2024年3月18日

サクラサク2024

ちょうど先月から今月に変わる頃、自宅遣いのパソコンが突然に ーというのはほんとうは正しくなく前触れはあったのだがー 立ち上がらなくなって、拙ブログや拙HPの更新が滞ってしまった。拙HPに関しては再生不可能かもしれず、休眠したまま強制終了かもしれない。が、拙ブログは何とか復活である。
本日はS科研(いや加えていただいている二つの科研はどちらもS科研である。SH科研とでもしておこう)にかかわる国際セミナーで、久しぶりにW大に出向いた。毎年東京の「開花日」に先立って開花する桜が今年もちゃんと開花していた。20240318a.jpg

春は別れと出会いの季節である。かつてしげく通った3号館の、とはいえかつてとは全く異なるビル内のエスカレーターに乗りながら、もうここにいない恩師が実はこの世のどこにもいないことを思い出して、胸の奥がぎゅっと締め付けられたような気持ちになる。いやいや、感傷的になっている場合ではない!さあ、仕事だ仕事。
セミナーはたいへん面白かった。クローズドで関係者しかいないようなセミナーをイメージしていたら、けっこういろいろな方が聞きに来てくださってうれしかった。ありがとうございます!
 

2024年2月 7日

アカデミズムと社会を架橋する試みに 

昨年秋頃、依頼されたいくつかの企画でてんやわんやの時期に、「トイビトというサイトを運営している」という加藤さんから連絡をいただき、ロングインタヴューをしていただいた。それから、ちょうど年末年始の頃に原稿を起こしていただいたときも、今度は別のことで忙殺されており、落ち着いて対応できなかった。が、ともあれ掲載始まりのご連絡をいただいた。こちらである

(うわっ、写真に写ったわが顔色が悪く表情も弱弱しく、虚弱~。それはともかく)
加藤さん曰く、4週ほどにわたって少しづつ追加的に掲載をしてくださるとのこと。ありがとうございます。今ようやく{トイビト」や加藤さんのことをウェブ情報で少し調べてみると、わりとガチにアカデミズムと社会を架橋する試みに取り組んでいるサイトの運営者なのであった。こちらは既存の制度的な学びの現場を担うのに精一杯で、こうした新しい取り組みに疎いのだが、大事な仕事だと納得である。しかしやはりそこで問題になるのがおカネ稼ぎであり、経済なのだ。加藤さんが「経済学は価値の学問」というところに強く反応していたことに、あらためて思いを馳せる。

2024年1月26日

久しぶりの成果

年明けて2024年、相変わらず日々の仕事に追われてあっという間に時が過ぎていく。そんな状態はまだまだ変わらないのだが、久しぶりに嬉しい成果が届いた。ここ数年しかかっていたカール・ポランニーのハンドブックである。一つのチャプターを担当させていただいた。
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わーい!ということでウェブ上で価格をさがしたら(紀ノ国屋ウェブ)、えっ?49,333円?マジで?だ、誰も買わんやろ?!図書館様、買ってくださるのかっ?アマゾンでみたらまだ予約受付中で(価格は書いていない。戦略なのか?)、でもなぜかランキングの順位が付いている。なぜー? 
と、いろいろ謎は多いが、ともあれこうして成果がでるとようやく「ああ、仕事した」という安堵感に包まれる。しょっちゅうはないので(笑)、素直に嬉しい。

2023年12月 4日

おかげさまで無事に終了

おおいにご無沙汰し、失礼いたしました。10月のハーマン・デイリーのシンポジウム、11月の外語祭での「戦争と外大生」企画、いずれもなんとか無事に終了しました。デイリーは学会の企画に参画したものだったが(盛況でした。多謝)、こちらで企画した「戦争と外大生」には上映企画に200人以上、展示企画にのべ1500人近くのお客様にご来場いただきました!ありがとうございます!(新聞に載せていただいたことも大きかったし、大学広報のSNSの即効性にも仰天した。しかしU君のあのヘルメットのポスターデザインの力は相当だったのではと睨んでいる。)

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(ゲストの平野隆プロデューサーとともにご来場くださったツインズジャパンの原様より素敵な写真をいただきました。大感謝です!)

外語祭の企画としてゼミ生が「学長賞」も頂戴した。フィナーレの舞台の壇上でメンバーの一人がスピーチし、学長様とお話しさせていただいて、大きな賞品をいただいた。誇らしい!「実行委員会」のしっかりした見た目とはまったく裏腹の少人数構成で、担当したゼミ生諸氏には大きな負担をかけてしまったが、彼ら彼女ら自身の研究や生き方に何か資するところがあったことと願いたい。こちらではまだ残務が続いているが、いずれ簡単にでも記録を整理しておきたいと考えている。

2023年10月15日

システム変更がありまして、ご無沙汰しました

9月初旬まで、わりとコンスタントに書いていたのが、ぱったりとご無沙汰をいたしまして失礼いたしました。拙ブログを載せていただいている大学のシステム変更が9月なかばにあり、このページも拙HPも見えない状態になり、調整が続いておりました。その間あったいろいろなことについては、またおいおいにご報告できるかと思いますが、ともあれ昨今は秋学期も始まり、いただいた頼まれ仕事に奔走する何でも屋の様相を呈しております(苦笑)。とりいそぎイベント2件、拙ブログでもすでにお知らせしたものを含みますが、どうぞよろしくお願いいたしますー。

・日本生態学会関東地区会「生態経済学の挑戦 ーハーマン・デイリーを超えて」

・外大建学150周年企画「戦争と外大生」


2023年9月 2日

コロナ感染の体験

新型コロナ対策、対処に尽力されたO身会長が分科会廃止に伴い退任とニュースが報じていた頃、きわめて季節外れに(?)コロナに感染した。うがいや手洗い、マスクの対策は怠りなくしてきたつもりだったが、昨今ではいつどこからうつったのか、現在患者が何人いるのかもわからない。ともあれ咽喉の痛みから39度近くの発熱、頭痛や筋肉痛、関節の痛み、味覚障害や嗅覚障害の後遺症と、一通りの辛い体験あって10日目、いまだ咳も収まらないため外出自粛ラスト一日である。扱いが5類になろうが「風邪」の扱いになろうが、新型コロナの病自体が軽くなったわけではない。身近な人びとの温かい助けに大いに助けられながら、とにかく昏々と寝続けて治すしかなかった。

こんなに休んだのはいつ以来だろう。ウィズコロナ、アフターコロナで「身体を大切に」と論考に書くだけでなく、自分が実践して来なかったことにあらためて気づく。言葉が軽すぎる、というか我ながらアホである。どこまで実行できるかわからないが、今度こそ、働きすぎ、動きすぎの生活をあらためよう!と今は殊勝に考えている。

しかし明日3日は復帰第一戦、パルク50周年の記念イベントである!拙ブログを読んでくださっているみなさま、ぜひご関心をお寄せください(舌の根も乾かないうちに、という感じですが...)。

https://www.parc50th.parc-jp.org/product-page/0903sympo

2023年8月22日

若い感性の一冊!

連投すみません。昨年度に本学大学院D(共同サステイナビリティ研究)専攻の初めての修了生として学位を獲得したMちゃんことK島さんが、その一部分を本にまとめた!
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博士論文本体は英語で執筆され、「石炭」「炭鉱」が、その「残存物remains」によって重要なのだと説いた概念軸が鮮やかであったが、 ここでは証言した人びとの語りを日本語で書き起こし、秘蔵の写真や解説をつけて、大切に大切に記録している。火の色が鮮烈な表紙はもちろん、巻頭もなかなかカッコいい。おめでとうございます!

貝のおカネ作り@ラバウル

一緒に行ったメンバーから写真や動画が共有され、自分では決して撮れなかったショットに感謝!F先生の滞在先にみなでお邪魔して、先にご紹介した貝をツルに通してタブをつくってみたときのことである。日頃からこの作業をやっている近隣の女性たちが来て、やり方を見せつつ教えてくれた。はじめは全くうまくいかなかったが(真剣そのもの)、しばらくすると慣れてきてー。とても楽しい時間でした!
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2023年8月18日

ラバウル行ってきました!

残暑お見舞い申し上げますー。ほんとに暑すぎる夏ですね。さて、ちょうどお盆の大学夏季休業期にあたりましたが、パプアニューギニアの貝貨の研究をしている科研メンバーF先生を訪ね、他のメンバー4名でラバウルに行ってまいりました!
タテの移動なので時差はたった1時間なのだが、乗り継ぎが悪く、往復にたくさんの時間がかかってしまった。しかしとても珍しいおカネのあり方を初めて実地で見て、ほんとうに興味深かった!行きの乗り継ぎのポートモレスビー(首都)で国立博物館の見学をしたのだが、そこの展示に貝貨を輪にしたモデルを発見!
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しかし、よくあるように「昔は貝殻がおカネだった」という話しではなく、法定貨幣である「キナ」とともに上記の「タブ」が現在まで並行して使われているというのが、とても珍しい。実際、下記のように市場(マーケット)で普通に購入することもできるのである。
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とはいえ「キナ」と「タブ」では使われる状況、つまり人びとがおカネによってつくる人間関係に違いがあるそうだ。普通の売買には「キナ」が多用され、「タブ」も使えなくはない。一方、結婚や葬儀など大切なライフステージに関わるときには、もっぱら「タブ」が用いられるようだ。
しかもこの「タブ」、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのドイツによるニューギニア支配の時代からすでにあったとのことで、タブがあまりに強いためドイツ人が業を煮やし、やがて使用を禁じたほどである。なんとも頼もしい。少し踏み込んで考えてみたい素材である。

一方、ラバウルといえばやはり戦争との関わりも見逃せない。戦跡の地下壕なども少し見て回ることができ、短いながら鮮烈な体験を得た。「ラバウル小唄」を知っている人も多いだろうか。とはいえ戦争に関わった人からすれば、「何がまた来るまでは、だ。二度と来るものか」(麻生徹男『ラバウル日記』)という方が本音だろうー。

2023年7月31日

見てくれている人がいる!

早くも2023年7月が終わろうとしている。一年の折り返し地点はすでに過ぎ、某書評系新聞が先ごろ、数々の評者による2023年上半期の3冊の特集を組んでいた。毎回これを読むと、みずからの読書量の少なさ、読むべきものの多さに圧倒されてしんどいのだが、ふとその片隅に拙監訳書が!!
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わーい!さすがS山さん、広く目配りしていらっしゃるんですねー。とてもとてもありがたいです。内容に大いに異論、大いに歓迎でございます。監訳者も思うところ、いろいろございますです。議論になれば幸いですっ。
どこかで見てくれている人がいる。それはこういう地味な仕事を続ける者にとって、何よりの励ましであり、襟を正す瞬間である。

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