• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

Exchange Students留学生招致

留学生招致

Ⅲ.学部の留学生を呼ぶ意義

2024年10月06日

東京外国語大学では、アフリカ諸国から学部レベルの交換留学生を年間5名程度受け入れています。アフリカから学部生を交換留学で呼ぶ意義、そして日本社会に与える影響をお伝えします。

Q.なぜ学部の交換留学生を呼ぶの?

 日本語を学び、日本文化に親しむには、早期留学が必要だからです。留学生を招く基本的な目的は、日本をよく知る人材を育てるためです。そのためには、日本語を学び、日本文化に親しんでもらうことが重要です。

1)アフリカでの日本語教育の難しさ

 在外の日本大使館で実施する留学生選考試験では、日本語の試験が課されています。国費留学生は日本語を既に学び、日本の大学で日本語の授業を受ける能力がある人材を招致するという仕組みになっています。しかし、アフリカの視点で見ると、この仕組みは現実に適合していません。日本語教育を実施しているアフリカの大学はほとんどなく、したがって日本語の素養があるアフリカ人学生もほとんどいないからです。国費留学生の仕組みを変える必要があるかも知れません。しかし、それは簡単ではありません。現状では、日本に関心を持つ学生を来日させて、日本語を勉強する機会を与えることが実態に即しています。そのためには、学部レベルで学生を呼ぶことが最も現実的です。

2)大学院レベルでの日本語修得の難しさ

 近年、JICAの努力などもあって、大学院レベルでのアフリカからの留学生が増えているのは喜ばしいことです。ただ、問題としてしばしば指摘されるのは、大学院レベルで来日し、英語で学位が取れるプログラムに入ると、日本語を学ぶ機会がなく、日本社会と触れ合う機会がないまま学位を取って帰国するケースが多いということです。これは実にもったいないことです。近年、多くの日本の大学は、英語で学位が取れる大学院プログラムを整備してきました。こうした大学院に入学すれば、学位を取るために日本語を学ぶ必要はありません。その一方で、ほとんどの日本企業は、日本語ができない人材を採用しません。日本政府の支援でアフリカから優秀な人材を招き、日本の大学で学んでもらっても、彼らが日本語を身につける機会がなければ、学位を取ったあとは日本との接点が減ってしまうおそれがあります。

 大学院は専門を深めるところですから、語学ではなく専門教育に力点を置くのは当然です。もちろん、大学院への留学生を増やすことも重要です。しかし、同時に必要なのは、専門が固まる前の教養教育の中で日本語、日本文化に触れる機会を提供し、それによって日本の大学院に進学する動機づけをすることです。実際、本学に交換留学で来日したアフリカ人学部生のかなりの割合が、大学院生として再来日しています。

Q. なぜ東京外国語大学にアフリカ人留学生を呼ぶの?

 東京外国語大学は、アフリカ人学部生にとって理想的な留学先と言えます。

1)歴史のある教育プログラム

 本学には日本語教育の長い歴史があり、充実した日本語教育のプログラムを有しています。また、本学にはGLIP英語科目という英語教育プログラムが整備されており、英語で学べる教養・専門科目が多数用意されています。アフリカには日本語教育を行う機関がほとんどありませんから、学部レベルで留学してきたアフリカ人学生は、当初日本語が話せません。本学には国際日本学部が設置されていることもあり、日本語がわからない状態でやって来る学部留学生へのサポートは手厚いものがあります。

2)アフリカ専攻の日本人学部生の存在

 そして、何と言っても重要なのは、東京外国語大学国際社会学部にはアフリカ専攻があり、アフリカに強い関心を抱く日本人学部生がいることです。アフリカ専攻には毎年15人程度が入学し、そのほとんどが在学中に留学などでアフリカに赴きます。留学先のアフリカの大学で世話になった友人が、交換留学生として本学にやって来ることもあります。学生の間に育まれる強い結びつきは、留学先の暮らしを豊かに、また安全にする機能を果たしています。

Q.日本社会にどんな影響を与えるの?

1)日本社会が必要とする人材の育成

 長期的に見れば、国際社会で重要性を増すアフリカ諸国に知日派を増やし、日本企業が求める日本語・文化を理解するアフリカ人を育成します。

2)地球的課題に挑む人材の育成

 短期的に見ても、留学生を招くことは、日本社会にアフリカの若者と交流する機会を提供します。これまでに来日した交換留学生は、様々な機会を利用して、積極的に日本の市民社会と交流してきました。日本の市民社会からもしばしばアフリカ人留学生との交流を求める要請があり、そうした要請にも応えてきました。本学に来た交換留学生も、高校生や地元NGOなど、多くの市民社会との交流実績があります。こうした機会の提供を通じて、地球的規模の課題に挑む人材の育成に繋がると考えています。

<市民社会との交流記録>
府中市・くらやみ祭り 参加
立川市・すわっ祭 参加
金沢泉丘高校との交流
郁文館グローバル高等学校 セミナー参加カンファレンス参加交流会
交換留学生の交流記録 2020年度PIASS2022年度PIASS

igiGraph2.jpg詳細記事

Ⅰ. アフリカの重要性
 1)なぜアフリカから留学生を招く必要があるのか
 2)なぜアフリカは日本にとって重要なのか

Ⅱ. 日本の留学生の受入状況
 1)海外留学生数
 2)国費留学生数(学部生)
 3)国費留学生数(大学院生)

Ⅲ. 学部の留学生を呼ぶ意義
 1)なぜ学部の交換留学生を呼ぶのか
 2)なぜ東京外国語大学に呼ぶのか
 3)日本社会に与える影響

概要. アフリカ人交換留学生を招く意義