国際社会学部

国際社会学部の目的・理念

情報は瞬時に世界中を駆けめぐり、経済活動は国境を越えて展開しています。同時に、標準化や画一化は、言語や文化の領域でも進みつつあります。しかしグローバル化により、人々の活動の場である「地域」の多様性が失われることはありません。その一方で、市場経済が地球規模で拡大し、世界の諸地域が政治的・社会的に統合されると、地球温暖化や環境汚染などの問題とともに、さまざまな地域でグローバル化による矛盾や対立が生まれています。それは、経済摩擦、民族・宗教的紛争、地域間・階層間の格差・貧困などの形で現れています。現代世界で生じている問題を解明するためには、その全体像を見るだけでなく、個別の地域の政治・経済・社会とその歴史に注目して考えなければなりません。現代の国際社会の成り立ちや、世界のさまざまな国と地域で生じている問題とその本質を理解するためには、適切な方法を身につける必要があります。

国際社会学部では、諸地域の政治・経済・社会とその歴史についての知識を深めるとともに、社会科学と関連する諸分野の方法論を体系的に学びます。

そのようにして得た知識と方法論をもとに、グローバル化の急速な進展の中で生じている紛争や対立、現代世界が直面する諸問題の根源を洞察し、分析力と行動力を養い、グローバルな視点から問題を考え、解決することができる実践的な能力を備えた人材を養成します。

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第1年次〜第2年次では・・・

第1年次と第2年次はおもに世界教養プログラムに従って学習を進めます。併せて導入科目を履修して、専門的・学術的な学びが始まります。

↓2年次から選択する各コースをご紹介↓

第2年次からは、世界教養プログラムによる学習を進めつつ、希望するコースの専修プログラムの概論科目を履修して、専門分野の基礎を学びます。そして、コースと指導教員を決定し、第3年次春学期からは、指導教員が担当する専門演習である本ゼミが始まります。

地域社会研究コース

特定の地域に焦点を当て社会の構造を解き明かす

現代の世界と国際社会は、さまざまな 国・地域とそれらの相互関係によって形 づくられています。

特定の「地域」に焦点を当てて、その 社会の構造を明らかにすることは、地域 を理解するのに役立つだけではありません。ここで得られた知識と情報は、ほかの地域で生じている類似の現象や問題を理解し、国際社会の成り立ちや国際的 な場で生じている問題を解明するためにも重要な役割を果たします。

地域社会研究コースでは、一定の「地域」という枠を設定し、その地域の中で行われている社会的な営みを明らかにします。そのためには、地域が歴史的にどのように形成されてきたかを解明し、政治体制、社会構造、経済活動、言語や文化など地域を総合的・構造的にとらえ、さらに地域の外にある世界との関係も明らかにしていきます。

以上のアプローチから、「歴史的なも のの見方」と「現代社会を構造的にとらえる視角」を修得していきます。

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[注目の授業] 地域を超えて地域を知る

ヨーロッパ地域研究「イタリア近現代史」

小田原 琳(大学院総合国際学研究院・講師)

 

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この授業で主にとりあげる地域はイタリアです。ところで「イタリア」とはなんでしょうか。イタリアはいつ始まり、どこまで広がっているのでしょうか。ひとつの「地域」を確定するための前提ともいえるこれらの問いに答えることは、実はきわめて難しいと知ること。この授業の目標は、突き詰めればそこにあります。

 最近では、ジェンダー、レイシズム、戦争や植民地主義など、多くの地域が共通して抱える課題のイタリアにおける現れを検討しながら、我々は何をイタリアと呼んでいるのかを考えています。ひとつの地域を深く学ぶことを通じて、複雑なものを複雑なまま受け取り、考えぬく態度を養い、グローバル世界に向き合う肝を鍛えましょう。

現代世界論コース

現代世界の諸問題に新たな解決策を導き出す

世界には、新しい形態の戦争やテロリズム、性・人種・民族をめぐる新たな差 別、地域間・階層間格差の増大、地球規 模の自然破壊など、数多くの問題が生起し、その様相は日を追うごとに複雑になっています。

世界の諸問題に対して、高度に専門分化し制度化された既存の社会科学の体系は、有効な解決策を示していません。 このため、既存の学問分野を横断する複合領域や、従来の人文・社会科学の分野とは異なる課題や発想に基づく方法の探 究が進んでいます。

現代世界論コースでは、問題解決の方法の模索過程を教育内容に反映させていきます。方法論を修得したうえで調 査・研究対象に取り組むという通常の手順ではなく、現代世界に生起する問題を提示し、既存の学問分野の限界と問題 解明の切り口を示すという形で学んでい きます。それらを通じて、常識や通念に制約されない柔軟な思考や判断力と、実 践し行動する能力を養うことを目指します。

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[注目の授業] 歴史叙述と集合的記憶のアポリアを哲学する

哲学・社会思想「歴史にとって記憶の問題とは何か」

岩崎 稔(大学院総合国際学研究院・教授)

 

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1990年代初頭からの四半世紀は、集合的記憶として構築された国民の物語が揺らぎ、そこから消去されてきていた「敗者」の記憶をめぐる論争的局面が、世界の地域で生みだされた時代でもありました。「記憶の内戦」や「記憶の抗争」と表現されてきたこうした対立を通して、過去を叙述するための方法論や感受性は、つまるところどのように組み替わったのでしょうか。

講義では、こうした局面を「記憶論的転回以後」と規定し、歴史叙述の倫理性や集合的記憶の動態というアポリア(難問)を主題的に考察し、哲学や思想史だけでなく、それにかかわる精神分析、文学作品、映像メディアなども含めた広い視野から、問題を整理しつつ掘り下げていきます。

 

国際関係コース

国際社会の現実を理論・歴史・実証的に理解

私たちは、平和で安定した国際秩序を形成できたと言えるでしょうか。冷戦の終結で核戦争の脅威は減退し、技術の進歩は人々の生活に便宜と繁栄をもたらしました。世界では国際的な統合が進み、経済、政治、文化などの交流や相好依 存関係が活発化しつつあります。

しかし一方で、私たちは、領土紛争、宗教や資源をめぐる摩擦、貧困や差別、国際テロの脅威など、解決すべき多くの困難に直面しています。そうした困難に対 して、関係する国家や政府、国際機関、非政府組織(NGO)、そして個人がさまざま な形で対応しようとしているのが今日の国際社会です。

国際関係コースは、国際社会の現実をさまざまな角度から社会科学的手法を用 いて理論的・歴史的・実証的立場から理解していくと同時に、政策志向的に考えていきます。国際機関やグローバルな企業や団体をはじめ、国際関係を専門とする広い範囲の仕事に従事する人材を育成していくことを目的としています。

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[注目の授業] 日常生活の紛争から国際的紛争まで扱います

平和・紛争論「国際協力と紛争解決論」

篠田英朗(大学院総合国際学研究院・教授)

 

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紛争解決論は英語圏諸国では大学から企業等においてまで広範に教えられていますが、日本ではあまり見かけない授業かもしれません。ここでは人間が生きていく限り、日常生活において紛争からは逃れられず、必要なのは紛争がない世界を夢見る事ではなく、紛争に対処する技能を高め、準備を整えておくことだ、という認識から出発します。

国際的紛争の傾向や対応する政策、現代世界の地域紛争の事例や日本の紛争の歴史の捉え方まで扱いますが、考え方は家庭や学校における紛争対応の延長線上にあることを強調します。このように考えることにより、国際紛争を分析することによって、自分自身の生き方の改善を図っていくという視点を養います。

 


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