研究の要旨3 of アジア諸語を主たる対象にした言語教育法と通言語的学習達成度評価法の総合的研究


| 研究の学術的背景 | 研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか | 本研究の学術的な特色・独創的な点及び予想される結果と意義 | 

本研究の学術的な特色・独創的な点及び予想される結果と意義

(1) GPA導入などへの対応など社会的責任をともなう成績評価の透明性確保の観点から、CEFRなど欧米の能力評価基準をアジア諸語をも対象に含め、日本の中等・高等教育の言語教育の現場に適用することの妥当性・問題点を検証することに意義がある。

(2) 本研究に参加する研究者は言語研究者であるとともに、中等教育・高等教育において外国語教育の実践者であり、理論・開発と検証作業がリンクできる。例えば、言語教育の到達目標と評価基準に文化的同化、非言語的(non-verbal)コミュニケーション能力、談話的・語用論的操作などを加えるかどうかなど、重要な問題の検討も、独自の評価モデルの立案・教育現場での実践・定性分析に加え定量的処理による検証・新たな教材の開発と評価法の改善というPDCAサイクルを実行することにより、本研究組織の内部で実現可能である。

(3) 欧米やアジア地域の高等教育機関を包括しうるコンソーシアムなど、研究連携組織を活用できる。この国際展開力が期待される柔軟な機動性は、本研究グループの特色である。

(4) 研究協力者には中等教育・生涯教育・語学能力検定試験などでの非欧米語の言語教育や言語能力検定試験にくわしい者もおり、公式・非公式教育サービスなど多様な社会的要請に対応しうる外国語能力評価方法のモデルと、より効率的な教材を開発しうる。

(5) CEFR研究者とアジア諸語の言語教育者が協働する本研究は、あるいは日本の言語教育改善を目指すだけでなく、欧米の既存の枠組みを批判的に検証し、現代社会の要請に応える水準の貢献を果たしうる。本研究の遂行と成果の還元は、多言語に対応した、より汎用性の高い言語教育法と、通言語間の透明性を確保するための重要な参照例として、日本及びアジア諸国、さらに欧米諸国での外国語教育に還元し、言語教育の改善に向け明確な指針を与えることができる。