東京外国語大学 大学の世界展開力強化事業アフリカにおけるSDGsに向けた高度イノベーション人材育成のための国際連携教育プログラム(IAfP)

活動記録(2021年度)

アフリカゼミ

8月3日、8月31日、10月25日、10月27日の日程でアフリカゼミを実施しました。
アフリカをテーマとした卒業論文・修士論文・博士論文のブラッシュアップを目的として開催されたこのアフリカゼミには、7名が発表者として、13名がオブザーバーとして参加しました。コメンテーターを務めたステレンボッシュ大学 (南アフリカ) のスカーレット・コーネリッセン教授のほか、現代アフリカ地域研究センターで秋学期に招聘中の教員2名、展開力アフリカに関わる教員4名も参加しました。

日時:
ハイブリッド形式 8/3 (火),8/31 (火) 13:00-14:30
オンライン形式    10/25 (月),10/27 (水) 18:00-19:30

第1回
1.アフリカゼミについて
2.自己紹介
3.発表順について
4.論文の書き方(コーネリッセン教授)

第2回
1.中村茉莉 (B4) “Transformation of Dividing System in Johannesburg”
2.花田珠里 (M2) “Is Only Development of Local Administration the Core of Building Sustainable Peace? :The Examination of the Peacebuilding Process by the Case Study of Northern Uganda”

第3回
1.渡部莉歩 (B4) “Mind Liberation by Wearing Clothes Through Sape”
2.松原優華 (M1) “The Dynamisms for Achieving Peace Agreement and Implementing it: From the Case of Sierra Leone”
3.豊坂竹寿 (M2) “The Refurbishing process of E-waste at the ‘Computer Village’ in Nigeria: the case study of ‘Tokunbo business'”

第4回
1.塩崎諒平 (M1) “Rethinking “Life”: Collections of Stories from Mozambican Migrants in Portugal”
2.Dorthea Nanghali Etuwete Shiningayamwe (D1)”An Analysis on the Implementation Gaps of the Namibian Education Sector Policy for the Prevention and Management of Teenage Pregnancy”

 

参加教員:
スカーレット・コーネリッセン教授(ステレンボッシュ大学 南アフリカ)
クウェク・アンピア准教授 (リーズ大学)、エヴァリスト・フォンゾッシ准教授 (ドゥアラ大学)
武内教授、坂井准教授、大石准教授、神代特任助教

 

展開力アフリカHP掲載の募集記事:http://www.tufs.ac.jp/iafp/africazemi/
東京外国語大学HP掲載の募集記事:http://www.tufs.ac.jp/student/NEWS/education/210716_3.html

展開力アフリカHP掲載の第1回・第2回を実施報告:http://www.tufs.ac.jp/iafp/africaseminarreport/

ルワンダ・オンライン・スタディツアー

8月23日~25日、9月1日~2日の日程でルワンダ・オンライン・スタディツアーを実施しました。このスタディツアーは、現地からの生中継、現地で働く本学学生との座談会、講義、プロテスタント人文・社会科学大学 (PIASS) の学生との交流を通じて等身大のルワンダに触れ、学ぶことを目的として、ハイブリッド形式で実施されました。

スタディツアーを実施するに当たり、8名の学生とプログラムコーディネーターでワーキンググループが組織されました。ワーキンググループには、PIASSからの交換留学生2名と、PIASSの卒業生で本学のPCSに在学中の大学院生1名も加わりました。6月末からスタディツアー当日まで全体ミーティングを8回、それとは別に担当別のサブグループでのミーティングを各1~3回持ち、アイディアを出し合いながら入念に準備を進めました。準備中には本学学生がTUFS紹介動画を、PIASSからの留学生が7月末の帰国後にPIASS紹介動画を作成しました。これらは4日目の交流会で上映し、とても好評でした。

また、ルワンダ・オンライン・スタディツアーの本編から派生して、9月21日に「スピンオフイベント」、12月4日に学生主催の「東京オンラインツアー」が開催されました。このように、ルワンダ・オンライン・スタディツアーは学生同士で学びを深める機会の創出にもつながりました。

本編

8/23 (月) 16:00-18:00 ルワンダ概要・キガリ市街地観光(アフリカノオト)
8/24 (火) 13:30-15:00 歴史についての講義(武内教授)
     15:00-15:10 Femme Caféの活動紹介
     15:40-16:00 アフリカに触れる(楽器・本)/休憩
     16:00-18:00 ニャマタ虐殺記念館(アフリカノオト)
8/25 (水) 13:00-14:30 座談会(在ルワンダ日本大使館勤務/本学学生 渡辺晴海さん)
9/1 (水) 16:00-18:00 プロテスタント人文・社会科学大学との交流会①
9/2 (木) 16:00-18:00 プロテスタント人文・社会科学大学との交流会②

参加者
東京外国語大学 13名
京都大学      2名
PIASS      22名

■1日目 8/23 ルワンダ概要、キガリ市街地観光(生中継)

この日はルワンダ在住のアフリカノオトのタケダさんとオンラインでつながり、まず市街地の公園からルワンダの概要をお話いただきました。その後、公園を出発し、キガリ市街地の観光にオンラインで連れて行っていただきました。途中、ルワンダ語のテキストを売り歩く青年からタケダさんが教科書を買ったり、お土産屋さんで牛の糞をモチーフにした壁飾りを見せてもらったりしたほか、KIGALIというモニュメントがあるキガリのインスタ映えスポットや、人通りの多い場所に連れて行っていただきました。最後にグループで感想や質問を話し合い、タケダさんにたくさんの質問にお答えいただきました。

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■2日目 8/24 歴史についての講義、Femme Caféの活動紹介、アフリカに触れる、ニャマタ虐殺記念館 (生中継)
歴史についての講義

内容が盛りだくさんの2日目は、武内教授による歴史の講義からスタートしました。「ルワンダのジェノサイドとそれから」というタイトルで講義をいただき、質疑応答の時間を持ちました。

Femme Caféの活動紹介

その後、本学公認サークルの学生団体Femme Caféの北條聡子さん(代表)に、Femme Caféの活動を紹介してもらいました。Femme Caféは2010年に発足し、ルワンダ産フェアトレードコーヒーの輸入・販売を通して日本とルワンダの架け橋となることを目的に活動しています。外語祭や外部のイベントに出店するほか、コーヒー・アフリカ講習会、ルワンダとの定期的な交流会を開催するなど活発に活動しているサークルです。ルワンダ・オンライン・スタディツアーの参加者には、嗅覚や味覚でルワンダを味わってもらえたらという思いを込めて、Femme Caféが販売しているドリップバッグを配布しました。

アフリカに触れる

触覚、視覚、聴覚でアフリカに触れることを目的に、トーキングドラム、木琴、親指ピアノ、マラカスなどの楽器やアフリカおよびルワンダ関連の文献に触れる時間を持ちました。対面参加者が奏でた音色をオンライン参加者に共有し、プロジェクトコーディネーターが楽器について簡単な解説をおこないました。

 

ニャマタ虐殺記念館(生中継)

アフリカノオトのタケダさんにより、ニャマタ虐殺記念館バーチャルツアーを実施いただきました。1994年にジェノサイドが起きた際、ニャマタ虐殺記念館は教会でした。タケダさん通訳の元、記念館のスタッフに館内を案内してもらい、その後質疑応答の時間を持ちました。

この日のはじめに武内教授の講義で学習したことが映像の情報で立体化し、記念館で見聞きした情報の背景が講義により補完されて理解が深まる、という双方向の相乗効果がありました。

アフリカノオト 本学オンラインスタディツアー実施報告記事

 

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■3日目 8/25 座談会(在ルワンダ日本国大使館勤務/本学学生 渡辺晴海さん)

この日は、在ルワンダ日本国大使館で勤務をしている本学学生の渡辺さんを囲んで座談会をもちました。事前に参加者から募ったトピックをもとにご準備いただき、現地の生活の様子やお仕事のことなどをざっくばらんにお話いただきました。渡辺さんがとったコロナ禍だからこその選択や、これから取り組みたいことのお話なども参加者にとってたくさんの刺激となったようです。

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■4日目 9/1 プロテスタント人文・社会科学大学との交流会①

後半2日間は、プロテスタント人文・科学社会大学との交流会を実施しました。1日目と2日目、それぞれテーマを決めて、入念にワーキンググループでミーティングを重ねながらレクリエーションとディスカッションの準備をして臨みました。

テーマ:お互いを知る
16:00-16:05 はじめのことば(武内進一教授)
16:05-16:15 東京外国語大学の紹介動画
16:15-16:25 プロテスタント人文・社会科学大学の紹介動画
16:25-16:35 自己紹介ゲーム
16:35-17:05  レクリエーション(〇×クイズ)
17:05-17:25 文化紹介&自己紹介(写真・名前の由来)
17:25-17:55  ディスカッション
17:55-18:00 まとめ

ワーキンググループのメンバーが作成した本学、PIASSの動画を視聴した後、Zoomのブレイクアウトセッションを利用した自己紹介ゲームを実施しました。レクリエーションとして参加者が1名ずつクイズを出題して〇×ゲームをおこなった後、グループに分かれて写真を用いた文化紹介と自己紹介をしました。最後にこの日のテーマ「お互いを知る」に即した内容で、グループに分かれてディスカッションをしました。

 

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■5日目 9/2 プロテスタント人文・社会科学大学との交流会➁

テーマ:文化交流
16:00-16:05 交換留学、展開力アフリカについて
16:05-16:15 元留学生・留学予定の学生からひとこと
16:15-16:35 絵しりとり
16:35-17:00 脳トレ
17:00-17:55 ディスカッション
17:55-18:00 おわりのことば (佐々木先生)

ルワンダ・オンライン・スタディツアーの最終日でもあるこの日は、PIASSとの交流会の2日目でした。まずプログラムコーディネーターが本学における交換留学や展開力アフリカのプログラムについて説明した後、元留学生のアンリさんとテンボさん、これからPIASSに留学予定の福島さんから一言もらいました。アンリさんとテンボさんは「一番印象に残ったこと」、福島さんには「一番楽しみなこと」を話してくれました。グループに分かれて絵しりとり、脳トレをした後、この日のテーマ「文化交流」に沿ったトピックでディスカッションをおこないました。最後にPIASSの佐々木先生におわりのことばをいただき、閉会となりました。

交流会の中や事後に参加者同士でSNSなど連絡先を交換しました。学生たちの交流は今も続いており、今後も続いていくことを願っています。

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スピンオフイベント 

9月21日(火) 16:30-18:30

16:30-17:30 ルンディ語とルワンダ語のレッスン (Elie Rodrigue Icishatse)
17:30-19:15 フイエ・オンラインツアー (福島黎、Henri Fabrice)

スタディツアー本編から派生して、スピンオフイベントを実施しました。
まず、PIASS卒業生で、現在本学のPCSに在籍しているRodrigueさんによるルンディ語とルワンダ語のレッスンがおこなわれました。Rodrigueさんはブルンジ出身のため、ブルンジで話されているルンディ語とルワンダ語を両方話すことができます。それぞれの違いを説明してもらった後、ワーキンググループで用意した例文・単語リストに沿って言語を学び、例文を練習しました。最後に質疑応答の時間を持った後、次のプログラムに移りました。

次のプログラムでは、ルワンダ・オンライン・スタディツアーが終了した直後からPIASSに留学したモンゴル語科3年の福島さんによる現地からの報告と、福島さんとHenriさんによるフィエ・オンラインツアーがおこなわれました。PIASS近くの福島さんの自宅を出発してPIASSを通り、フィエ市街地に着くとスーパーや市場でお店のひとと会話をしながら売られているものを紹介してもらいました。友人がツアーを実施することで、よりフィエを身近に感じられるイベントとなったようです。

参加者 10名

ルワンダ・オンライン・スタディツアー参加者交流会

2021年11月末~12月頭にかけて、コーディネーターがPIASSに出張しました。
その際、ルワンダ・オンライン・スタディツアーに参加したPIASSの学生と交流会を持ち、学生から預かったお土産を渡したり、学生が在籍するフラメンコサークルの動画を上映したりしました。

参加者:10名

東京オンラインツアー

12月4日(土) 16:20-17:20 (岩本早耶香さん)

ワーキンググループメンバーとして参加したフィリピン語科4年の岩本さんは、ルワンダ・オンライン・スタディツアーを題材にした卒論に取り組まれました。卒論のためのインタビュー協力者への感謝の気持ちを込めて、岩本さんが東京オンラインツアーを実施しました。この企画についても卒論で取り上げられたようです。
ツアーは、南町田グランベリーパークに隣接する鶴間公園を中心におこなわれました。ツアーは岩本さんが協力者と一緒に、自動販売機でのジュースの購入、テニスラケットでのパフォーマンスなどを挟みながら公園を案内するという内容でした。ツアー中はチャットで質問や参加者同士のやりとりが活発に交わされ、インタラクションが多いツアーとなりました。
参加者:PIASS 19名 本学7名 (うち教員2名)

 

展開力アフリカHP掲載の募集記事:http://www.tufs.ac.jp/iafp/rwandastudytour/
東京外国語大学HP掲載の募集記事:http://www.tufs.ac.jp/student/NEWS/education/210716_2.html

展開力アフリカHP掲載の1~3日目実施報告:http://www.tufs.ac.jp/iafp/rstreport/
展開力アフリカHP掲載の4~5日目実施報告:http://www.tufs.ac.jp/iafp/rstreport2/

 

国際合同コンフェレンス:ASC-TUFS創設5周年記念国際シンポジウム

11月3日(水)・6日(土)の日程で、本学の現代アフリカ地域研究センターおよび西東京三大学連携事業と共催のASC-TUFS創設5周年記念国際シンポジウムを実施しました。

シンポジウムでは、政治、移民・難民、経済・開発、生態学、宗教をテーマにした5つのセッションを通じて、現代アフリカにおける各状況の議論がおこなわれました。大学院生・若手研究者を対象にしたネットワーキング・セッションも持たれ、活発なネットワーク構築の場として活発な意見交換がなされました。

日時:2021年11月3日(水・祝)・6日(土)
12:00~18:20(日本標準時)/3:00~9:20(グリニッジ標準時)
会場:対面(東京外国語大学 本部管理棟2階大会議室)&オンライン
使用言語:英語
参加費:無料

プログラム:

2021年11月3日(水・祝)
開会の辞(12:00 – 12:05 <日本標準時> / 3:00 – 3:05 <グリニッジ標準時>)
セッション1:若手アフリカ研究者ネットワーキングセッション
(12:05 – 14:00 <日本標準時> / 3:05 – 5:00<グリニッジ標準時>)
セッション2:TICAD8 に向けてアフリカ・日本関係を考える
(14:10 – 16:10 <日本標準時>/ 5:10 – 7:10 <グリニッジ標準時>)
報告者:
武内 進一(東京外国語大学/アジア経済研究所)
クウェク・アンピア(リーズ大学<英国>/東京外国語大学)
アデケェ・アデバヨ(ヨハネスブルグ大学<南アフリカ>)
コメンテーター:
スカーレット・コーネリッセン(ステレンボッシュ大学<南アフリカ>)
高橋 基樹(京都大学)

セッション3:サハラ以南アフリカにおける越境移動
(16:20 – 18:20 <日本標準時> / 7:20 – 9:20 <グリニッジ標準時>)
報告者:
中山 裕美(東京外国語大学)
村橋 勲(東京外国語大学)
フランク・アヒムビシブウェ(ムバララ科学技術大学<ウガンダ>)
コメンテーター
エリア・オロウォ・オニャンゴ(マケレレ大学<ウガンダ>)
杉木 明子(慶応義塾大学)

2日目 2021年11月6日(土)

セッション4:市場経済の中のアフリカ
(12:00 – 14:00 <日本標準時> / 3:00 – 5:00 <グリニッジ標準時>)
報告者
坂井 真紀子(東京外国語大学)
出町 一恵(東京外国語大学)
クリスチャン・オチア・サメン(名古屋大学)
コメンテーター
シンプライス・アソング(アフリカガバナンス・開発研究所<カメルーン>)
峯 陽一(同志社大学)

セッション5:現代アフリカにおける生態学と社会・政治
(14:10 – 16:10 <日本標準時> / 5:10 – 7:10 <グリニッジ標準時>)

報告者
大石 高典(東京外国語大学)
桐越 仁美(国士舘大学)
エヴァリスト・フォンゾッシ・フェドゥン(ドゥアラ大学/東京外国語大学)
コメンテーター
ドゥニ・ジャン・ソンワ ( 国際森林研究センター<カメルーン>)
パパ・サイロウ・サール(国際農林水産業研究センター)

セッション6:現代アフリカ社会の宗教多元主義
(16:20 – 18:20 <日本標準時> / 7:20 – 9:20 <グリニッジ標準時>)

報告者
マーロース・ジャンソン(ロンドン大学SOAS<英国>)
村津 蘭(東京外国語大学)
松波 康男(明治学院大学)

コメンテーター
近藤 英俊(関西外国語大学)
フランシス・B・ニャムンジョ(ケープタウン大学<南アフリカ>)」

参加者:
セッション1:79名(対面20名、オンライン59名)
セッション2:65名(対面15名、オンライン20名)
セッション3:70名(対面15名、オンライン55名)
セッション4:68名(対面20名、オンライン48名)
セッション5:55名(対面15名、オンライン40名)
セッション6:60名(対面17名、オンライン43名)

現代アフリカ地域研究センター ASC-TUFS創設5周年記念国際シンポジウム掲載記事 http://www.tufs.ac.jp/asc/events/others/2111035thIntlSympo.html
展開力アフリカ 参加者募集記事 http://www.tufs.ac.jp/iafp/jp-20211103-intl-symposium/

 

 


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