2020年9月 8日

慣れてない仕事おこなふ;

8-9月にかけてとりかかった一つの仕事が、国際カール・ポランニー協会(International Karl Polanyi Society)のサイトに載せる短いエッセイ、「日本におけるポランニーの受容と影響」を書くことだった。ポランニー関係のテーマで何度も一緒にセッションを組み、2008年だったか、日本にも来てもらったクラウス・トマスベルガーさんが上記の協会設立に携わり、そこからのありがたい依頼である。世界のさまざまな国について書かれた連続エッセイの一環に入る。まーそれで普通に頑張って書いたわけだが、どのエッセイにも著者の写真がかなり大きく載っていて、それがどれもなかなかのクオリティ。いつもだったら本人写真は、手元にある集合写真から当方の部分をトリミングしてテキトーに提出しているのだが、これは失礼になるし、だいいちおかしいだろう...。
そんなわけで、もう何年も前に「週刊金曜日」インタヴューの際にたくさんの写真をとってくだった写真家I(のうえ治)さんに連絡をとり、そして友人のお嬢さんでメーキャップアーティストのI(なぜか同姓)さんにお仕事依頼をして、まさかの?!専門的写真撮影となった。女優かっ?!

事前に撮影場所や服装など、内容に合うのは(といったって何せ学者のオンパレードの内容で、ハナシが硬い)どんな感じかといろいろメールで相談、打ち合わせがあったが、結局大学のキャンパスでということに落ち着いた。撮影当日は快晴、というか酷暑、それもヘア担当さんの時間の都合などもあって炎天下の13時スタートに...。いやはや、慣れてない仕事でひどく緊張したが(それに撮影中を目撃したゼミ生にニヤニヤされて、まことにバツが悪いというかなんというか)、プロのみなさんの仕事に助けられ、おかげさまで無事に撮影できました!
 (左の矢印をクリックしてくださいませー)

内容をぱっと読みたい方のために、日本語訳もつくりましたー。
(※Karl Polanyi in Japan (trsl).pdf

2020年9月 5日

スーパーショートノーティスにて...

今日言って予定が空いている人なんて、そうそういないのだが、本日下記のイベントがあります(笑)。

***
映画上映会「アンボンで何が裁かれたか」
(Blood Oath, Stephen Wallace監督、オーストラリア、1990年)
戦時下の1942年オランダ領アンボン島で日本軍がオーストラリア人の捕虜を虐殺した事件に関して、1945年12月に行われた裁判を描いた作品。戦争中での残虐行為の責任がどこにあるのか、また敗戦後の日本の立て直しについてアメリカとその他の連合国(ここではオーストラリア)の関係がどのような位置関係をとっていたかなどを、戦後間もなくまだむき出しの敵意と戦時の感覚が残る兵士らに語らせながら描き出す。AACTA (オーストラリアアカデミーオブシネマ&テレビアーツ)for best costume design, AACTA award for best soundなど受賞。オーストラリア制作だが日本人俳優が重要な役を演じており、日本でも上映されて話題となって、その後テレビ放映も行われた。

日時:2020年9月5日(土)15時30分~17時30分
(開場:15時15分、映画は108分)
場所:三鷹市元気創造プラザ4F生涯学習センターホール(現定員50名)
主催:三鷹市生涯学習自主グループ「市民社会の実現をめざす会」
共催:「戦争と外語生」プロジェクト(外大九条の会有志&中山智香子ゼミ有志)

そう、かつて拙ブログに少しご紹介した、「戦争と外語生」のイヴェントの一環で、上記映画の重要な登場人物のモデルが外語生なのである。ほんとうは大学のTUFSシネマでの上映を企画していたのだが、コロナ禍でふっとんでしまったー。もしも拙ブログを読んで、本日の夕方に時間がある!という奇特な方は、ぜひお出ましくださいませー。

2020年8月23日

怒涛の...新型集中ゼミ

拙HPにも書いたのだが、去る21日(金)に夏の恒例の集中ゼミ、すなわち卒論・ゼミ論中間報告会&1名の修論報告会を開催した。大学の立ち入り禁止期間のことなどもあって、例年より一ヵ月弱遅めになり、また初めての対面とオンラインの混合型の開催である。3年ゼミの半数ほど、4年ゼミ、院ゼミのほとんどが会場参加し、意外と現地は例年のような雰囲気であった。先日の研究会でコツを身につけた院生諸氏の獅子奮迅の活躍の下、朝から晩までの長丁場を、会場のメンバーもオンラインのメンバーも、なんとか最後まで集中して議論することができたようだ。のみならず、そうでなければ参加は難しかったカナダや長野県からの遠隔参加、そしてゲストの対面参加(Yひで、元TAさん!)もあって楽しかった。みなさん、ありがとうございますー。

時節柄、終了後の公式打ち上げはなかったが、有志という名の結構多数がいつもの寄り道に...。とはいえ入店時、すでに20時は過ぎていただろうから、乾杯して少し食べて、ばーっとしゃべって(マスクはしてました。ご安心を)いたら、22時閉店につき、あっというまにラストオーダー。それでも話しが尽きずに居座っていたら、おかみさんの度量で、もう一杯づつだけ(R平は一度に三杯たのんだ...?)追加オーダーをみとめてもらった。何とも心憎い配慮である。おかみさん、ありがとう~。そのときのゼミ生諸氏の嬉しそうな顔といったら...!

オンライン参加者も多いからと、中山カメラはもってきていなかった。のでスマホ撮り赤目凡作写真!ではありますが、せっかくだぜ、えいっ、アップロード!いつもと少し別アングルでー。(Tよはうまく撮ってくれたね)

20200821b.jpg  20200821c.jpg  

はいっ、みなさま、たいへんお疲れさまでした!オンライン参加者のスクリーンショットも今度またアップしてみたいですー(yくん、どうやるのかしら?おほほ)。
そうそう、以前に拙ブログに書かせていただいたポランニーの論考集、2014年の国際ポランニー会議の成果であるが、上記の怒涛の会合を終えて帰宅したら、家に届いていた。ふう。こうしてまた、一つの季節が終わり、次の季節が来るのだとしみじみ思う。-コロナ禍であってもなくても。
Desai2020Cover.jpeg

2020年8月14日

「野蛮の言説」とBLM

時節柄、研究会をするのも憚られる今日この頃だが、去る11日(火)には、ぜひやりたかった研究会を実現することができた。科研の研究会として、2月に新著『野蛮の言説』を刊行したN氏をお招きしたのである。気になるならオンラインでもとご依頼したところ、ぜひ対面で(この頃はオフラインでというらしいが、それでは髭のないモナリザ(デュシャン)と同じくらい倒錯である)とご快諾いただいたので、かなり引き気味な大学施設課様に拝み倒して(?)、いつもとは別の建物で「厳重警戒」を遵守しつつ、オンラインと対面の混合形式で開催した。ちなみに科研メンバーはじめ大人参加者はほとんどがオンラインだったが、それでも会の後半にアフリカ研究のT先生がいらしてくださった!多謝!しかしそれ以外で会場にいたのは、ゼミの院生と学部生だけだった。

この書物、大学生向けの講義の形式をとっているが、野蛮の言説つまり直接には黒人差別の言説(しばしば「科学」に裏打ちされた)の系譜をたどりながらベルギーによるコンゴ人の大虐殺、ナチズムのジェノサイドを経て、最後は日本の関東大震災時の差別、731部隊のこと、そして現代のヘイトクライムややまゆり事件と現代日本の問題に踏み込んだ、たいへんな力作である。2020springtext.jpg
実際、学部ゼミの輪読にも用いたので、当日は研究会に先駆けて30分ほど、ゼミ生とN先生の対話セッションを設けた。このときの質問やコメントは、ほとんど最後の日本に関する部分に集中したのだった。
研究会の方では、少し踏み込んで昨今のBLMつまりブラックライブズマターを副題に掲げた。この書物自体、まさにBLMであり、そしてそれは2020年の問題にとどまらない。とりわけ科研とのかかわりでは、現代のグローバル経済までつながる西洋中心の世界システムが、奴隷貿易や奴隷制なしには成り立ちえなかった歴史に、社会科学はまともに向き合う必要があるということである。議論は進化論、そもそもの進歩という理念について、またジェノサイドと歴史、あるいは野蛮の言説を生み出す制度としての国家など多岐にわたり、大いに充実した時間となった。会場を支えてくれたゼミ生たちの存在、院生諸氏の献身的な技術サポート、活発な議論やコメントは、ゲストのNさんにも印象深かったそうである。ゼミ生たちにひたすら感謝である。
研究会終了後、これも迷ったのだがせっかくの機会なので、Nさん、ゼミ生数名といつもの寄り道へ。おかみさんが「密を避けて」と大きな場所を大盤振る舞いであけてくれて、ゆっくり話せた。ああ、これこれ!ここでも誠実にじっくりと話をしてくれるNさんにゼミ生諸氏は惚れ惚れと聞き入り、とてもゆたかな宴であった。たしか浜矩子さんが書いていたが、コロナ禍で必要なのはソーシャルディスタンスではなく物理的なディスタンスであり、ソーシャルディスタンスはむしろなんとか回避して社会性を保たなければならない。たしかに、頭と心が深く喜ぶところには、やはり身体を通じた人と人との出会いが一番である。がんばって現場にきてくださったゲストのNさんに、心から感謝したい。

2020年8月 2日

公的な場所としての図書館を考える、ような

梅雨の明けた日曜日。ひゃっほー!やりたいことといえば、もちろん!映画館に出かけることである。もらった(?この間確認した時にはまだ振り込まれてなかったが)ナントカ給付金の一部分を、自粛期間中にフライングして「ミニシアターエイド」応援に投じたので、そのフィードバックの一枚を行使すべく、今日はアップリンク吉祥寺に行くことにした。目当てはエミリオ・エステベス監督の『パブリック 図書館の奇跡』(2018)である。先日、この映画の評価(たぶん新聞の映画評か何かだ)をみたときには、昨年だったかに観たF.ワイズマン監督の『ニューヨーク公共図書館』(2017)に通じる何かだろう、撮られた時期もあまり変わらないし、とうっすら想像した。ワイズマンのこの映画については、いつぞや拙ブログでも取り上げさせてもらった通りである。
たしかにどちらも現代アメリカの、どちらも図書館の話しで、アメリカの歴史にも触れる部分があり、そして図書館員さんたちが重要な役割を果たしている。人びとの公的な居場所という共通するテーマや問題意識があるともいえる。しかし!両者はまったく似ていなかった。ワイズマン監督の映画は、巨大でグローバルな文化都市ニューヨークの伝統ある図書館のドキュメンタリーで、流れる音楽も映画の調子もクラシック、美しく重厚であった。一方、『パブリック』の方は、オハイオ州シンシナティのダウンタウンにある図書館を舞台にしたフィクションで、あちこちに笑いのネタがしかけてある。だが笑いながら次第に引き込まれて観ていくと...。クライマックスに迫るシーンでは、おもわず胸がつまる(実際少し泣き、マスクを濡らしてしまった)。いや、これはヤバい。ともあれ必見である。大お勧め!

2020年7月15日

そういえば... 

 研究仲間で漁業経済学のH先生からふとご連絡があり、「昨年のあの成果はどうなりましたか」とのお尋ね。そういえば、当方も加えていただいている共同研究グループが気仙沼市の意識調査アンケート調査を請け負って出した結果について、気仙沼で報告を行ったのは、ちょうど去年の今頃だったかもしれない。H先生は報告会にはいらっしゃることができなかったが、共同研究全般には大いにご協力いただいたのだった。気仙沼市のHPを探すもみつからず、代表者のD先生に伺ったところ、なんとも見つけにくいところにひっそりと掲載している(笑)。

気仙沼市転入者の意識調査アンケート結果
https://www.kesennuma.miyagi.jp/sec/s022/010/010/010/011/20191002154055.html

アンケート調査については当方はまったく素人だが、グループのお一人と、その知り合いの専門家のお話しをうかがったり、実際のアンケート調査に加わったりしてみて、アンケート調査というのがいかに難しく、また大変なものかということがよくわかった。もちろん何かのシンポジウムなどの企画の後に「本日の企画はいかがでしたか」みたいな気楽なお尋ねの紙を配って、感想や批判に一喜一憂した経験は少なからずあるが、人びとの意見をちゃんと聞き出し、それを分析してそこから何かを「読み取る」のは容易ではない。久しぶりに、その体験のことを懐かしく思い出した。

そういえば、このグループメンバーとはその後9月に、地域通貨&仮想通貨の国際学会のセッションを一緒に組んで参加し、外国からのゲストたちと飛騨高山の滞在を楽しんだのだった。昨今の豪雨で、かの地も大変な被害を受けているという報道が続く。今は赴くこともかなわないが、何か応援できることがあれば、少しでも応援していきたい。

2020年6月30日

ずいぶん長くかかりました...

夜が明けると7月で、2020年の半分を折り返したことになる。なんと言う早さ!そんな折、2014年11月にモントリオールで学会報告させてもらったたペーパーからの論文を含むスペシャルボリュームが、ついに刊行されるという連絡がきた。うあああ、苦節5年と8か月?編者も忙しかったらしく、年に一回ほど忘れた頃に進捗が来て、そのたびに改稿の要求は厳しく〆切は短く、とにかくしんどい編集作業が長かった...。あまりに長くかかりすぎて、もうなんだかよくわからないほどであるが、まーとにかくめでたい!(コレです↓)
https://manchesteruniversitypress.co.uk/9781526127884/

コロナの影響もあるし、カナダから送付されて手元に届くまでに、また一ヵ月ぐらいかかってしまうのかもしれない。もうたいていのことには驚かなくなってはいるが、とりあえず到着を待ちたい。

2020年6月26日

ぼちぼち再開

新型コロナで多くのことがらが停止した4月、5月を抜けて、はや6月も終わりに近い。気がつけば夏至も過ぎた。先日は昨今話題の(?)映画館、A吉祥寺で「白い暴動」(ルビカ・シャー監督、2019年)を観てきた。サービスデイの夕方、客席は一つおきにしか販売されないというので、一杯になるかとおもいきや、10名いるかいないかの結構ガラガラ状態であった。まだまだ人びとは十分に戻ってきていない。
映画は1970年代のイギリスにおける運動Rock Against Racism(RAR)を、当事者が振り返るドキュメンタリー。90分足らずのコンパクトなつくりで、音楽が楽しい良作である。いや音楽ばかりでなく、RARの通信紙発行を担った若者たちのデザインや言葉へのセンスが抜群で、このセンスこそが、「あらゆる差別に反対する」、「反ナチズム、反ファシズム」という大義とともに、また丁寧で地道な取り組みとともに、やがて大きなうねりをもたらしたことがわかる。とはいえ、それでも当時とんでもない嫌がらせが数々あったようで、かれら自身恐怖に震えていたという。そして、その恐怖に打ち勝つための支えが音楽であったのだ!伝説のライブ部分は圧巻で、観る者にも大きな解放感を与えてくれる。いやー、久しぶりの快感!!

オンラインで映像を見せる数々の取り組みもなされたが、やはり映画館の暗闇は格別である。身の安全を確保しつつ、なるべく映画館に足を運んで応援したい。お店であれアートであれ何であれ、消費にお金を投じることが直接的に応援になる時期は、これから長く続くだろう。クラファンもいいが、心身の喜びが応援になるのは、何とも心地よい。てへ

2020年5月29日

「平和の棚」に

このところ在宅勤務で、一週間ぶりぐらいに大学へ行ってみると、郵便ポストに小冊子が届いていた。3月末〆で書かせていただいた拙稿の載った『平和の棚の会カタログ』である。
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発行日5月15日はもちろん、沖縄の日本への施政権返還日に合わせたものだろう。今年は行進もなく静かに迎えられたという報道を見たが、辺野古の闘いは今も続いている。
さて、「平和の棚の会」とはなにか。書店に行くと、「新刊・話題の本」からたとえば「歴史」とか「科学」とか「生活」とか、ジャンル別に本が並んでいる。そこに「平和」というジャンルの棚を作ってもらおう、それをめざした本をつくろうと20の出版社が2008年に集まったのが、この会だそうだ。このたび、その出版社の一つのコモンズ社の社長さん(そして例のパルクPARCの共同代表)のOさんから依頼をいただいて、エッセイを書かせていただいた。ありがとうございます!こちらのブログを読んでいただいているみなさま、応援よろしくお願いいたしますー。(ブログはちょっと止まってしまっているようだが、ツイッターは活発のようである)

本日は晩19時半から、パルクのもうお一人の共同代表のU田さん、研究仲間のF原さんと三人で、「パンデミックを生きる指針:復興へ向けた希望のありか」というオンライン・オープン講座、というかお話しの会をやります!金曜の晩、モロに夕餉の時間帯ですが、よろしければぜひ聴いてくださいませ!ただし一応予約が必要で、数時間前まで受け付けているとか。では!

2020年5月11日

「どさくさに紛れて」ここにもー

メディアを賑わせている、「どさくさに紛れて」(検察庁法改正案)とは別のものだが、メーリスで下記のものがまわってきた。「トリチウム汚染水」(多核種除去設備[ALPS]処理水)の海洋放出、すなわち福島第一原発の敷地内に溜まった高濃度のトリチウムその他の核種を含むALPS処理水(トリチウム汚染水)の処理に関する問題である。今年2月に経産省の小委員会が「海洋放出が最も現実的」とする報告書をまとめ、3月から経産省による福島県内の関係各団体や自治体等への「説明会」が何度か開催されたそうで、パブコメの〆切も今月15日とのこと。しかし地元の人びとの反対は強く、もちろん「薄めて流せば大丈夫」ではまったくない。
コロナ自粛の動き難い時期ではあるが、電子署名もあるので、ご賛同いただける方にはご賛同を、また至急拡散をお願いいたしたくー。
http://fukushima-kenmin311.jp/

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