナー「フィールドワークって何?」「フロンティア」など、読みどころ満載です。

[巻頭特集] 
チベット牧畜民の「今」を記録する 責任編集:星 泉
・現代チベットにおける人間と家畜の宗教的関係 別所裕介
・ヤクの名は。 海老原志穂
・牧童だった私の目にうつるもの ナムタルジャ
・映像による記録とその功罪 星 泉

○フィールドワークって何? 「あるく」
・山岳地域を歩く 奈良間千之
・「姿勢のよい闊歩」はどこから来てどこへ行くのか――バントゥ諸語の語彙分布から探る 品川大輔
・長距離道における調査方法の紆余曲折 土井清美

○フィールドノート
・韓国語諸方言のフィールドワーク 姜 英淑
・人文学の知でテロを防ぐ――バングラデシュ・ダッカのテロ事件と大学での教育への取り組み外川昌彦

○研究者の本棚
・歴史を食べる経験 『食と農のアフリカ史』 大石高典
・民族から考える中国の実像 『「周縁」を生きる少数民族――現代中国の国民統合をめぐるポリティクス』 野田仁

○フロンティア
・ブータン伝統集落を読み解く――「かたち」の背後にある空間の「意味」 吉村晶子
・エジプト西部砂漠のオアシス村研究をめぐる「出会い」 加藤博

○Field+TRAIN
・ジャカルタで活躍する日本の中古通勤電車を追って 川村晃一

○フィールドワーカーのおみやげ 山崎寿美子

長谷部美佳 受田宏之 青山亨編
『多文化社会読本 多様なる世界、多様なる日本 』

【2016年3月31日発売】
A5判 並製 264頁 定価:本体2400円+税
ISBN 978-4-904575-53-6 C0036

「ヘイトスピーチ」「排外主義」に抗して

多言語・多文化化する現代社会、互いの存在を生かし合える世界のあり方とは?

近年、高まりをみせる排外主義への危機感をバネに、世界14か国におよぶ現場での経験を活かし、専門家20名が各々の切り口で特定の国や民族、出来事の歴史的背景を浮き彫りにする。世界の地域研究と移民研究の成果から、国家と社会の新しい関係性を探究する一冊。
充実の論文とコラム、そして現場の声を聴く座談会を収録。


【本書の構成】
序章 地域研究と移民研究の対話――本書のアプローチ
第Ⅰ部 移民と国家の変容 欧州における多文化社会
 1章 ドイツにおける「外国人労働者」問題と多言語・多文化社会化  相馬保夫
 2章 「大英帝国」から「マルチ・エスニック・ブリテン」へ  尹慧瑛
 3章 フランス共和主義とイスラーム嫌悪(フォビア)  李孝徳
 4章 「ユダヤ文化」の復興? 
    ――ポーランドにおける多文化社会の再構築の試み  篠原琢
 コラム1 カタルーニャはどこへ行くのか?  立石博高

第Ⅱ部 多様性と統合 アジア・アフリカにおける多文化社会
 5章 中国という言語空間から考える
    ――アウターな言語のいのちのなかで〈他者〉になる自分へ  橋本雄一
 6章 南アジアの「多様性」は何を語るのか  藤井毅
 7章 インドネシアの華人――同化から統合へ  青山亨
 8章 サブサハラアフリカにおける国家と言語
     ――重層的多言語状況を生きる人々 坂井真紀子
 コラム2 ミャンマーにおける宗教サンクチュアリ
     ――国境沿い少数民族の生存戦略  土佐桂子

第Ⅲ部 先住民と黒人をめぐる語りと政策 「新大陸」における多文化社会
 9章 多文化主義オーストラリアと先住民族  山内由理子
 10章 先住民の自由について考える――現代メキシコと先住民  受田宏之
 11章 「サンボ」という表象とその意味するもの
     ――「奴隷とされた人たち」が生きた世界  佐々木孝弘
 コラム3 多文化主義のブラジルとアフリカ系ブラジル人  鈴木茂

第Ⅳ部 マイノリティの現場 日本における多文化社会
 12章 多様性への気づき――「日本」のマイノリティ認識について  前田達朗
 13章 「外国人受け入れ」反対論を乗り越えるには
     ――「多文化まちづくり工房」の事例から  長谷部美佳
 14章 座談会:憎悪と妄想を越えて
    加藤丈太郎 金朋央 宮ヶ迫ナンシー理沙
    塩原良和 前田達朗
    司会:長谷部美佳・受田宏之

終章 大学と多文化共生――東京外国語大学の経験


【編者紹介】
長谷部美佳
(はせべ みか)
東京外国語大学世界言語社会教育センター特任講師。専門は移民とジェンダー、多文化社会論。著書に「インドシナ難民家族の高校進学と支援者の役割」(『多文化社会の教育課題』明石書店、2014)、「外国人家事労働者受け入れをめぐる問題点」(『クアドランテ』No.17、2015)などがある。


受田宏之(うけだ ひろゆき)
東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門はラテンアメリカ地域研究、開発学。著書に『開発援助がつくる社会生活』(共著、大学教育出版、2010)、訳書にフェルナンド。エンリケ・カルドーゾ/エンソ・ファレット『ラテンアメリカにおける従属と発展』(共訳、東京外国語大学出版会、2012)などがある。

青山亨(あおやま とおる)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門は東南アジア宗教史、インドネシア前近代史。著書に「プランバナン寺院シヴァ堂のラーマーヤナ浮彫」(『画像史料論』東京外国語大学出版会、2014)、『東南アジアを知る50章』(共著、明石書店、2014)などがある。

野本京子 坂本惠  東京外国語大学国際日本研究センター編
『日本をたどりなおす29の方法 ―国際日本研究入門』

【2016年3月31日発売】
B5判 並製 192頁 定価:本体2000円+税
ISBN978-4-904575-56-7 C0081

国際日本研究、上級日本語学習のための新しい教科書

「日本人の宗教観」「日本国憲法」「3.11後の暮らし」など、多様な視点で描く「日本」。海外でもとくに関心の高い29のテーマ、トピックを通して、読者一人一人に、あらためて「日本」について考えを巡らせてほしい。

日本語を母語としない方々を最初の読者対象として、日本語を母語とする方々にも、自らの足元である日本について考え、「日本をたどりなおす」ために読んでいただきたいと思います。日本語を学習すると同時に、国際日本研究の入り口に立てるようにと意図されたものです。クラスで学習する場合は、テーマについて積極的に議論しましょう。

●日本国内の日本語上級レベルの留学生、海外の日本・日本語学科の教材として
●日本語中上級、上級者向けの読解、精読の教材として
●日本語母語話者を対象に、教養レベルの「国際日本研究入門」の授業に

本書の構成(目次より)
第1章 日本語ってどんな言葉?
第2章 人間と文学を語る
第3章 ニホンのブンカ系
第4章 日本の中のいろいろなコトバ
第5章 戦後日本の枠組み
第6章 現代日本の暮らしと文化
発表の評価の目安
調査の方法/巻末資料


【編者紹介】
東京外国語大学国際日本研究センター

東京外国語大学国際日本研究センターは2009年4月に設立され、日本語教育の方法や日本の文化・社会に関する研究分野にかかわるテーマについて調査研究し、その成果を教育面にも反映・還元していくことを目標としています。留学生日本語教育センター、そして学部・大学院で日本語を含む27専攻語・地域についての教育研究体制を擁する東京外国語大学での日本語・日本研究は、「日本」をベースとしつつ、世界の諸言語・諸地域との比較研究をつよく意識せざるを得ません。このような恵まれた環境を最大限に活かし、海外の研究者との情報ネットワークを構築し、国内外における日本語・日本教育研究機関と連携しつつ、多様化する日本語学習者に対応した教育研究を進め、その成果をひろく社会に還元してまいります。

ホアン・ミン・トゥオン著 今井昭夫訳
『神々の時代』

【2016年3月31日発売】
四六変型判・ 並製 574頁 定価:本体4000円+税
ISBN 978-4-904575-55-0 C0097


豊かなアジア文学の世界――〈物語の島 アジア〉シリーズ第四弾はベトナム

南北に引き裂かれ、国に翻弄され続けた一族の歴史ストーリー

ハノイ近郊のある農村に暮らすグエン・キー一族の、フランス植民地時代からベトナム戦争、そして南北ベトナム統一後――。激動の時代を生きた人々の生活を、与えられた歴史としてではなく、自分達の歴史として作家が再び語り直す。
刊行後、当局から回収処分を受けながらも多くの読者に衝撃を与えたベトナム戦争文学の記念碑的作品。待望の邦訳。


【著者紹介】
ホアン・ミン・トゥオン
(Hoang Minh Tuong)

1948年、ベトナムの農村ハドンに生まれる。大学卒業後、教師などを務めた後、1970年代後半に新聞記者となり、作家活動を開始。1979年に初めての長編小説『冬春米の田』を刊行して以来、20冊以上の著作を発表し、ベトナム国内で高い評価を受けている。2008年に刊行された『神々の時代』は、2014年にはフランス語訳が、翌15年には韓国語訳が出版されている。


【訳者紹介】
今井昭夫
(いまい あきお)

東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門はベトナム近現代史。著書に『戦争・災害と近代東アジアの民衆宗教』(共著、有志舎、2014)、『記憶の地層を掘る アジアの植民地支配と戦争の語り方』(共編著、御茶の水書房、2010)などがある。


〈物語の島 アジア〉シリーズは、第1弾・タイ『パンダ』、第2弾・カンボジア『追憶のカンボジア』、第3弾・チベット『ハバ犬を育てる話』も好評発売中です。

吉松久美子著
『移動するカレン族の民族誌  フロンティアの終焉 』


【2016年3月28日発売】
A5判 上製 384頁 定価:本体3700円+税
ISBN978-4-904575-54-3 C0039

彼らはなぜ移動し続け
そしてなぜ移動を止めたのか

暮らしのあらゆる部分が移動を核として絡み合い、もつれ合い、
見え隠れしながら濃密につながっている――。

北部タイ山間盆地で頻繁に家や村を移していた頃のカレン族の人々の生活を、足かけ8年にわたるフィールドワークにもとづき記述し、移動の生活様式から定住へと変換していく過程とその起因を、これまでにない独自の解釈で明らかにする。移動するカレン族の文化の終焉を丹念に描き出し、鮮やかに捉えたエスノグラフィー。


【著者紹介】
吉松久美子
(よしまつ・くみこ)

1954年生まれ。文化人類学者。慶応義塾大学文学部非常勤講師。東京外国語大学地域研究科博士課程修了。博士(学術)。やまもとくみこ の名前で数多くの著作がある。1985年、「"私"の存在」で第4回潮賞(ノンフィクション部門)受賞。著書に『ムがいっぱい―タイ少数民族カレンの村で』(農山漁村文化協会、1990、高等学校指定図書)、『美しきカレン―北タイを訪ねて』(古今書院、1990)、『手さぐりのタイ―不思議の国の驚きレポート』(農山漁村文化協会、1992)、「犬に名前のない社会」(『中学校国語科用 国語3』所収、光村図書、1993)、『中国人ムスリムの末裔たち―雲南からミャンマーへ』(小学館、2004、第10回小学館ノンフィクション大賞優秀作)など。

菅原純 ラヒラ・ダウト編
『Mazar: Studies on Islamic Sacred Sites in Central Eurasia』


【2016年3月31日発売】
B5変型判 並製 360頁 定価:本体3600円+税
ISBN978-4-904575-51-2 C3039

イスラーム聖者廟ことマザール(mazarアラビア語:参詣、訪問、参詣地、廟墓、墓)は、中央ユーラシア世界において、さまざまな局面で重要な役割を果たしてきた。一千年以上の長きにわたり、マザールは地域コミュニティの精神的な拠り所であったと同時に、参詣や巡礼を通じて、種々の人々の広域的な交流の結節点としての役割を果たしてきたのである。さらにマザールは、時に人々に地域の歴史を思い起こさせるランドマークあるいは「記憶の場」として機能してきた。マザールはこのように文化的、社会的、経済的、そして歴史的に無視できぬ存在であり、マザール研究は中央ユーラシアの歴史と社会をより深く理解するうえで欠くことのできない学術的意義を有していると言えよう。本書は20名の専門研究者が、それぞれ異なった視点からこのマザールの諸相に光を当て、これまで語られてきたものとはまた違った、中央ユーラシア世界の新たな知的沃野を示す試みである。

執筆者:ナーディルジャン・アブドゥアハトフ、ラヒラ・ダウト、デヴィン・デウィーズ、ギュルバハル・ゴジェシュ、パトリック・ハルゾン、アシルベク・ムミノフ、オメルジャン・ヌリ、アイツァン・ヌルマノワ、アブリズ・オルホン、アレクサンドル・パパス、澤田稔、新免康、菅原睦、菅原純、ライアン・サム、王建新、王平、アブリミト・ヤスィン、張世才、ジョウ・シージュアン


Mazars (A. visiting, visitation, visit; a place of visitation; shrine,sepulcher, tomb, grave), or Islamic sacred sites, have played important roles in various dimensions of the Central Eurasian world. For over a millenia the mazar was the central source of spiritual strength and guidance for the local communities, and it has played a substantial social role in large-scale intersection and contact of various peoples through the act of pilgrimage. Moreover, the mazar sometimes functioned as a kind of landmark that recalled local history, or a "Memory space". The cultural, social, economic, and historical values of the mazar are indispensable, and thus studies of the mazar have an academic significance in that they help us to develop an in-depth understanding of Central Eurasian history and society. This volume aims to shed light on various aspects of mazars from the points-of-view of twenty different specialists, aiding readers in imagining new intellectual horizons for and about the Central Eurasian world, a welcome counterpoint to some of the tired tropes that have long defined debates about the region.


CONTRIBUTORS: Nodirjon ABDULAHATOV, Rahile DAWUT, Devin DEWEESE, Gulbahar GHOJESH, Patrick HÄLLZON, Ashirbek MUMINOV, Omerjan NURI, Aitzhan NURMANOVA, Abliz ORXUN, Alexandre PAPAS, SAWADA Minoru, SHINMEN Yasushi, SUGAHARA Mutsumi, SUGAWARA Jun, Rian THUM, WANG Jianxin, WANG Ping, Ablimit YASIN, ZHANG Shicai, ZHOU Xijuan.


【編者紹介】
菅原純
(すがわら じゅん)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院 特別研究員
SUGAWARA Jun is a research fellow of The Graduate School of Global Studies,Tokyo University of Foreign Studies.

ラヒラ・ダウト(热依拉·达吾提)
中国新疆大学人文学院 教授
Rahile DAWUT is a professor of Institute for the Humanity Studies,Xinjiang University

トピックス

近刊『痛みと感情のイギリス史』に関する座談会が開催されました

紀伊國屋書店の電子情報サービス「KINOLINE」にて、3月発売予定の『痛みと感情のイギリス史』の著者による座談会「『痛みと感情のイギリス史』とEarly English Books Online」が行われました。

座談会はこちらからご覧頂けます。
「KINOLINE」座談会ページへ

【紀伊國屋書店】
・電子情報サービス「KINOLINE」
・データベースサービス
「Early English Books Online(EEBO)」

【近刊情報】
書名:痛みと感情のイギリス史
編者:伊東剛史 後藤はる美
発売:3月刊行予定

一七~二〇世紀のイギリスをフィールドとして、神経医学の発達、貧者の救済、聖職者の処刑、宗教改革期の病、魔女裁判、夫婦間の虐待訴訟、動物の生体解剖などを題材に、六名の研究者が史料に残された〈生きられた痛み〉を照らし出し、感情を歴史学から考えるための視座を開く。

デジタル版配信開始のお知らせ


世界の多様な漫画文化の発展のため、海外コミックの電子書籍化に積極的に取り組む、電子書籍販売サイト「eBookJapan」から、マレーシアの国民的漫画家LATの代表作『カンポンボーイ』『タウンボーイ』のデジタル版が配信スタートいたしました。
*Windows、Mac、iPad/iPhone/iPod touch、Androidで読書をお楽しみいただけます。購入した作品は複数端末で楽しめ、My本棚は"背表紙表示"も可能です
ebookjapanへ

第7回辻静雄食文化賞 贈賞式

辻静雄食文化賞の贈賞式が7月4日に八芳園「ニュイ」にて行われました。
第7回辻静雄食文化賞
『慈悲深き神の食卓‐イスラムを「食」からみる』八木久美子著

▲辻調グリープ『ニュースリリース』
▲八木教授インタビュー『TUFS Today』
▲受賞者一覧『辻静雄食文化財団』

「慈悲深き神の食卓」受賞

「慈悲深き神の食卓 ―イスラムを「食」からみる (Pieria Books)」が、「第7回辻静雄食文化賞」を受賞致しました。

▲詳しくはこちらから

辻静雄食文化賞とは?

一般財団法人 「辻静雄食文化財団」

読書冊子『pieria(ピエリア)』最新号


『pieria(ピエリア)』とは、本学出版会と附属図書館の共同企画・編集によって毎年春に発行している読書冊子です。

2016年4月発行■ 第8号 ■最新号
今号の特集は「歴史のことば 現在のことば」。本学教員をはじめとした多彩な執筆者らによる「ことば」のエッセイで構成されています。「世界で読まれる書物たち」と題した第2特集では、世界の国や地域で「いま」読まれている書物を取り上げます。また「フィールドノート」のエッセイ、在学生や留学生らによるおすすめ本の紹介など、読書の世界がいっそう広がります。
学内では図書館2階入口や外大生協で、無料で配布されていますのでぜひ手にとってご覧ください。一般読者や書店員の方々にもお送りしていますので、お気軽にお問い合わせください。

【バックナンバーPDF】
(以下のURL先からご覧になりたい項目をクリックし、「登録ファイル」の「見る/開く」をクリックするとPDFをご覧頂けます。

◆2016年最新号〜2012年までのバックナンバーはこちらから
 
◆「pieria 発見と探究への誘い
 (2011年春号/通巻3号)
◆「pieria 未知との遭遇のために
 (2010年春号/通巻2号)
◆「pieria 新しい世界への扉
 (2009年春/通巻1号)
(本学附属図書館所蔵の図書は、記事中に囲みで示されており、クリックすると詳細情報が表示されます)。

「ガイマン賞2015」にて「タウンボーイ」が受賞

【ガイマン賞2015】で「タウンボーイ」が受賞

昨年、「ガイマン賞2014」で第2位を頂いた「カンポンボーイ」の続編、「タウンボーイ」が今年のガイマン賞で「小野耕世特別賞」を受賞いたしました。
▲ガイマン賞2015「結果発表」

「演劇の未来形」がAICT演劇評論賞を受賞

Pieria Booksシリーズ4作目の「演劇の未来形」谷川道子著がAICT演劇評論賞を受賞いたしました。
【AICT演劇評論賞】
国際演劇評論家協会(AICT)日本センターが、演劇・ダンス等の優れた批評を顕揚し、その発展を図るために、演劇・ダンス等の舞台に関する優れた評論書に贈る賞です。

出版企画学内公募について

出版企画の学内公募を開始しました。
応募資格は、以下のとおりです。
①本学教職員(非常勤の方を含む)
および名誉教授
②本学学部生・大学院生
※本学教職員の推薦が必要です。
その他、詳細はこちらをご覧ください。
ご応募お待ちしております。

ページの先頭へ戻る

Copyright