2023年3月17日

訛りについて

今、ラジオで、日本語が母語ではない外国人が日本語で喋っているんだけど、幸い一人で聞いている。

家人と一緒にそう言う番組を聞くのは物凄いストレスになる。

僕は、訛りにはできるだけ集中しないで、内容を聞こうとするんだけど、家人は、訛りの真似を執拗に始める。

まあ、訛りって、「異化」だし、「フック」だし、「スキーマの不一致」だし、それは「素直な反応」なんだと思うけど、ナイーブすぎる。

自分だって、英語を喋ろうとすれば、訛り無しには喋れないのに。

まあ、面と向かって、外国人本人の前では、そんなことはしないんだろうけどね。でも僕にはストレスです。

2023年3月 9日

Englishman in New York

よく考えもせずに、StingのEnglishman in New Yorkは、Stingについての歌なのだと思っていたのですが、昨日、2023/3/8 26時というか、今朝早朝2時の、FM FukuokaのRoom Hで、松本大が、これはQuentin Crispに関する歌だと言っていて、真相を初めて知りました。

ENGLISHMAN IN NEW YORK(Sting)(日本語です)
http://blog.livedoor.jp/isreal/blog-entry-273.html

英国でまだ同性愛が違法であった時代にゲイとして生まれ、育ち、様々な芸術活動をして半生以上を送り、1981年、71歳の時にNew Yorkに移り住んだのだそうです。

Sting Discusses MY SONGS - Englishman in New York(英語です)
https://www.youtube.com/watch?v=8mZgbIRUiNk

Sting - Englishman in New York [公式MV 和訳付き]
https://www.youtube.com/watch?v=s-fF5HTRvDI

ミュージックビデオに女装したQuentin Crisp自身が何度も登場しています。

困難な時代に隠れていなかった先達に敬意を表します。

2023年3月 7日

「異化」に関して

「自動化」と「異化」という概念は、1910年代に、ロシアのシュクロフスキーによって文学(および他の表象文化)に提案され、1930年代に、チェコのハブラーネックによって言語学に提案されています。

「自動化(露 avtomatizm、チェコ automatizace)」とは、身の回りにある当たり前の事柄のことで、そこにひねりを加えたものが「異化(露 ostranenie、チェコ aktualizace)」したものとなります。自動化したものより、異化したものの方が、人の関心を惹きつけます。

ハブラーネックは、千野榮一によって「元祖ゴキブリラーメン考」という言語学エッセイで紹介されています。

その異化と同じような概念が、コピーライティングや、商品のネーミング(その他)で、「フックがある」と呼ばれているようです。

「強い言葉、フックのある言葉」
https://ameblo.jp/hansoku555/entry-11743390896.html

でも、フックが効きすぎてもダメで、適度なものが効果的だと考えられているようです。

それをまた、マーケティングの界隈では、スキーマの不一致と呼ぶようです。

【東大教授が教えるヤバいマーケティング】レクサスとトヨタ、天然水の躍進はスキーマ不一致がカギ
https://gonjitti.com/blog/2020-11-06-schema/

スキーマの不一致は、適度な不一致が好ましくて、極端な不一致は却って効果的でないとされているようです。

男が女湯に論争に関して

LGBT法案が成立したら、自称性自認が女性だという男が女湯に入ってくるという議論で、諸々のSNSは持ちきりですが、それは、法律を曲解して利用しようとするシスヘテロ男性の問題であって、トランスジェンダー当事者のことからは、全く遠いところに議論が行ってしまっています。

このことについて、自身がMTFトランスである法律家が、「そんな心配はする必要がない」と淡々と書いています。

法律実務の現場から「TERF」論争を考える(前編) 仲岡しゅん
https://wan.or.jp/article/show/9099#gsc.tab=0

法律実務の現場から「TERF」論争を考える(後編) 仲岡しゅん
https://wan.or.jp/article/show/9100#gsc.tab=0

モンタナ州法法案は廃案に

この人が、「法案」が成立!と書いちゃったので、それを信じる人が、後を絶たない。

ワクチン接種者の献血を「スパイクタンパクが多い」ことを理由に禁止する新法案が成立
http://takahata521.livedoor.blog/archives/18395585.html

実際には、共和党のMAGA議員がモンタナ州法にしようとして法案を提出しましたが、廃案になっています。

https://billingsgazette.com/lifestyles/health-med-fit/bill-to-prevent-mrna-vaccine-recipients-from-donating-blood-is-killed/article_732c391e-b7c1-11ed-b68f-43460c375df0.html

DeepLで和訳します。

mRNAワクチン接種者の献血を防止する法案が廃案に Emily Schabacker 10 hrs ago 33 フェイスブック ツイッター 電子メール PrintCopyの記事リンク セーブ

下院人間福祉委員会は、提供者がmRNAワクチンや治療を受けていた場合、血液や組織を提供することを違法とする法案を廃案にしました。

この法案は、「遺伝子に変化を与えるタンパク質」やその他の「mRNAやDNAワクチンによって導入された分離体」、化学療法を含む血液や組織を故意に収集し配布した加害者に対して、500ドル以下の罰金で罰せられる軽犯罪を科すことを求めていました。

このバイオテクノロジーを利用してCOVID-19ワクチン接種が記録的な速さで開発され、ワクチン接種が医療機関を襲って以来、メッセンジャーRNAに関する誤った情報が極右の間で蔓延しています。

マイルズシティ選出のグレッグ・クメッツ議員は、下院法案645は有権者法案であると説明し、この法案は選挙区内の住民の安全に対する懸念から生じたものであると述べました。

グレッグ・クメッツ
グレッグ・クメッツ

"安全で効果的 "という言葉を、ここ何年も私たちは耳にしてきました。私たちの地球全体がこの言葉を響かせています。安全で効果的。私たちは、2人の大統領がこの言葉を口にするのを見たことがあります。私たちは、政府のトップ医療報道官がこの言葉を口にするのを見た。多くの有権者が、『安全で効果的』という2つの言葉を100万回以上聞いたからといって、それが真実だと言えるのか、と疑問を抱いているのです」。と、Kmetz氏は金曜日の法案公聴会で語りました。

人々はこうも読んでいます。
写真で見る ビリングスの12th Street Westで不審死が報告された。
魚類野生生物委員会がイエローストーン川の島購入にOKを出す
一匹狼がモンタナ州南西部を縦断してプライヤー山脈に入り、致命的な決断を下すまで
暴力沙汰を起こしたビリングスバーが殺人事件の被害者家族から訴えられる
クメッツは続けて、"生存率99%以上 "の病気を「根絶」することを目指す政府のプログラムに有権者が疑念を抱いていると述べた。

米疾病対策センター(CDC)のデータによると、COVID-19は2021年以降、心臓病とがんに次ぐ第3位の死因となっています。

モンタナ州では、13,995人がCOVID-19が原因で入院し、少なくとも3,634人が亡くなっています。モンタナ州保健福祉局のデータによると、クリスマスと年末年始の休暇中に、13人のモンタナ人がCOVID-19の合併症により死亡しています。

この法案には、グレートフォールズ選出のローラ・シェルドン・ギャロウェイ議員を含む8名が賛成意見を述べました。彼は、COVID-19ワクチンがこの地域の謎の死と直接結びついていることを裏付ける資料として、Facebookの投稿を参照しました。

Sheldon-Galloway氏は、彼女の兄が葬儀屋であり、COVID-19ワクチンの発症以来、彼が防腐処理する死体の血液がより "繊維状 "になっていると説明した。

もう1人の支持者であるマイルズシティの家庭医、クリスティン・ドリヴダール=スミス博士は、COVID-19ワクチンは狂牛病としてより広く知られているプリオン病を引き起こす可能性があると述べた。彼女はまた、これらのタンパク質は輸血の際に移される可能性があると言います。

"だから、もしスパイクタンパク質が少なくとも30日間血液中を循環し、致命的な脳疾患を引き起こすプリオンとして作用することができるのであれば、その人たちを献血から除外したいとは思わないだろうか?" とDrivdahl-Smithは言った。

このような主張をするJ.バート・クラッセンの論文がありますが、アメリカ科学健康評議会やUSA Todayのファクトチェック報告によると、mRNAワクチンが狂牛病やその他の神経変性疾患を引き起こすことを示唆する証拠はありません。

この主張は、全米の専門家によって否定されています。

米国食品医薬品局によって認可され、疾病管理予防センターと世界保健機関(WHO)によって推奨されている2種類のmRNAワクチンは、臨床試験で徹底的に吟味されたものである。

動画を再生する
専門家がFOX6にRSVワクチンについて、そしてそれがどのように状況を変える可能性があるかについて語っています。

また、mRNAワクチンCOVID-19の2回目の接種後に、心筋炎(心筋の炎症)が発生したという非常にまれな報告も、各団体は認めています。WHOによると、この症状はmRNAワクチン接種者の3%未満に発症しているとのことです。

モンタナ州民の約67%がmRNAワクチンを1回以上接種しており、血液や臓器の提供が禁止され、ドナープールは約33%に減少しています。また、化学療法では、がん治療中にmRNAを利用するため、献血できる人はさらに少なくなります。

血液バンクVitalantの副社長であるCliff Numark氏は、「血液供給が壊滅的になる」と法案に反対する意見を述べた。血液バンクは現在、患者のニーズを満たすのに苦労しており、このような形で血液供給が減少すれば、患者のケアに壊滅的な打撃を与え、人々が死んでしまうことになると付け加えた。

金曜日の公聴会では、約12人が法案に反対する証言をしました。その中には、臓器移植を受けた人や、病弱な家族に臓器を提供しようと考えている人がいました。

マイク・キンセラ氏は、2度の臓器移植を経験し、1度は妹から、もう1度は亡くなったドナーから快く提供された。


彼は委員会で、この法案は、臓器の提供を受ける側と提供する側が、処置の前にCOVID-19のワクチン接種を受けることを義務付けている連邦政府の規定に反すると述べた。

"(HB645は)そのリストに載っている人を傷つけ、長引かせることになる。もしこの法案を通すと決めたら、臓器移植を待っている人の死に加担することになります」とキンセラ氏は語った。

月曜の夜、HHS委員会は19対1でこの法案を審議することを決定した。法案を維持する票を投じたのはSheldon-Galloway議員であった。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

2023年3月 4日

よしなしごと4題

1.
30年近く使ってきた抗うつ剤、アモキサンが去る2月で製造中止になるということで、主治医が、代替の薬を1月に提案してきました。

アモキサピン製剤における "発がん性の可能性がある物質"の検出について
https://www.tobu.saiseikai.or.jp/news_b/32201/

トリンテリックス錠10mgの基本情報
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/11/1179060F1028.html

古い三環系のアモキサンから、新しいS-RIMのトリンテリックスに変更になったのですから、いろいろ「良くなって」当たり前ですよね。

効用書きには書いてありませんんが、以前はカフェインに敏感で、午後3時以降にカフェインを摂取すると眠れなくなったりしたのですが、今はちょっと位遅くに日本茶などを飲んでも、眠れないということは無くなりました。

このことを家人に言ったら、「いや、痩せて体調が良くなったからでしょう?」と、精神科薬に対する懐疑心大爆発で、まるっと否定されました。


2.
先日、とあるラジオ番組で、UNOの話になっていて、「UNOを発明した人って天才だよね」って言っていました。ということは、そこにいた人たちは、トランプを使って、ページワン、キャッツアイ、ドボンを遊んだことは無いってことなんでしょうね。

キャッツアイとハイパーウノ
https://www.melvic.info/?p=1951

ドボン(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ドボン
http://bit.ly/3mrqIFN (短縮URL)


3.
先日とあるラジオ番組で、女性でスケートボードを扱う選手のことを、ガールズ・スケーターと言っていました。

以前、学術的な文脈で、男性であるアイドルのことをメンズ・アイドルと書いている人たちがいて、それを批判したことがあるのですが、研究者と、そうでない人とでは違いますね。

一般人が、英語圏で使わない和製英語表現を使うことは、批判する必要はなく、むしろ「なぜそういう表現になるのか?」を考えた方がいいでしょう。

ただ、メンズ・アイドルとガールズ・スケーターに共通しているのは、どうやら「ズ」が同格(apposition)を表わすものとして使われていて、その用法は英語の'sには無いという点です。


4.
和製英語ならぬ、和製欧語の話です。和製のカタカナ語を作るときに、英語は英語のみで、フランス語はフランス語のみで使わなければいけないという意識はおそらく無い人が結構いて、混ぜて使うようなのです。

カウンター・デセール
https://more.hpplus.jp/influencers/blg/inui/l-news/69223/1/

と呼ばれるものがあるらしく、これは、カウンター・デザートにはしたくない理由が何かあったのでしょうね。

ゴースト・パティスリー
https://hanako.tokyo/food/358484/

も、全部英語で、あるいは全部フランス語では表現しにくかったのでしょうね。

法案は法案

先日、米モンタナ州の州法とすべく州下院に提出された法案が話題になっていました。

https://twitter.com/nagunagumomo/status/1631085660273782784?s=20

南雲 香織 - Kaori Nagumo

@nagunagumomo
モンタナ州でmRNAワクチンの接種を受けた者が献血することを犯罪とする新しい法案を提出。もし可決されれば利用可能な血液の供給が80%減少する。

それでも、スパイクタンパク質を含むクソ血液がばら撒かれるよりも遥かにマシということなのでしょう。
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午前9:15 · 2023年3月2日
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これには、反ワクチン派の人たちが、「やっぱりワクチン打たなくてよかった」と色めきたったようなのですが、これは提出されたというだけでしたし、提出したのもMAGA系の共和党議員によるものでした。

この「情報」は、米のライターEthan Huffによる3月1日の記事を受けて、日本国内でも流通したようです。

https://www.naturalnews.com/2023-03-01-80-percent-blood-contaminated-spike-proteins-mrna.html
TAINTED BLOOD: 80% of the blood supply contaminated with spike proteins from mRNA jabs, blood banks accidentally admit
Wednesday, March 01, 2023 by: Ethan Huff
Tags: blood, blood donations, blood supply, COVID, mRNA, spike protein, transfusion, vaccination, vaccine damage, vaccine war, vaccines

This article may contain statements that reflect the opinion of the author

なお、この法案は、廃案となったと報告されています。

https://billingsgazette.com/lifestyles/health-med-fit/bill-to-prevent-mrna-vaccine-recipients-from-donating-blood-is-killed/article_732c391e-b7c1-11ed-b68f-43460c375df0.html
Bill to prevent mRNA vaccine recipients from donating blood is killed

2023年2月 3日

よしなしごと3題

1.
Love Rainbow Trainが1月に終了して、残念に思っている皆様。

ドラーグクイーンが出演しているラジオ番組は、それなりにありますね。「ナジャ」、「ブルボンヌ」などで、radikoで検索してください。

その他のSOGI (含LGBTQ)に関しては全体を把握することも難しそうです。

ところで、そんな皆様におすすめのラジオ番組があります。

エフエム鹿児島(ミューエフエム)の
「だいすけ・ゆうすけ・みすけの助太刀いたす」
https://www.myufm.jp/program/suke3/

です。いわゆる運動の最先端の人たちの話ではなく、地方都市で一緒に暮らしている男男カップルが、届いた相談メールの適当にコメントしています。世間の運動界隈が「同性婚」一点突破に向けて集結していることとも、かなり距離を置いているお気楽さで、肩の力が抜けます。


2. 「主題標識(トピックマーカー)としてのbe動詞

これは、日本語内部にある外来要素の話なのか、それとも、英語を学習途上の日本人が英語だと思って、非標準的な形を使ってしまっているのか。以下のツイートの前に観察した言語事象には、どちらも含まれているでしょうね。

RN:きなばる航汰(Nobuqatsu Minoula, 喜納原こうた) @nobusik 昔、札幌市の広告で「私はスタッドレス。Are you?」ってのがあった。和製英語の中で、be動詞がすっかりトピック標識になっている。しかも人称・数で変化する!それとも、ウナギ文の中でコピュラとして使われてると考えたほうがいいのだろうか。 午後11:06 · 2014年12月2日
Natsuko Nakagawa @nakagawanatsuko be動詞(コピュラ)をトピック・マーカーみたいに使う理由があるに違いないと前から思ってるんだけど、何故なのかはよくわからない。 午後10:25 · 2015年2月23日
RN:きなばる航汰(Nobuqatsu Minoula, 喜納原こうた) @nobusik あるレベルの、日本語要素を増やした英語もどきの中で、Be動詞が、主題を表わす標識になってる感じなんだけど、主題マーカーが、人称・数で変化するに至っては、まあ、混成言語だから起こりうるってことだろうね。 午後10:45 · 2015年3月31日
RN:きなばる航汰(Nobuqatsu Minoula, 喜納原こうた) @nobusik 札幌市の昔の広告で、「私はスタッドレス。Are you?」ってのがあった。日英混成語ではもはやbe動詞は、トピックマーカーが屈折するものになっている。 午後6:23 · 2018年1月22日 場所: 埼玉 さいたま市 岩槻区

以下の例は、「英語だと思って使ってらっしゃる例ですね。

DREAMS ARE COME TRUE。これは、「ARE」が無いだけで標準的用法になります。

宇野実彩子 - going on
https://www.youtube.com/watch?v=hOycFJspUW8

の歌詞で、「I'm just keep going on」ってのがあるんですが、「'm」が無いだけでかなり改善されますし、これを普段、英語人に向かって使っていても理解されるでしょうけどね。でも非標準的です。

DREAMS ARE COME TRUEの「are」も、I'm just keep going onの「'm」も、どちらもトピックマーカーで、日本語「は」に影響されて挿入されちゃった感があります。

人称・数に応じて変化するトピックマーカーの一丁できあがりです。


3.
先日ラジオを聴いていたら、速えー/早えー のどちらかの意味で、さらに第2音節の初頭子音がジェミネートしているのを聞き及びました。そのジェミネートした子音は[j]で、[hajje:](あるいは[haj:e:])な感じになっていました。この[j]は、元の早い/速いの中にある[j]なのか、それとも、長い単母音化した[e:]の前で一度消えて、ジェミネーションに際して再度挿入されたのか気になります。

2023年1月25日

ことば9題

1.
アンちゃんによると、和製英語というのは、最早、英語ではなくて日本語の中にあるのだから、それを正しい英語に直せなどというのはおこがましいし、それを並べて、愛でて見ればいいのだろう。

https://ameblo.jp/annechan521/entry-12287153132.html

他方「英語を教える」系のブログや動画などで間違ったことを教えている人がいたら、それは糾弾していいだろう。

米製日本語というのもあって、hibachi、futonなどは、日本人が思い浮かべるものとは違うし、ume musubi(梅干しのおにぎり)などは、ちょっと想像力を働かせないとわからないだろう。

単語レベルじゃなくて、文法レベルになると、最早英語からの類推で考えてもわからないものがある。

その1つは、商品名や、番組名などの「ザ」の用法である。

セブン・ザ・プライス
https://7premium.jp/product/search?item_tag_category_id=142

なぜそこに「ザ」があるんでしょうね。

ビリー・ザ・キッド
https://ja.wikipedia.org/wiki/ビリー・ザ・キッド
http://bit.ly/3j5c85i (上を短縮したもの)

なんていうのは英語でもあるんですけどね。キッドであるところのビリーですね。

日本語で「ザ」が含まれる「名称」は、そういう構造になっていないようです。

番組名でも、同様のものがあります。

ナイツ・ザ・ラジオショー
https://www.1242.com/radioshow/

ミッツ・ザ・コレクション
https://www.1242.com/mco/

ナイツ、ミッツに属格標示をして、「の」を使えばよさそうなものを、ちょっとカッコ良くするために「ザ」にしたのでしょうか。そういえば、英語の属格の「's」をカタカナ化するのは、結構難しいんですよね。和製英語で、「メンズ」の「ズ」は、元々は属格の'sだったんだけど、日本語の中では、複数のsに聞こえます(見えます)ね。

最近発見したことは、「ザ」を2つ使うことはないという傾向です。

ザ・クロマニヨンズ・ラジオショー
https://www.interfm.co.jp/crs

ザ・クロマニヨンズ・ザ・ラジオショーでは、うるさいというか、重たいのでしょうか。


2.
和製英語といえば、句動詞に見えて、英語に無いものがあります。

レンジアップ
https://dictionary.goo.ne.jp/word/レンジアップ/
http://bit.ly/3DccZIp (上を短縮したもの)

ティッシュオフ
https://kotowaka.com/cosme/texissyuoff/

もっと例を集めないと安易な一般化はできませんが、上の2例を見ると、「道具」+「方向」 という構造になっています。

和製英語だからかもしれないですが、この「道具」のスロットに英語だと感じられないものを入れることができないのかもしれません。「レンジアップ」を「チンアップ」とはいえません。(keep one's chin upは、全然違う意味の英語表現です。)


3.
「嘘とゴムはつけない男」という人がいます。
https://twitter.com/katsuking_50
「ウソとゴムはつけない男」というのもいます。
https://twitter.com/kt161216

ここで注意しないといえないのは、嘘/ウソがつけないというのと、ゴムをつけないという場合の「つけない」は、たまたま音形が同一になった、別個の動詞の派生形だということです。前者は、(嘘を)吐くの可能動詞の否定形、後者は付けるの非定型です。

(これを統語解析するときにはどうするんでしょう?)

類例を作例してみました。

「ピーマンと膝はいためない男」
「オリンピックと顔はイケてる男」


4.
先日、某局アナさんが、「オーガズム」のアクセントが、H]LLLLか、LHH]LLか迷っていました。「アクセントが違ったら意味も違うようになるよなぁ」のようなことも言っていました。アクセントの違いによって意味が違ってくる場合もあるだろうけど、ほとんど変わらない場合もあるでしょう。

これは、単に外来語へのアクセント付与のメカニズムの違いによるものだと思われます。

英語では、アクセントが第1音節にありますので、それを尊重すれば、H]LLLLになるだろうし、他方、日本語の(ほぼ)4モーラ以上の名詞で、デフォールトのアクセントを付与しようとすれば、後ろから3番めにアクセント核のあるLHH]LLになるのでしょう。

パラダイムも英語のアクセントに従えば、H]LLLLになるだろうが、デフォールトのアクセントを付与すればLHH]LLになるでしょうか。

LGBTのアライというときの「アライ」では、3つのアクセントパターンを観測しています。

アライ (H]LL)というのは英語のアクセントを尊重した形でしょう。

アライ (LH]L)というのを、「これはアライアンスから短くしてできた名称です」と嘘の語源で説明している人がいました。でも、その語源に従うとこの形になりそうです。

最近多いのは、いわゆる専門家アクセントの

アライ (LHH=)です。

最後の専門家アクセントの平板型は、専門家アクセントだけにニュアンスが違ってくるでしょうね。意味が違ってくるとまで言えるかどうかはわかりませんが。


5.
radikoのCMで、

「あなたの人生に素敵な偶々を」

https://kotobayasan.com/radiko-radiocm/

というのがありました。

偶々(たまたま LHHH=)をたまたま(H]LLL)と発音したら別な意味になっちゃいますね。OBS夜のイチスタ☆御用達のアレになっちゃいます。


6.
「敬語〜待遇表現の変化」

私がやっているのは、あくまでも記述であって、規範の浸透ではないので、規範と違うことがあっても、それを糾弾するのは、「立場を変えて」やらないといけません。

ということで、今回は記述的立場で。

最近「おられる」という尊敬語をよく耳にします。「いらっしゃる」「おいでになる」だと、「いる/いく/くる」の3つに対応してしまうし、「いる」だけに特化したいということで、これを誰かが使って、広まったのでしょうかね。

あと、補充法による尊敬語よりは、(ら)れるによる尊敬語の方が好まれるという最近の傾向とも関係があるかもしれません。(それこそ歴史的コーパスの経年変化を見ないと、「実証」したことにはなりませんが。)

「召し上がってください」「お召し上がりください」の代わりに、「いただいてください」というのも最近よく耳にします。「いただく」が謙譲語だという感覚が薄れてきているのでしょうか。それとも、食物の生産者に敬意を払っているのか。


7.
ちょっと前に私の指導院生が、会話の中で、「〜は」とか、「〜が」とかの助詞で始めて応答することに興味を持っていたのですが、

先日(先週ではないです)、J-WaveのFree Slideの中で、

「が [ŋa]」

で始めている人がいました。

本来なら、その人の言語的生育歴まで調べないといけないですが。

東北のある部分のご出身、あるいは他の[ŋ]を使う地域のご出身だったとしたら、母語の特性として、[ŋ]を使っているのでしょう。

母語として獲得しなかった人でも、アナウンサーになる養成校に通ったりして、かなり長じてから[ŋ]を習得した人とか、合唱の指導の中で指導されて[ŋ]を習得した人もいるでしょう。

でも後者の場合、服部が言うように「大烏」と、「大ガラス」で、前者を鼻音、後者を非鼻音(例えば摩擦音)で発音し分ける人はいないでしょう。

あとは、会話の中であるとはいえ、その当人の発話の初頭に[ŋ]を発音したということは、何かを示唆しているかもしれないし、説明されなくてはいけません。


8.
バンド名再び。

シリケッツというバンドがあります。
https://shirikettsu.jimdofree.com

シリケッツ(H]LLLL)と頭高型なので、バンド名として無標のアクセント型になっています。

シリとケッツ(ケツ)は両方とも尻で、「ッ」を入れることで、擬似的に複数形のバンド名にも聴こえるようにしているでしょう。

他に、頭高型にならないバンド名を見つけました。

ハシビロコウズ (LHHH]LLL)
ザ・クロマニヨンズ (H LHH]LLLL)

ファーストサマー・ウイカが、オチャノミズ (H]LLLL)だったらバンド名になると書いていますし、オカモトズ (H]LLLL)も同様の頭高型です。もしかして、頭高型になるのは、5モーラが上限だったりします?


9.
2023.1.9 J-Wave Special Sapporo Beer at Age 20, the Beginningで、シシドカフカさんが

「色々と私たちは関係が深いでございますけれども」

以前にも書きましたが、謂わゆるウ音便を使った

「深こうございます」

というのは、使用頻度がものすごく減っているのかもしれません。

「ございます」の前のウ穏便は、大学院の時の恩師、田中利光先生から、「東京共通語には、関西の方言から借用されて入り込んだ」と教わりました。

でも、大阪府出身の西畑大吾くんも「嬉しいでございます」って言いますし、東京だけでなく、関西でも、守旧的な方言を使う人以外では廃れてきているのかもしれません。

何が起きているかというと、そもそも

深い → 深こう
嬉しい → 嬉しゅう

というウ音便形は頻度が少ない。そこで、引用形式の「深い」「嬉しい」に、助詞「で」を継ぐことで、「連用」させているのかも知れません。

ことば4題

1.
英語にshitpostという単語があります。

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/shitpost (英語です)

https://eigo-net-slang-jiten.blogspot.com/2014/05/shitpost.html

https://en.wikipedia.org/wiki/Shitposting (英語です)

https://www.urbandictionary.com/define.php?term=Shitpost (英語です)

一番最後のアーバン・ディクショナリーの一番上の記事が情報量的に飲み込みやすいです。
それをDeepLで和訳して、手直ししました。

クソ記事 真摯で洞察に満ちた内容のほとんどない投稿のこと。特に、混乱させたり、挑発したり、楽しませたり、非生産的な反応を引き起こすことだけを目的とした「クソ」(低)品質な投稿のこと。しばしば、文脈から逸脱したシュールな投稿に代表される。

シットポストは、ミーム、スパム、ベイト(bait, 餌)など様々なものと見ることもできるが、その逆はほとんどできない。
ミームとは異なり、シットポストにはテンプレートがない。
スパムと違って、シットポストは繰り返しを必要としない。
ベイトと違って、シットポストは反応するように設計されていない。

なぜこの銃を持ったポッサムの画像が「三角形」なのか?
あなたには理解できないでしょう。ただのシットポストです。
by got1837 2月9日, 2021

上記は、インターネット、特にSNS上での言語活動に関するものであるが、同様のクソなものには、音声言語によるものもあるように思われる。

与党の政治家の一部が、時にする挑発的な発言が、まさにそのようなものだと思われる。

他に、いわゆるインフルエンサーも時にやりますね。

それに当たる用語が無いかと探したのですが、まず名詞としてはshitspeak、shitspeachがあるようです。

https://www.urbandictionary.com/define.php?term=shitspeak (英語です)

shitspeaking、shitspeakerというのはありますが、動詞としてのshitspeakが使われるのかどうかは、確認できていません。


2.
先日といっても随分前にラジオで、「(心を)無にする(H]LLL)」と言っている人がいて、「(好意を)無にする (LHHH)」と違うアクセントのパターンだなと思いました。

「(気功などで)気をつかう (H]LLLL)」と「(相手の気持ちを考えて)気をつかう (LHHHH)」っていうのと同様の対立だなと思いました。

平板になっている方(LHHH(H))が、熟語になっているのでしょうか。

私の学部時代に竹林滋先生が言っていた、

「北の海(LHHH]L)は冷たい」と
「(力士の)北の湖 (LHH]LL)は冷たい」の対立と似ているかもしれません。


3.
盲導犬の訓練の場面を見せているCMで、訓練士が犬に向かって

「ストレート ゴー」

って言うのですが。

なにやら、盲導犬への指示は、日本語ではなく英語ですることになっているようなのです。でも英語だったら、

「Go straight」

だろうと思うのですが。

鈴木俊貴博士の研究で、シジュウカラが二語文を使うことがあると言っていて、これは、perceptionだけではなく、production + perceptionの問題なのですが、二語の前後を入れ替えると、内容が伝わらないと言っています。

犬は、perceptionだけだとしても、その辺は柔軟なんでしょうか?


4.
文化放送で、「おいでよ!青春る」と言う番組があるのですが、その「青春る〜あおはる」のアクセントは LHHHになっています。

「青春る」という書き方は、いかにも「あおはる」を動詞にしました!という風に見えるのですが、でもこれは動詞にはなりきれていないと、私は考えます。

日本語東京共通語での動詞のアクセントパターンとしては、「あおはる (LHHH)」と言う平板型(0型)と、「あおはる (LHH]L)」という、後ろから2番目にアクセント核がある中高型(-2型)の2つがあるにはあるのですが、私の観察では、新たに作られる動詞は、後ろから2番目にアクセント核を持つ中高型一択になっているようなのです。

例えば、「る」を最後に持つ「シャネル (H]LL)」を動詞化した「シャネる」はLH]Lとなります。

また、J-Phoneが言い始めた「写メール」を2モーラに刈り込んだ「写メ (H]L)」に「る」を付けた「写メる」は、やっぱり-2型のLH]Lになります。

日本テレビの「キンプる」は、-2型の LHH]Lになっています。

また、名詞等に「する」を継いだ動詞のアクセントは、上述の-2型になるとは限りません。これは、「=する」という、名詞を動詞化する前接語になっているからだと考えられます。(cf. 宮岡伯人 『「語」とは何か 再考』(三省堂))

FM Yokohamaに「プラする~あなたにプラスするラジオ~」という番組があります。

これは、「プラする (H]LLL)」となるだろうなと予測していたのですが、2023.1.22放送分の冒頭では、「プラする (H]L LH)」と二語に発音していました。

2語に発音した「プラする (H]L LH)」と、後半を接語とした「プラ=する (H]LLL)」はそれほど遠いものではなくて、互いに交換可能な場合が結構あると思われます。

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