2024年7月 9日

夏にもある卒論提出

大学の卒論提出はお正月の松のとれるか取れないか頃が風物詩であるが、実は9月卒業というのもあって、その場合は提出が7月初旬、今年は7月5日(金)であった。当ゼミからは2名がこれを目指しており、一人は前日ぐらいから研究室にしげく(ずっと?)いて、15時47分ごろに無事に提出を果たし、もう一人は別のゼミから転ゼミしてきた社会人の方で、14時半少し前にメールで「無事に提出を行いました」という連絡が来ていた。それでグーグルのシステムから確認したところ、いや、14時半前の方の人が提出を失敗している!!
〆切は15:59、残り時間10分を切っている中でご本人に連絡したり教務に連絡したりとバタバタしているうちに時間切れに...。ちーん 万事休す。
 結局、事前にアップロードしていたものがあったことが確認され、上記のメールのやり取りなどをいろいろ提出して、なんとか提出準拠としてもらうことができたのだが、やれやれひと騒ぎであった。
かつては卒論のプリントアウトや表紙、綴じなどで最後まで肝を冷やしたが、オンライン提出にはまた別のリスクと恐ろしさがある。こちらは何もしないのに必ずぐったりする、卒論提出最終日であった。

2024年6月13日

細々と報告...

拙HPがなくなったことで拙ブログに行く道筋がわからない、というお報せをいただき(といってもずいぶん前のことだが)、当方の研究者としての情報データの隅っこに拙ブログのサイトをひっそりと掲載した。「休息のブログ」などとアホみたいな題で気まずいが、大学のサイトを使わせていただいているのだから、まあいいだろう。さらにいえば、拙ブログを始めた頃にはまだヴァーチャルという言葉がそこまで有名でなかったので、ヴァーチャル・ラウンジとかヴァーチャル・カフェ(一昔前の「掲示板」というヤツ)という言葉が気に入って「お茶は出ません。各自で用意しましょう」などと、これまたアホなリードを付けていたことも思い出す。

前置きが長くなってしまった。5月終わり頃に公開された映画「関心領域」がよいと、ゼミ卒業生(N君、感謝)や現役ゼミ生がいうので、こりゃ出遅れたと思って先ほど観てきた。ナチズムの大量虐殺という題材はこれまでにもさまざまに映画化されてきたが、たしかに、なるほどーとうなずかせる新しい切り口である。というか、大量虐殺が身近に迫る恐怖感を観る者に与える手法が秀逸であった。観ながら映画館で心底「怖い」という感覚をもったのはコレが初めてである。
もちろんその感覚は、決して3D体験とか特殊効果とかの技術的なものではない。そして観た者はおのずと、なんだろうと考える。巷の映画評が記すように、だから観れば誰かに話したくなるのであった。必見。

2024年5月12日

二つの青い本

GWの連休も終わり、あっという間に5月も半ばが近づいている。この間大学のウェブ広報システムの調整もあって拙HPを閉鎖し、当方の気楽なお知らせは拙ブログのみとなったのだが、自宅使いのパソコンがついに壊れて再開にだいぶ手間取ってしまった。「ときどき読んでいるが、最近だいじょぶか?」という嬉しいお知らせ(?)をいただいたこともあり、久しぶりに更新してみる。というか、更新しようと思って写真を準備まではしていたのだが、お知らせが遅れてしまっていた。二つの青い本の紹介である。
ひとつはときどき拙ブログでお知らせしてきた高校時代の恩師、工藤先生の最新刊『「樺太・紙の記念館」にむけて』(石風社)である。御年93歳、この年齢で新著が出るというのはなかなか珍しいのではないか。とはいえ、今回は教え子集団工藤組の筆頭M氏の見事な編集、ていねいな導きによって「紙の記念館」への道筋が構成されており、共著といっても過言ではない。Kudo2024Shoei.jpg
樺太が海に浸されたような深い青の表紙が美しい。

もう一冊はパルク共同代表の内田氏の『デジタル・デモクラシー』である。このタームから一見予想されるような「デジタル用いてみんなで民主的に便利になりましょう」の本ではもちろんなく、デジタル化に潜む危険に対する市民の認識の重要性を、アメリカで起きている運動などを通じて届ける一書である。Uchida2024shoei.jpg
これまた、鮮やかな青がすがすがしい。ちなみに同書は雑誌『世界』の連載を加筆修正して一冊にしたものだが、地平社という新しい出版社から刊行されている。近年(いや、いつの時代にもそういう試みはあるのだが)、志しを携えて新しい出版社を立ち上げる事例がときどきあり、この書も内田氏がその心意気への連帯を込めて地平社から刊行したものである。
どちらの本も、なんとか埋もれずに注目されてほしい。どこかに書評、出ますように!!

2024年3月18日

サクラサク2024

ちょうど先月から今月に変わる頃、自宅遣いのパソコンが突然に ーというのはほんとうは正しくなく前触れはあったのだがー 立ち上がらなくなって、拙ブログや拙HPの更新が滞ってしまった。拙HPに関しては再生不可能かもしれず、休眠したまま強制終了かもしれない。が、拙ブログは何とか復活である。
本日はS科研(いや加えていただいている二つの科研はどちらもS科研である。SH科研とでもしておこう)にかかわる国際セミナーで、久しぶりにW大に出向いた。毎年東京の「開花日」に先立って開花する桜が今年もちゃんと開花していた。20240318a.jpg

春は別れと出会いの季節である。かつてしげく通った3号館の、とはいえかつてとは全く異なるビル内のエスカレーターに乗りながら、もうここにいない恩師が実はこの世のどこにもいないことを思い出して、胸の奥がぎゅっと締め付けられたような気持ちになる。いやいや、感傷的になっている場合ではない!さあ、仕事だ仕事。
セミナーはたいへん面白かった。クローズドで関係者しかいないようなセミナーをイメージしていたら、けっこういろいろな方が聞きに来てくださってうれしかった。ありがとうございます!
 

2024年2月 7日

アカデミズムと社会を架橋する試みに 

昨年秋頃、依頼されたいくつかの企画でてんやわんやの時期に、「トイビトというサイトを運営している」という加藤さんから連絡をいただき、ロングインタヴューをしていただいた。それから、ちょうど年末年始の頃に原稿を起こしていただいたときも、今度は別のことで忙殺されており、落ち着いて対応できなかった。が、ともあれ掲載始まりのご連絡をいただいた。こちらである

(うわっ、写真に写ったわが顔色が悪く表情も弱弱しく、虚弱~。それはともかく)
加藤さん曰く、4週ほどにわたって少しづつ追加的に掲載をしてくださるとのこと。ありがとうございます。今ようやく{トイビト」や加藤さんのことをウェブ情報で少し調べてみると、わりとガチにアカデミズムと社会を架橋する試みに取り組んでいるサイトの運営者なのであった。こちらは既存の制度的な学びの現場を担うのに精一杯で、こうした新しい取り組みに疎いのだが、大事な仕事だと納得である。しかしやはりそこで問題になるのがおカネ稼ぎであり、経済なのだ。加藤さんが「経済学は価値の学問」というところに強く反応していたことに、あらためて思いを馳せる。

2024年1月26日

久しぶりの成果

年明けて2024年、相変わらず日々の仕事に追われてあっという間に時が過ぎていく。そんな状態はまだまだ変わらないのだが、久しぶりに嬉しい成果が届いた。ここ数年しかかっていたカール・ポランニーのハンドブックである。一つのチャプターを担当させていただいた。
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わーい!ということでウェブ上で価格をさがしたら(紀ノ国屋ウェブ)、えっ?49,333円?マジで?だ、誰も買わんやろ?!図書館様、買ってくださるのかっ?アマゾンでみたらまだ予約受付中で(価格は書いていない。戦略なのか?)、でもなぜかランキングの順位が付いている。なぜー? 
と、いろいろ謎は多いが、ともあれこうして成果がでるとようやく「ああ、仕事した」という安堵感に包まれる。しょっちゅうはないので(笑)、素直に嬉しい。

2023年12月 4日

おかげさまで無事に終了

おおいにご無沙汰し、失礼いたしました。10月のハーマン・デイリーのシンポジウム、11月の外語祭での「戦争と外大生」企画、いずれもなんとか無事に終了しました。デイリーは学会の企画に参画したものだったが(盛況でした。多謝)、こちらで企画した「戦争と外大生」には上映企画に200人以上、展示企画にのべ1500人近くのお客様にご来場いただきました!ありがとうございます!(新聞に載せていただいたことも大きかったし、大学広報のSNSの即効性にも仰天した。しかしU君のあのヘルメットのポスターデザインの力は相当だったのではと睨んでいる。)

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(ゲストの平野隆プロデューサーとともにご来場くださったツインズジャパンの原様より素敵な写真をいただきました。大感謝です!)

外語祭の企画としてゼミ生が「学長賞」も頂戴した。フィナーレの舞台の壇上でメンバーの一人がスピーチし、学長様とお話しさせていただいて、大きな賞品をいただいた。誇らしい!「実行委員会」のしっかりした見た目とはまったく裏腹の少人数構成で、担当したゼミ生諸氏には大きな負担をかけてしまったが、彼ら彼女ら自身の研究や生き方に何か資するところがあったことと願いたい。こちらではまだ残務が続いているが、いずれ簡単にでも記録を整理しておきたいと考えている。

2023年10月15日

システム変更がありまして、ご無沙汰しました

9月初旬まで、わりとコンスタントに書いていたのが、ぱったりとご無沙汰をいたしまして失礼いたしました。拙ブログを載せていただいている大学のシステム変更が9月なかばにあり、このページも拙HPも見えない状態になり、調整が続いておりました。その間あったいろいろなことについては、またおいおいにご報告できるかと思いますが、ともあれ昨今は秋学期も始まり、いただいた頼まれ仕事に奔走する何でも屋の様相を呈しております(苦笑)。とりいそぎイベント2件、拙ブログでもすでにお知らせしたものを含みますが、どうぞよろしくお願いいたしますー。

・日本生態学会関東地区会「生態経済学の挑戦 ーハーマン・デイリーを超えて」

・外大建学150周年企画「戦争と外大生」


2023年9月 2日

コロナ感染の体験

新型コロナ対策、対処に尽力されたO身会長が分科会廃止に伴い退任とニュースが報じていた頃、きわめて季節外れに(?)コロナに感染した。うがいや手洗い、マスクの対策は怠りなくしてきたつもりだったが、昨今ではいつどこからうつったのか、現在患者が何人いるのかもわからない。ともあれ咽喉の痛みから39度近くの発熱、頭痛や筋肉痛、関節の痛み、味覚障害や嗅覚障害の後遺症と、一通りの辛い体験あって10日目、いまだ咳も収まらないため外出自粛ラスト一日である。扱いが5類になろうが「風邪」の扱いになろうが、新型コロナの病自体が軽くなったわけではない。身近な人びとの温かい助けに大いに助けられながら、とにかく昏々と寝続けて治すしかなかった。

こんなに休んだのはいつ以来だろう。ウィズコロナ、アフターコロナで「身体を大切に」と論考に書くだけでなく、自分が実践して来なかったことにあらためて気づく。言葉が軽すぎる、というか我ながらアホである。どこまで実行できるかわからないが、今度こそ、働きすぎ、動きすぎの生活をあらためよう!と今は殊勝に考えている。

しかし明日3日は復帰第一戦、パルク50周年の記念イベントである!拙ブログを読んでくださっているみなさま、ぜひご関心をお寄せください(舌の根も乾かないうちに、という感じですが...)。

https://www.parc50th.parc-jp.org/product-page/0903sympo

2023年8月22日

若い感性の一冊!

連投すみません。昨年度に本学大学院D(共同サステイナビリティ研究)専攻の初めての修了生として学位を獲得したMちゃんことK島さんが、その一部分を本にまとめた!
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博士論文本体は英語で執筆され、「石炭」「炭鉱」が、その「残存物remains」によって重要なのだと説いた概念軸が鮮やかであったが、 ここでは証言した人びとの語りを日本語で書き起こし、秘蔵の写真や解説をつけて、大切に大切に記録している。火の色が鮮烈な表紙はもちろん、巻頭もなかなかカッコいい。おめでとうございます!

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