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について

チベットのむかしばなし しかばねの物語

刊行
著者等
星泉(編訳)、蔵西(絵)
出版社
のら書店

内容の紹介

チベットで広く知られた『しかばねの物語』の日本語版です。主人公はとある罪を犯してしまった少年デチュー・サンボ。少年は罪をつぐなうために遥か遠い墓場まで「幸いをもたらすしかばね」を探しに行き、一言も口を利かずに恩師のもとに届けなければなりません。しかばねを見つけた少年は背負って歩き出すのですが、しかばねが語りかけてくる奇想天外なお話にすっかり夢中になり、思わず感想やつっこみを口走ってしまいます。するとしかばねは、あっという間に墓場に舞い戻ってしまうので、少年は再び墓場に行く羽目になります。少年はしかばねを背負うと今度こそ口を利くまいと誓いますが、うっかり口走り再びしかばねに逃げられてしまいます。これを何度も繰り返すうちに、少年はお話の登場人物の勇気ある行動に感動して、少しずつ成長していきます。この物語は、インドの『屍鬼二十五話』がその昔チベットに伝わり、チベット流に語り直されたものです。元々口頭伝承であるせいか、様々なバージョンがあるのですが、本書は、中国青海省で1963年に出版された活版印刷本をもとに12話を選んで翻訳しました。小学校高学年以上から大人まで楽しんでいただける1冊です。

著者等のコメント

星 泉(アジア・アフリカ言語文化研究所/教授)

今回紹介する『チベットのむかしばなし しかばねの物語』は、外のお話も中のお話も、どこかユーモラスで 間が抜けていて、デチュー・サンボでなくても何かひとこと言いた くなる、つっこみどころの多い物語です。これは実は、語り手と聞 き手の対話を生み出す見事な仕掛けなのかもしれません。 チベットのことをあまり知らなくても大丈夫。チベット文化に造詣 の深い漫画家・イラストレーター蔵西さんのきらめくような挿絵が やさしく物語世界に誘ってくれます。 ぜひ手にとってみてください!


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