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2020年10月26日
英語【アフリカ地域研究、文化・社会人類学】
≪名前≫ 桶谷 駿貴(オケタニ シュンキ)
≪所属≫ 東京外国語大学 総合国際学研究科 博士後期課程 世界言語社会専攻
≪人物(自己紹介)≫
大阪府の出身で、学部生の頃から数えると、かれこれ10年以上外大に在籍しています。研究で滞在する南アフリカのヨハネスブルグは、「世界最悪の犯罪都市」など治安が悪いイメージが先行しがちですが、幸い今のところ大きな犯罪に巻き込まれることなく過ごせています。それどころか、この街の持つエネルギッシュな創造性にすっかり魅了されています。様々な文化的背景を持つ人々が集まっていて、街を歩けば多様な言語が聞こえてきます。そして、そうした多様性の中から、美味しい食べ物、心躍る音楽、斬新なアートやファッション、文学、演劇、映画といった、豊かな文化が次々と生まれています。
≪専門≫
私は、多様な人々が集まって「ものづくり」をしている現場に注目しています。たとえば、ヨハネスブルグ(南アフリカ)のインフォーマル・セツルメントでは、英語にズールー語、ソト語、ツワナ語、アフリカーンス語など、時に複数の言語を介して隣人と協力しながら、廃材を利用したり他人から安く資材を譲りうけたりして、自分たちの家を建てています。一方で、日本の東京のど真ん中でも、たった一人でコンクリートのビルを建てはじめた岡啓輔さんという方がいて、その「蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)」という建物には、「面白そう!」と感じた様々な人々が手伝いに訪れ、日々新しい形が生まれています。これらの現場は、国も状況も全く異なりますが、実は共通点があります。それは、きっちりとした設計図があってそれ通りにつくるのではなく、その場その場で知恵を出し合い、手に入るものを使って、みんなで力を合わせながら、時に対立しながら、何かをつくりあげているという点です。どちらの現場も、強制立ち退きやインフラ整備の遅れ、再開発による存続の危機といった困難に直面しながら、それでも「つくる」という行為が続けられています。私が知りたいのは、こういう「みんなでつくる」現場で、いったい何が起きているのか、ということです。そんな「ものづくり」を通じた人々の営みや、そこから生まれる新しい可能性について考えています。
≪おすすめの書籍≫
『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』
学生生活や研究活動でもちろんしんどい時もありますが、この雑誌を読むと現場のエネルギーがダイレクトに伝わってきて、とにかく元気が出ます。目の前のことに一生懸命取り組むこと、そのプロセス自体を「楽しい!」と感じることの大切さを、蟻鱒鳶ルの現場から教えてもらいました。
≪趣味≫
野球、ハイキング、DIY、料理とお酒(日本酒とワイン)