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あやかり同窓会(?)

 昨晩は下北沢で、拙ブログでも告知させていただいたNくんのB&Bのイベントが行われた。日が暮れて気温の下がったシモキタ西口からほとほとと歩いていくと、5分ほどで会場に着いた。ジェントリフィケーション(富裕化)という言葉が頭をよぎる。かつて小汚かったシモキタでよく遊んだ者としては、なんだか違和感がある。Nくんの本は、戦前から戦後にかけての広島の町を素材に、原爆の落ちた町のジェントリフィケーションやスラムの問題を問う意欲作なのだ。まあ、とにかく寒いから中へ入ろう!
 適当に狭くも広くもない会場は明るく暖かかった。Nくんがいた頃のゼミの卒業生が何人も到着し、なんとも懐かしい。それは、かれら・彼女らの卒業後も連絡を絶やさなかったNくんの功績なのだが、あやかりプチ同窓会状態である。他にもNくんの研究仲間たち、出版社のMさんなど、これまた懐かしい顔ぶれがー。一方で、Nくんが先生として指導してきた学生さんたちが(遠方からも!)参加していた。時間は確実に流れているわけである。
 イベントそのものは、登壇者のアーティストのお二人がとても生真面目にNくんの本を読んでコメントをしてくださり、巷の学者たちの(いや、もちろん例外もあるものの)書評会などよりもずっと良心的であった。Nくんは主役のはずだが、二人の登壇者の聞き手のように一生懸命、司会や段取り、タイム・キーピングをがんばっていた。まあ、ほかに司会はいなかったわけだが。それでも、Nくんがかつて研究テーマを定め、やがてこの本に至る研究を進めてきた大きなきっかけとなったアートの作り手と自著について話すことができたのは、やはり幸福な時間であっただろう。おめでとう、Nくん!よかったね!そしてまた、この息苦しい世界で身体を張ってがんばっているお二人のアーティストたちの、キレッキレの頭脳に触れたことにも、たいへんに勇気づけられた。

イベントが終わっての懇親会にも多くの人が残り、Nくんはなおも気丈に気配りを続けていたが、あっという間に夜更けとなった。電車のこともあるのでなかばで失礼したが、ゆたかな体験であった。ゼミ卒業生たちは、みんな立派になって輝いていた。ふー。すごいなー。

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2024年11月20日 16:07に投稿されたエントリーのページです。

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