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ASCセミナー

第12回ASCセミナー「アフリカ、多国間主義、そして新たなグローバル秩序」(アレックス・デ・ヴァール マサチューセッツ州タフツ大学)

日時 2018年4月11日(水)16:00~18:00
場所 東京外国語大学研究講義棟227教室
講師 アレックス・デ・ヴァール博士(マサチューセッツ州タフツ大学世界平和基金・代表理事/フレッチャー法律外交大学院・教授)
テーマ Africa, Multilateralism and the Emerging Global Order (アフリカ、多国間主義、そして新たなグローバル秩序)
要約

本セミナーには、当学関係者をはじめ大学・研究機関、政府機関、メディア関係者ら大勢の参加者が集まった。

セミナー冒頭で、デ・ヴァール博士はアフリカ連合(AU)を取り上げて、その組織的な変遷やアフリカ各地における活動の在り方に基づき、アフリカの多国間主義の在り方を2つに分類して理解できることを指摘した。まず、より伝統的なものとしてあげられるのが「国家中心的多国間主義(state-centered-multilateralism)」である。デ・ヴァール博士は、アフリカ統一機構(OAU:のちのAU)設立前後の、ハイレ・セラシエ・エチオピア皇帝の外交活動を紐解きながら、この多国間主義の成り立ちについて論じた。

一方で、それと異なる多国間主義としてあげられるのが「人間中心的多国間主義(people-centered-multilateralism)」である。'90年代中頃にほぼ全てのアフリカ諸国がAUに加盟し、多国間主義の枠組みが広くアフリカに導入されると、AUはその中心的機能を、各地で発生する内戦やそれに付随する人道問題等に対する平和・治安維持活動へと移行させ、多国間主義の在り方をそれら現代的課題に対応可能なものへと更新させた。

これを指摘したうえで、デ・ヴァール博士は、現下のアフリカにおける多国間主義が、実際にどのような局面でどのように機能するかについて、スーダンにおけるAUの活動事例をはじめとする各地の事例を示して説明した。

質疑応答ではフロアから多くの質問が寄せられた。質問内容は多岐に及んだが、全ての質問に誠実に対応されるデ・ヴァール博士の姿が印象的であった。