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留学生招致

Ⅱ.3) 日本の国費留学生の受入状況 (大学院生)

2024年10月07日

東京外国語大学では、アフリカ諸国から学部レベルの交換留学生を年間5名程度受け入れています。そもそも日本にどのくらいの国費留学生が来ているのでしょうか。その大半を占める大学院生の留学生の推移、専門分野の内訳などについてご説明します。

Q.どのくらいの国費 大学院生が海外から来ているの?

 海外からの留学生の9割はアジア諸国の私費留学生で、国費留学生は3%にしか過ぎず、年間1万人弱で推移しています。そのうち、大学院生は、下の図が示すように、この20年あまり、7000人前後を推移しています。2000人弱の学部生に比べるとかなり多く、国費留学生の受け入れは、大学院生を中心になされてきたと言えるでしょう。その内訳についても、アジア諸国が多いことが分かります。

 大学院の国費留学生の専攻分野の傾向は学部と同じですが、人文科学、社会科学の割合が減っています。大学院では、留学生の専攻がより理系的な分野に傾くと言えるでしょう。

Ⅱ3国費大学院.jpg

Q.どのくらいの国費 大学院生がアフリカから来てるの?

 アフリカからの大学院国費留学生数は、2010年代に入って大幅に増え、700人程度になりました。100人未満の学部生に比べれば、多くの学生が大学院で学んでいます。学部生とあわせると、800人程度のアフリカ人が国費留学生として日本の大学で学んでいることになります。

 アフリカ出身の大学院国費留学生の専攻分野を見てみましょう。2023年には、747人のアフリカ出身国費留学生が日本の大学で学んでいましたが、そのうち正規生は630人でした。その専攻分野の内訳の傾向は、留学生全体と変わりません。やはり、工学、理学・農学・保健(医学)分野が中心で、人文科学と社会科学をあわせて10%程度です。

 アフリカ出身の留学生の数は約2500人ですから、およそ三分の一が国費留学生です。残る約1700人は私費留学生ということになりますが、その中には国費以外の奨学金を受けている留学生も多くいます。また、近年、国際協力機構(JICA)の支援を受けて留学するケースも増えています。例えば、2014年から始まったABEイニシアティブ(アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ:African Business Education Initiative for Youth)は、2023年までにアフリカ全54か国から延べ1700人以上の学生を招致しました。

 地域の重要性にもかかわらず、アフリカからの留学の道は限定されています。経済的理由のために私費留学は難しく、一方で国費留学は増えていません。近年JICAが留学生招致を進めているのは喜ばしいことですが、やはり大学院生に特化した取り組みになっています。

Ⅱ3国費大学院アフリカ.jpg

次の記事へ(留学生を呼ぶ意義)

まとめ

 日本政府が掲げた目標30万人に対し、2023年は約28万人の留学生を受け入れました。その9割はアジア諸国の私費留学生です。アフリカからの留学生は約2500人で、全体の1%ほどの数です。一方、海外からの国費留学生は年間1万人弱で推移しており、その中心は理系をメインとする大学院生です。アフリカからは約800人(アフリカ留学生の三分の一)が国費留学生として来ており、そのうち学部生は100人に届きません。

 JICAなどの支援は増えているものの、経済的理由のため私費留学は難しく、国費留学もほぼ横ばいで推移しています。地域の重要性にもかかわらず、アフリカからの留学の道は依然として限定されているのです。

詳細記事

Ⅰ. アフリカの重要性
 1)なぜアフリカから留学生を招く必要があるのか
 2)なぜアフリカは日本にとって重要なのか

Ⅱ. 日本の留学生の受入状況
 1)海外留学生数
 2)国費留学生数(学部生)
 3)国費留学生数(大学院生)

Ⅲ. 学部の留学生を呼ぶ意義
 1)なぜ学部の交換留学生を呼ぶのか
 2)なぜ東京外国語大学に呼ぶのか
 3)日本社会に与える影響

概要. アフリカ人交換留学生を招く意義