遅めのお知らせ(ゼミ出身者の単著刊行)
残暑お見舞い申し上げます
みなさま、よい夏休みを過ごされましたでしょうか。こちら、お盆の頃に友人たちと、そのひとりの実家の南房総を訪れ、この夏最後の一頭として捕獲されたクジラの解体を見たりして短い夏を過ごした。
以前にこうした解体を見たのは、10年以上前にゼミ生の一人が捕鯨をテーマに卒論を書いており、共に現地に入って見せてもらった時以来のことだ。そもそも狙って訪ねていっても、前の日にクジラがとれなければ早朝の解体はない。一日しかなかった和田浦滞在で、見ることができたわたしたちはラッキーであった。
縮尺がおかしいのか?というほど大きなクジラと、動物愛護云々の理屈を蹴散らすような地道で効率的な手早い作業を目の当たりにしながら、そこに培われた人々の暮らし、これををわけて食べるたくさんの人びとを思い、今回もまた言葉を失う。貴重な体験であった。
その捕鯨卒論のゼミ生と同期のNくんは、ひとたび就職したものの卒論のテーマへの思いを断ちがたく、アカデミズムに戻ってきて研究者になり、このたびそのテーマで単著を刊行した。
めでたい。一見美しいブルーの表紙だが、チンポムのエリィがニヤッと笑っている口元に気づくと、美しさの幻影が吹き飛ぶ。Nくんの思い入れを満載した野心作である。9月2日(月)午後には本郷サテライトで小さな読書会を開き、刊行を寿ぐ予定。いつものとおりショートノーティスにて恐縮ながら、もし参加ご希望ある場合には、中山までおしらせくださいませー。