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2023年8月 アーカイブ

2023年8月18日

ラバウル行ってきました!

残暑お見舞い申し上げますー。ほんとに暑すぎる夏ですね。さて、ちょうどお盆の大学夏季休業期にあたりましたが、パプアニューギニアの貝貨の研究をしている科研メンバーF先生を訪ね、他のメンバー4名でラバウルに行ってまいりました!
タテの移動なので時差はたった1時間なのだが、乗り継ぎが悪く、往復にたくさんの時間がかかってしまった。しかしとても珍しいおカネのあり方を初めて実地で見て、ほんとうに興味深かった!行きの乗り継ぎのポートモレスビー(首都)で国立博物館の見学をしたのだが、そこの展示に貝貨を輪にしたモデルを発見!
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しかし、よくあるように「昔は貝殻がおカネだった」という話しではなく、法定貨幣である「キナ」とともに上記の「タブ」が現在まで並行して使われているというのが、とても珍しい。実際、下記のように市場(マーケット)で普通に購入することもできるのである。
Tabu202308.jpg
とはいえ「キナ」と「タブ」では使われる状況、つまり人びとがおカネによってつくる人間関係に違いがあるそうだ。普通の売買には「キナ」が多用され、「タブ」も使えなくはない。一方、結婚や葬儀など大切なライフステージに関わるときには、もっぱら「タブ」が用いられるようだ。
しかもこの「タブ」、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのドイツによるニューギニア支配の時代からすでにあったとのことで、タブがあまりに強いためドイツ人が業を煮やし、やがて使用を禁じたほどである。なんとも頼もしい。少し踏み込んで考えてみたい素材である。

一方、ラバウルといえばやはり戦争との関わりも見逃せない。戦跡の地下壕なども少し見て回ることができ、短いながら鮮烈な体験を得た。「ラバウル小唄」を知っている人も多いだろうか。とはいえ戦争に関わった人からすれば、「何がまた来るまでは、だ。二度と来るものか」(麻生徹男『ラバウル日記』)という方が本音だろうー。

2023年8月22日

貝のおカネ作り@ラバウル

一緒に行ったメンバーから写真や動画が共有され、自分では決して撮れなかったショットに感謝!F先生の滞在先にみなでお邪魔して、先にご紹介した貝をツルに通してタブをつくってみたときのことである。日頃からこの作業をやっている近隣の女性たちが来て、やり方を見せつつ教えてくれた。はじめは全くうまくいかなかったが(真剣そのもの)、しばらくすると慣れてきてー。とても楽しい時間でした!
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若い感性の一冊!

連投すみません。昨年度に本学大学院D(共同サステイナビリティ研究)専攻の初めての修了生として学位を獲得したMちゃんことK島さんが、その一部分を本にまとめた!
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博士論文本体は英語で執筆され、「石炭」「炭鉱」が、その「残存物remains」によって重要なのだと説いた概念軸が鮮やかであったが、 ここでは証言した人びとの語りを日本語で書き起こし、秘蔵の写真や解説をつけて、大切に大切に記録している。火の色が鮮烈な表紙はもちろん、巻頭もなかなかカッコいい。おめでとうございます!

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