東京外国語大学では、アフリカ諸国から学部レベルの交換留学生を年間5名程度受け入れています。そもそも日本にどのくらいの国費留学生が来ているのでしょうか。そのうち学部生の占める割合、推移、専門分野の内訳についてご説明します。
Q.どのくらいの国費 学部生が海外から来ているの?
海外からの留学生の9割はアジア諸国の私費留学生で、国費留学生は3%にしか過ぎず、年間1万人弱で推移しています。そのうち、学部レベルは下の図が示すように、この20年あまり、1600人程度の水準を上下しています。人数は少ない上に、横ばいとなっています。また、その内訳についても、アジア諸国が圧倒的に多いことがわかります。この数値のなかには、正規の学部生ではなく、一部の授業だけを履修する科目等履修生、聴講生、研究生も含まれています。例えば、2023年度の国費留学生数1546人のうち正規生は1074人です。
学部レベルの国費留学生の専門分野は、最も多いのが工学部で、社会科学と理学・農学・保健(医学)が続きます。人文科学と社会科学を合わせて四分の一程度です。
Q.どのくらいの国費 学部生がアフリカから来ているの?
アフリカからの国費留学生(学部生)は、年間100人に満たない水準で推移しています。正規生はこのなかのごく一部で、2023年度は70人中18人に過ぎません。
出所:文部科学省『学校基本調査/高等教育機関/学校調査/学校調査票(大学・大学院)/旧報告書掲載集計/国籍・地域別 関係学科別外国人学生数(大学)』2000~2023年度
まとめ
日本政府が掲げた目標30万人に対し、2023年は約28万人の留学生を受け入れました。その9割はアジア諸国の私費留学生です。アフリカからの留学生は約2500人で、全体の1%ほどの数です。一方、海外からの国費留学生は年間1万人弱で推移しており、その中心は理系をメインとする大学院生です。アフリカからは約800人(アフリカ留学生の三分の一)が国費留学生として来ており、そのうち学部生は100人程度です。
JICAなどの支援は増えているものの、経済的理由のため私費留学は難しく、国費留学もほぼ横ばいで推移しています。地域の重要性にもかかわらず、アフリカからの留学の道は依然として限定されているのです。
詳細記事
Ⅰ. アフリカの重要性
1)なぜアフリカから留学生を招く必要があるのか
2)なぜアフリカは日本にとって重要なのか
Ⅱ. 日本の留学生の受入状況
1)海外留学生数
2)国費留学生数(学部生)
3)国費留学生数(大学院生)
Ⅲ. 学部の留学生を呼ぶ意義
1)なぜ学部の交換留学生を呼ぶのか
2)なぜ東京外国語大学に呼ぶのか
3)日本社会に与える影響
概要. アフリカ人交換留学生を招く意義