平成22年度 of EUおよび日本の高等教育における外国語教育政策と言語能力評価システムの総合的研究


研究計画・方法

平成22年度

研究計画について

 本年度は上記研究目的に対応した4つの研究班(A班:EU諸国の高等教育機関における外国語教育制度の変革の動向調査と情報収集、B班:EU諸国における第1外国語教育・第2外国語の能力評価基準と測定方法に関する最新動向調査、C班:日本の外国語能力検定試験の到達度評価基準に関する通言語的共通性と透明性の検証、D班:日本の外国語能力検定試験と海外の言語能力評価システムとの対照研究)ごとに研究テーマに対応した研究調査を継続する。現地調査で収集した資料を分析する作業と平行して、随時研究集会を年に6回の頻度で開催し、調査報告や成果公開をする。

研究方法について

(1)現地調査の実施(必要に応じて研究協力者に依頼):
前年度に引き続き、ポルトガル(黒澤直俊担当)、ロシア(中澤英彦担当)、ドイツ(成田節担当)他の高等教育機関に上記研究計画に沿って、現地調査に分担者を派遣する。その調査結果および前年度で得られたEU諸国の高等教育機関における外国語教育施策と改善方法に関する新たな情報を分析し、成果を部分公開する。

(2)日本の外国語能力検定試験の出題された問題のデータベースを完成し、到達度評価の検証、通言語的基準の判定、中等・高等教育機関での単位認定への活用実態を調査する。中間報告の結果を、研究会や国内外の学会で成果発表する。

(3)日本の外国語能力検定試験と海外の言語能力評価システムとの対照研究調査をすすめ、中間報告をまとめる。中等・高等教育間の外国語能力評価が整合性をもてるように、よりよい連携の方策を検討する。連携の観点から、英語教育学スタッフを中心に、具体的な研究テーマ(高等教育レベルでのCEFRの評価基準の検証、学習者プロファイリングとポートフォリオ評価などに沿って行う。大阪大学外国語学部の先進的試みとしてCEFR基準に準拠したシラバス作成などを参照し、日本の高等教育機関の外国語能力評価方法への活用の可能性を検証する。