• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

Newsお知らせ

  • Home
  • お知らせ
  • セネガルの若者たちとイスラーム運動に関するセミナー開催

お知らせ

セネガルの若者たちとイスラーム運動に関するセミナー開催

2018年6月21日(木) 16:00~17:30

現代アフリカ地域研究センターでは、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)の研究員であり、博士課程に在籍している阿毛香絵氏を招き、第18回ASCセミナーを開催します。本セミナーは、センターに所属する坂井真紀子准教授が担当する本学国際社会学部の専門科目『アフリカと開発』の授業内で行ないます

イスラーム教徒が90%を超えるセネガルでは近年、イスラーム運動が若者たちの間で人気を博しています。運動のかたちはさまざまですが、共通するのはメディアの活用や社会改革に向けたスローガン。本セミナーでは、セネガルの若者たちが宗教運動に何を求めどのような社会を目指しているのかを考察します。

◆報告者:阿毛 香絵氏(フランス国立社会科学高等研究院<EHESS>文化人類学博士課程、EHESS日仏財団研究員)

◆日時:2018年6月21日(木) 16:00~17:30

◆場所:東京外国語大学 研究講義棟213教室

◆使用言語:日本語

◆参加費:無料

◆事前申し込み:不要(どなたでも参加できます)

◆演題:セネガルの若者たちとイスラーム~神秘主義、ポピュラーカルチャー、社会運動~

◆要旨:
1990年代以降、アフリカの各地で都市の若者を中心として、政治やメディア、若者文化に結びついた新しいタイプの宗教運動が多く見られるようになった。中央アフリカのキリスト教系の新興宗教や、西アフリカ、北アフリカのイスラームの改革主義、神秘主義教団、土着宗教や伝統的な通過儀礼の再復興への動きなど、さまざまな傾向がある。これには、それぞれの国が抱える背景に加えて、長引く経済危機、民主化に伴う市民の政治参加の活発化、教育の自由化、グローバル化、情報社会の浸透など、いくつか共通の背景がある。
イスラーム教徒が90%を超えるセネガルでは、植民地時代以前より宗教と政治、教育とが深く関わりあってきたが、近年になって新しいタイプのイスラーム運動が若者たちの人気を博している。イスラーム運動、と一口に言っても、政治リーダーとして活躍するカリスマティックな指導者が率いるグループもあれば、ドレッドロックスとカラフルなコスチュームに身を包み、踊り歌うスピリチュアルな宗教儀式を行うグループ、コーラン回帰を唱えてアラビヤ語の近代教育を進めるグループ...、と様々な系統がある。しかしこれらすべての運動に共通するのは、メディアやIT、ソーシャルネットワークの活用と若者たちの動員力、そして宗教的な価値に基づいた信者一人一人の努力によって社会全体を改革しよう、というスローガンだ。
近代化とグローバル化に伴う様々な社会変化、価値変化の中で、セネガルの若者たちはこれらの宗教運動に何を求めているのか、そしてどのような社会を目指しているのか。現地におけるフィールド調査や経験に基づき、彼らの宗教観、社会観について考えたい。

◆報告者略歴:
フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)文化人類学博士課程、EHESS日仏財団研究員。
慶応義塾大学総合政策学部学士課程に在学時よりセネガル国立ダカール大学に長期留学(2003-2007)し、現地にて学士および修士課程を修了。慶応義塾大学総合政策学部政策メディア研究科修士過程(2010年)修了後、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)にて博士論文を準備しつつアフリカ世界研究所(IMAF)において複数の研究プログラムに参加する。2013年より同学(EHESS)日仏財団で研究員として活動。2015年からは、「アフリカ・アジア間の新たな地域編成」プログラムの責任者として、関連するテーマのセミナーやシンポジウムのオーガナイズ、研究調査のコーディネートを務める。主な研究分野は、西アフリカにおける教育とイスラーム、セネガルの近代政治と社会、アフリカの都市化とメディアの発展、若者文化、アジア・アフリカ間の新たな関係性等。