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留学生の活動

ヘレンの日本滞在記

2020年10月13日(火)

2019年9月から2020年8月まで、ルワンダのプロテスタント人文・社会科学大学(PIASS)の第二弾留学生として東京外国語大学に交換留学していたヘレン・アリネトゥ・ミカンダさんから、日本での経験を振り返るエッセイが届きました。留学期間の後半にあたる春学期は新型コロナウイルス感染症の影響で授業はオンライン、外出もままなりませんでしたが、そのような中でもできうることに挑戦し日本でさまざまなことを吸収してくれたようです。今後の彼女の活躍を見守っていきたいです。

ここでは、日本語の要約文を紹介させていただきます。

※原文(英語)フルバージョンはこちらよりご覧いただけます。

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私の日本滞在記

私は2019年9月24日から2020年8月3日まで、東京外国語大学に交換留学していました。現代アフリカ地域研究センターが私の航空運賃と生活助成金を支援するためのクラウドファンディングを実施してくれ、この他にJASSO(日本学生支援機構)から奨学金を支給されました。

まず、留学を実現してさらには楽しいものにし、日本滞在中ずっと私を支えてくださった方々に御礼を申し上げます。このレポートでは主に大学生活と外国人としての日本での社会生活について語りたいと思います。

プロテスタント人文・社会科学大学(PIASS)の平和紛争学科に在籍する学生として、私は平和構築、日本の戦中・戦後史と復興史、国際関係論、日本の文化と宗教に関連した授業に関心がありました。最初のセメスターである秋学期には、日本語の口頭コミュニケーションや現代日本におけるジェンダー学など7つの授業を履修しました。授業では多くのことを学び、特に難民の国際的保護の授業がためになりました。授業で学んだことの中には私の母国であるコンゴ民主共和国で起きている事例もありました。もっとも興味深かったのは難民の権利についてです。母国で起きている難民差別を思い出し、難民を迎え入れる国・地域は彼らが母国以外の場所でも安心して暮らせるよう手助けすべきだと学びました。

春学期には、日本の宗教と大衆文化、戦後日本における社会運動と民主化など7つの授業を履修しました。日本に関する授業はどれもとてもおもしろかったです。なぜなら、私の母国が現在そうであるように日本は大変な時代を経験しながらも、その後努力を重ねて急速に発展したからです。宗教や文化が独自の方法で戦後復興に関係していたこともおもしろいと感じました。また、日本文化を理解するために、日本のパフォーマティブ文化、そして日本の宗教と文化の授業を取り、異なる価値観と規範を学び日本文化の美しさに触れました。この他にも、留学生日本語教育センター(JLC)が行う日本語の授業を2つ履修しました。日本語に関していちばん好きな点はその丁寧さで、私はもっとも丁寧な言語だと思っています。勉強はとても大変でしたが、私は日本語が大好きです。

次に授業以外の生活について話します。授業以外では、異なる地域出身で異なる言語を話す学生同士が互いの言語を教え学びあうLET'Sや、外大のバイブル・スタディ・グループに参加しました。社会生活では、世界中の国々から来た友人たちと出会いました。50を超える国の若者たちと(寮で)一緒に暮らすというのはこれまでの人生の中で最高の経験だったと言えます。また、広島、沖縄、神戸、大阪、京都など、日本各地も訪問。訪れた先々で教会の活動に参加し、神社や寺院にも行きました。京都では着物を着て、大阪と茨城ではホームステイをしました。日本料理も満喫し、中でもお好み焼きとたこ焼きが気に入りました。「TUFS×こども食堂」の活動にも参加し、コンゴのウガリ(注:トウモロコシの粉を熱湯で捏ねて作る固粥。コンゴの主食の一つ)を作りました。また、郁文館グローバル高校とセミナーを行い、アフリカと日本について学びあいました。宗像財団でのインターンシップも経験し、アフリカにおけるさまざまな問題についてのリサーチやプレゼン、提案書の作成をしました。

日本での日々は期待以上のもので、10か月間の滞日経験から多くのことを学べました。大学生としてだけではなく、プロフェッショナルとしての能力や知識を向上させることができたのです。日本へ留学するという夢の実現は多くの方々の支えがなければ不可能でした。クラウドファンディングに関わってくださった方々ひとりひとりに、現代アフリカ地域研究センターに、佐々木和之先生に、日本のバプテスト・コミュニティの皆さまに、東京外国語大学とJASSOの事務局の皆さまに、日本で出会った友人たちに、ルワンダで出会った友人たちに感謝しています。皆さまのおかげで留学生活を楽しむことができました。皆さまの支援で私は変わることができました。このご恩は忘れません。