2021年度 活動日誌

3月 活動日誌

2022年3月30日
GJO コーディネーター 原 真咲

【留学生の留学中止について】

留学を断念して2月に帰国したという日本人の学生については、リヴィウ大学で勉強したことに関する証明書が発行可能であるということだったが(戦前の状況下での回答)、この件については返答を得ていない。

彼は思うような勉強ができず、大なり小なり人生の予定も狂ってしまったわけで、実に気の毒であったと今でも思う。この最も大変なときに現地にいなかったことについては申し訳なく思った。

【その他】

リヴィウ大学の先生から、リヴィウから日本への留学希望者に関する書類上、およびメールでのやり取りに関するサポートの依頼があったので対応した(2月末から3月上旬)。

もう1件、同じく今月下旬に日本の大学および日本語学校の提供するウクライナの学生へのサポートについての資料を巡るやり取りのメールのサポートを依頼された。

自分自身は3月末にウクライナに戻るつもりであったが、目下、現地で居場所がないのと、日本で突然予定外の仕事が山積し始めたので、しばらく戻るのをやめた。予定が狂って極めて不本意である。

キーウの知り合い(今回はキーウ経由で出国したので、帰国前に家に行った)は近所で防衛部隊と工作員との戦闘があり、また長年勤めた企業(数年前に定年退職)はミサイルを撃ち込まれて、3月9日だったと思うが、いよいよ危なくなったので病気で具合が悪いのに3日かけて出国して大変そうだった。

12月 活動日誌

2021年12月31日
GJO コーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学】

12 月になった途端、リヴィウは雪景色になりました。と思いきや、雨が降って雪が融けたり、日が差したり、路面が凍結したり、やや不安定な天候が続きました。しかし、ずっとどんより曇っているよりは大分よいと思います。湿度が高くなければ、東京に比べて体感温度は高く感じます。

リヴィウ大学は閉鎖中で、授業はすべてオンラインです。しばらく大学キャンパスにも行っていません。月半ばより試験期間が始まりました。

氷の結晶

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国 229268 人(先月 516079 人)に改善、内リヴィウ州は 11001 人(先月 26989 人)でした。1 日あたりの平均は、全国約 7642 人(先月約 17203 人)、リヴィウ州約 355 人(先月約 900 人)になります。新規感染者数の増加速度には改善が見られ、1 日の新規感染者数は最小で 1864 人(27 日)にまで減りました。ただ、他国と比べて死亡者数が多いようです。状況を示す色分けでは、ほかの多くの州とともにリヴィウ州も「黄」に改善しました。店舗で必要とされた証明書類の提示は不要になったようです。

新規感染者数は減ってきましたが、一方でオミクロン株の検出が報告されており、今後の感染拡大が懸念されます。ワクチン接種は頭打ちですが、学校も先月半ばより順次再開しているらしく、近所に子供たちが戻ってきました(現在住んでいるところの近所に学校が向かい合って 2 軒あります)。ウクライナでは、大学より学校(小中高相当)、学校より保育園(幼稚園)が優先的に開業を許可されます。大学が許可されるのは最後と思います。3 回目の接種が始まります。

新型コロナウイルス以外にも、ロシア軍のウクライナ侵攻が現実味を増しており、コロナ禍、戦争、電力不足による停電(これもロシア関係ですが)といった不安が多い年越しとなりました。

【ウクライナの環境対策】

スーパーなどで見られる薄手のポリ袋の制限が世界的なトレンドとなっておりますが、ウクライナでも本年 12 月 10 日より無料での提供が禁止されました。見たところ、スーパー等では 1 枚 10 コピーイカ(約 40 銭)で「販売」されているようです。セルフレジですと、きちんと薄手のポリ袋のボタンが現れまして、そこを押して枚数を入力することになりました。お金取って店舗が儲けているだけという批判もあるのですが、無闇にポリ袋を取っていくことについての消費者の意識改革に繋がることは間違いないように思われます。リヴィウ市では相変わらずごみ処理問題は深刻で、消費者の意識を変えることは重要であるように思います。

よく使っていたスーパーではポリ袋はすべて有料化されたのですが、どこでもそうというわけではないらしく、別の系列のスーパーでは量り売りの鮮魚・肉類のために使われる薄手のポリ袋はレジで有料の枚数に数えられていないようでした。この辺りは厳密な規則はないのかなと思いました。

気になるのは、そのスーパーで入手した袋を再利用しようとした際、レジで「それは今取ってきたんでしょ」と見咎められたら、うちから持参したんだということをどうやって証明するのか、ということです。支払い済みのポリ袋には、何か目印のシールでも貼ってくれるとよいのですが……。幸い無色、緑色、桃色など数種ありますので、店舗ごとに使い分けるのが無難かと思いますが、ポケットに入れておくだけで万引きっぽいですし……。

【ウクライナの航空事情】

コロナ禍下でのウクライナの空の旅はどのようなものでしょうか。先月、新しい航空会社エア・オーシャン航空について書きましたが、今月、移動の必要があったため早速利用してこちらで紹介しようと思いました。しかし、荷物の都合と出発時間が少し遅いということで結局従来のモトール・シーチ航空を利用しました。

現在、ウクライナでは検疫措置により、航空会社を含む公共交通機関による中・長距離の移動の際には新型コロナウイルス関係の書類(ワクチン接種証明書、陰性証明書等)が必要となります。で、証明書を準備して空港に行きましたが、どこでも提示を要求されず、一度も誰にも見せる機会なく終わってしまいました……。残念! というか、よいのでしょうか……。

空港施設内でもマスク着用義務に公然と違反している人が多く、驚きました(というのは、夏には守っている人がほとんどだったからです)。たまたまですが、機内ではマナーの悪い乗客が目立ち(今までウクライナの国内便で見ていません)不快な印象でしたが、機内での過ごし方も夏に比べ全体的にルーズな印象受けました。あの、必死になって鼻を出そうとしている人たちの気持ちは未だにわかりません(偏見ですが、いわゆる「鼻の高い西洋人」、「鼻の低い東洋人」という違いなのかもしれません。でも、実際には鼻の高低は個人差が激しいように思います)。これは残念に思うと同時に、身の危険を感じました。やはり、重要な用がなければ交通機関は利用しない方がよいと思います。

さて、知る人ぞ知るウクライナのモトール・シーチ航空は、モトール・シーチという航空用エンジンメーカーが立ち上げた航空会社で、自社製のエンジンを搭載した航空機を運航しています。今回の乗機は 50 年選手の An-24RV で、この会社では最も一般的な機材になります。キーウにあるアントーノウという企業が開発した国産機です。この機種、初飛行は 1959 年ですが、近年事故で有名になったボーイング 737 も元を辿れば 1957 年初飛行のボーイング 707 になるわけですから(胴体設計が同じ)、それほど驚くことではありません。今回乗るのは 1973 年にキーウで製造された機体で、モトール・シーチ航空が運航する An-24 のなかでは最も若い機材になります。乗り心地は座席の位置により大きく左右されますが、平均すると、静音性を売りにしたカナダ製のプロペラ旅客機 DHC-8-Q400 と比べて若干うるさく、若干振動が多い感じです。後ろの方ですとかなり静かで、主翼の真下、プロペラの真横などですと内臓に終始バイブレーションが掛けられる感じになります。

この会社は以前は機内で軽食を提供しており、その中止後もコーヒーや生レモン入りの紅茶、あと昔から気圧変化への対処に有効とされる飴(物としては普通の飴)を提供していましたが、コロナ禍の規制で中止され、夏には 500 ml の天然水が配布されていました(これでも他社よりよい)。今回は嬉しいサプライズがありました。クリスマス風の数種類のかわいいクッキーとコーヒー、レモンティー、飴が配られたのです。客室乗務員に訪ねたところ、クリスマス限定とのことでしたが(ウクライナなので、12 月だけでなく 1 月 7 日の旧暦のクリスマスまで続けられるものと推測)、こういうサービスは素晴らしいと思います。客室乗務員は通常業務中はちょっと近寄り難い感じでしたが、個人的に話したらフレンドリーな方でした。公私の別があるのは日本だけではありません(話しかけたのも業務中には違いありませんが)。

さて、搭乗日は悪天候のためエア・オーシャン航空は前便が遅延し、遅れて到着したばかりの An-148 を横目にモトール・シーチ航空の方が先に出発したのですが、途中で迂回している(させられている?)うちに追い抜かれ、目的地のキーウに着いたらちゃっかり横にさっきの An-148 がいました。いや、不思議ですね、君はさっきリヴィウにおいてきたのに、なんでここにいるんだ、という気分でした。新型ジェット機の面目躍如ですね。

当日のキーウ国際空港は新旧の An だらけで、凄い時代になったと思いました。

ところで、大統領の作ろうとしている国営航空会社も結局国産の An-158 を導入すると発表しました。国産機を無視することへの国民の批判を受け入れ、計画を変更したのだとすればよいことのように思います。

使い慣れていて安心なモトール・シーチ航空ですが、次回は新しい航空会社も利用してみたいと思います。

先着したエア・オーシャン航空の An-148-100E
のそのそ乗り込む雪国の搭乗風景(リヴィウ国際空港)
フクロウちゃんが可愛いクリスマス特別メニュー

【その他の話題】

リヴィウ市電が5年ぶりに完全新車を導入しました。リヴィウ市に本社があるエレクトローン社の最新車両です。12月時点でまだ営業には入っていませんが、待望の5連接車なので、混雑の激しい市内交通の状況改善に役立つことが期待されます(リヴィウ市電のほとんどの車両は型式により2連接または3連接で、どちらも座席数は同じで大型バス並み。5連接車の座席数は3連接車の165%増し)。ひどい交通渋滞は解決できそうにありませんが……。ところで、市電というのは基本的に自動車と同じ路面を走行するわけですが、これまで、わざわざピカピカの新車に体当りする一般ドライバーがよくいました(車にぶつけられて絆創膏代わりにガムテープ貼りになった新車をよく見た)。今度のは大事にしてほしいですね。どうもこちらは運転技術が「?」なドライバーが多く(以下略)。

今月、ロシア軍が侵攻してくるのでそれを見越して女性へも兵役義務が拡大されたのですが、対象となる専門・職業の一覧を見ると、文学研究者は記載されているが言語学者はないようです。同じ文学部でも違いがあるようです。なぜ言語学者は戦時にお国のために役立たないと認定されたのか、ちょっとよくわかりません。どうしてでしょう? 本学で言語学を専門にされる皆さん、いざとなったら自分の専門を生かして人の役に立てると思いませんか?

【参考リンク】

リンクは2021年12月末日現在有効。

・新型コロナウイルス関係

オミクロン株発見のアフリカ諸国からの入国停止(2日16:06付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/2/7316040/

産業由来環境問題及び緊急事態国家委員会、リヴィウ州の「赤」区域離脱を決定(6日15:43付報道)
https://galinfo.com.ua/news/derzhavna_komisiya_teb_i_ns_vyrishyla_vyvesty_lvivshchynu_iz_chervonoi_zony_376734.html

90%以上の教師がワクチン接種完了(7日20:09付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/7/7316602/

マスクなし身分証なしのリヴィウ市民に罰金1万7千UAH(7日18:12付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/7/7316589/

「コロナウイルスの1000UAH」の受け取り方(9日14:43付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/9/7316829/

オミクロン株、ウクライナ国内で検出(18日10:20付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/18/7317859/

「赤」区域から最後の2州が離脱(28日17:28付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/28/7318837/

キーウで最初のオミクロン株検出(28日16:39付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/28/7318832/

リヴィウで最初のオミクロン株検出(29日12:06付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_vyyavyly_pershyy_vypadok_shtamu_omikron_377921.html

・戦争・軍事関係

ワシントン・ポスト、2022 年初頭のロシアのウクライナ侵攻を宣言(4日13:32付報道)
https://galinfo.com.ua/news/vydannya_washington_post_zayavylo_pro_nastup_rosii_na_ukrainu_na_pochatku_2022go_roku_376635.html

妊婦や小さい子供のいる女性も兵役義務(26日16:47付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/26/7318695/

ウクライナ軍総司令官、女性の兵役義務について語る(26日14:56付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/26/7318688/

兵役義務に対応する専門・職業のリストについて定めた法律
https://zakon.rada.gov.ua/laws/show/z1566-21#Text

・その他

10日から使い捨てポリ袋禁止(9日13:40付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/9/7316821/

「さらば、プラスチックよ」ポリ袋制限開始(10日15:32付報道)
https://www.epravda.com.ua/news/2021/12/10/680568/

リヴィウの拘置所の新デザイン。魂は何か明るいものを求めている(9日18:43付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/12/9/7316874/

リヴィウ市電、新型車両を受領(10日16:19付リヴィウ市議会プレスリリース)
https://city-adm.lviv.ua/news/city/transport/289574-lviv-otrymav-novyi-tramvai-do-kintsia-rokuelektron-maie-postavyty-shche-dva

リヴィウ、欧州投資銀行の資金で導入する市電車両を受領開始(10日14:05付プレスリリース)
https://city-adm.lviv.ua/news/city/transport/289567-lviv-otrymuie-pershi-tramvaiprydbani-za-koshty-yevropeiskoho-investytsiinoho-banku

11月 活動日誌

2021年11月30日
GJOコーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学】

リヴィウ大学は閉鎖中で、授業はすべてオンラインです。留学生向けの授業もオンラインで行われている模様です。

政府の指示により、ワクチン接種を期日までしなかった教職員は一時的に職場から排除されました。今後解雇される恐れがあると考えられています。

来月5日に久々の日本語能力試験が予定されていたため、学生たちと受験のための勉強に取り組んでいましたが、直前になって急に中止が通達されました。学生たちは落胆しました。特に、留学を考えていた学生はそのために必要なN2級の取得が不可能となったため、困っています。受け入れ先の大学によっては何らかの救済措置が取られるところもあるかと思いますが、善処されることを期待したいです。

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国516079人(先月498923人)に悪化、内リヴィウ州は26989人(先月31904人)でした。1日あたりの平均は、全国約17203人(先月約16094人)、リヴィウ州約900人(先月約1029人)になります。1日の新規感染者では、4日の27377人がこれまでで最悪の数となりましたが、その後は徐々に減少傾向にあります。状況を示す色分けでは、リヴィウ州は「赤」のままで、ショッピングセンターや飲食店、宿泊施設等の利用のためにはワクチン接種証明書、回復証明書、検査の陰性証明書のいずれから必要になっています。

状況の悪化により、シェンゲン圏の「緑」区分からウクライナは除外されました。

ワクチン接種が進んでおらず、また国民の40%程度が接種しないと言っているため、政府は接種促進に苦心している模様です。今月、ゼレンシキー大統領はワクチン接種者に1000 UAHをプレゼントすると発表しました。これは、文化活動(観劇、コンサート、書籍購入、映画鑑賞)と国内旅行に使うことができるとのことです。国民が生活必需品に宛ててしまわずに少し文化的な生活を味わえるようにという考えだと思われます。

ウクライナは隣国の問題から非常にきな臭い雰囲気に囲まれていますが、今月は燃料不足から電力が逼迫するという問題に直面しました。計画停電が始まる(一部地域で始まった)という専らの噂ですが、計画が発表されない計画停電なので、いつもの無計画停電(事故)と区別が付きません……。冬を乗り切れるのか心配です。

今月のよいニュースは、ウクライナにエア・オーシャン航空という新しい航空会社が誕生して、キーウ(キエフ)~リヴィウ間にも運航が開始されました。なんと、この世知辛い世の中、簡単な機内食も出るそうです。この新会社はウクライナで開発された新型の旅客機を運航することで注目されています。既存のモトール・シーチ航空とほぼ同じ時間に飛んでいるので、選択肢が増えたのに時間の選択肢は増えていないのが残念ですが……。モトール・シーチ航空の方は機齢50年近い機材が入ることが多いので、これからは新型のウクライナ国産機に乗るか、半世紀前のウクライナ国産機に乗るかという珍しい選択ができるようになりました。現在保有するのは2機のみですが、今後徐々に拡大するとのことです。ウクライナは19世紀のモジャイスキー飛行機以来、航空産業の発展したきた国なのですが、大統領が「国内産業を育てるため国産機を導入する」と言っていた新国営航空会社は結局エアバス機を導入するそうですし、今後どうなっていくのか注目です。

【参考リンク】

リンクは2021年11月末日現在有効。

​・新型コロナウイルス関係

リヴィウ州、アストラゼネカ4万回分を廃棄(5日15:03付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/5/7312974/

EU、ウクライナを「緑」リストから除外することを決定(5日16:09付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_yes_taky_vyrishyly_vyluchyty_ukrainu_z_zelenogo_spysku_375048.html

リヴィウ市、バーやレストランの夜間営業を禁止、お持ち帰りのみ(5日20:33付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/5/7313022/

ウクライナ、COVIDの死者記録、800人近くが死亡(6日08:16付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/6/7313056/

EU、ウクライナを「緑リスト」から除外(9日12:41付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/9/7313341/

ウクライナで期限切れのアストラゼネカ50万回分を破棄(9日17:39付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/9/7313394/

仕事かCOVID予防接種か。ウクライナ人の選択(14日05:30付報道)
https://www.pravda.com.ua/articles/2021/11/14/7313852/

保健相、ウクライナ人40%がコロナウイルス予防接種(15日16:12付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/15/7314060/

ゼレンシキー大統領、ワクチン接種者に100 UAHを約束(15日19:56付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/15/7314098/

ゼレンシキー大統領の1000 UAHは現金でなく用途も指定(16日11:41付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/16/7314152/

ウクライナの各宗派の寺院にワクチン接種所が開設(16日付報道)
https://life.pravda.com.ua/society/2021/11/16/246523/

リヴィウ市、検疫措置を強化(17日08:50付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/17/7310676/

22日からリヴィウ州の郊外交通機関の利用規則変更(21日12:58付報道)
https://galinfo.com.ua/news/z_22_lystopada_na_lvivshchyni_zminyuyutsya_pravyla_podorozhi_u_poizdah_prymiskogo_spoluchennya_375891.html

リヴィウ州政府の要請でリヴィウ州は「赤」区分に残存(25日14:25付報道)
https://galinfo.com.ua/news/na_prohannya_loda_lvivshchynu_zalyshyly_u_chervoniy_zoni_376112.html

リヴィウ市の検疫措置規制12月13日まで延長(26日17:01付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_karantynni_obmezhennya_prodovzhyly_do_13_grudnya_376192.html

ワクチン非接種者は失職。ウクライナで3千人近い学校教員が職場から排除(27日付報道)
https://www.bbc.com/ukrainian/news-59444710

オミクロン株流行地域から帰国のウクライナ人は自主隔離義務(29日14:19付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/11/29/7315604/

・その他

日本、恒常的にウクライナの軍病院を高額機器で支援(8日付報道)
https://milnavigator.com.ua/iaponiia-systematychno-dopomohaie-nashym-viiskovym-shpytaliam-dorohovartisnym-obladnanniam/

ウクライナの新航空会社エア・オーシャン航空のAn-148搭乗レポ(24日付報道)
https://www.avianews.com/passengerexperience/2021/11/24/airoceanairlines_an148_review/

10月 活動日誌

2021年10月31日
GJOコーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学】

本学からの留学生は、ようやく今月から準備課程の授業に参加ができることになりました。聞いたところでは、授業はアルファベットや発音の練習など基本のキから始まったそうです。ウクライナ語は周辺の言語と似ている部分も多いのですが、例えば同じキリル文字を使う他言語と比べてもウクライナ語でしか使われない文字があったり、本学でも専攻があるポーランド語やロシア語と比べても発音が微妙に異なったりしますので(例えば[ɪ]と[ɨ]など)、初歩は簡単なように思われますが、厳密に注意して勉強する意義はあると思います。

さて、リヴィウ大学の一般の学生生活ですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況の急速な悪化により、授業はすべてオンラインに移行しました。また、政府の指示により教職員はワクチン接種が義務化され、証明書の提出が求められるのと並行して非接種者の名簿作成が行われている模様です。接種しない場合、職場から排除され、即解雇ではないが給与は出ないとのことです。なかなか厳しいです。

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国498923(先月137083人)に悪化、内リヴィウ州は31904人(先月19380人)でした。1日あたりの平均は、全国約16094人(先月約4569)、リヴィウ州約1029人(先月646人)になります。1日の新規感染者では、29日の26870人が今月末までの全期間で最悪の数となりました。デルタ株の流行でますます悪化傾向にあり、状況を示す色分けでは、リヴィウ州は「赤」に入れられました。

状況の悪化により、EU諸国のなかではウクライナからの入域を制限する国が出てきました。

州をまたぐ移動など、長距離移動に際して、交通機関を利用する際にはワクチン接種の証明書、回復証明書、PCR検査等の陰性証明書のいずれかが求められることになりました。これに伴い、主要駅に無料のワクチン接種会場と有料の検査会場が設けられました。今のところリヴィウ市内の交通機関にはそういう制限はありませんが、キーウ(キエフ)では地下鉄の利用に同様の証明書の携行を義務付ける制限がかけられた模様です(証明書携行のチェックについては、ランダムに抜き打ち検査を実施するとのこと)。リヴィウ市内では、ショッピングセンターやレストラン、公共施設や役場、宿泊施設等の利用に同様の証明書が求められることになりました。実際には、例えばショッピングセンターの施設には入れるが証明書を提示しないとテナント内に入れてもらえない、または販売してもらえない、というような措置が取られています(対応は施設によって異なる可能性があります)。

ウクライナでは住民のワクチン接種熱がイマイチなので、政府はどうにかして接種率をあげようと考えていると思われます。施設の利用制限、職種による接種義務化もその一環であると考えられます。検査には安くても3000円前後かかりますが、ワクチン接種は無料です。聞いた話では、ワクチン反対派の人のなかでは、中国製のワクチンが人気だそうです。なんでも、予防効果も薄いが副反応も薄いらしい、ということです。ちょっとなるほどと思いました。

【参考リンク】

リンクは2021年10月末日現在有効。

​新型コロナウイルス関係

保健省、ワクチン義務化の職種を決定(7日18:21付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/7/7309744/

ワクチン義務化の職種は拡大予定(8日21:40付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/8/7309891/

21日より検疫措置の新規規制。ワクチン接種完了者は制限なし(11日17:43付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-society/3331106-kabmin-zatverdiv-novi-pravila-pasazirskih-perevezen-na-cas-karantinu.html

「赤」地域では地域間交通はワクチン接種1回のみでは利用不可(12日17:27付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/12/7310262/

リヴィウ、検疫措置を強化(17日08:50付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/17/7310676/

リヴィウ、18日より検疫措置を強化(13日16:58付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_z_18_zhovtnya_posylyat_karantyn_detali_373764.html

リヴィウ、検疫措置を強化(17日12:05付報道)
https://gazeta.ua/articles/regions/_u-lvovi-vvodyat-posilenij-karantin/1056024

政府、旅行後の自主隔離を簡略化(21日13:55付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/21/7311181/

政府、入国後の自主隔離を新方式で追跡(21日付報道)
https://www.avianews.com/travel/2021/10/21/new_vdoma_application_rules/

非接種者はご乗車になれません。駅でワクチン接種会場が稼働(21日付報道)
https://www.bbc.com/ukrainian/58993888

リヴィウでは何曜日でも接種可能。常設および仮設接種会場が稼働(21日17:39付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_mozhna_vaktsynuvatys_u_budyakyy_den_diyut_statsionarni_ta_tymchasovi_punkty_vaktsynatsii_374164.html

「どれだけばかにされなければならないのか?」COVID証明書の初検査はどう行われたか(22日07:15付報道)
https://gazeta.ua/articles/kiev-life/_skilki-terpiti-oce-unizheniye-vpershe-pereviryali-kovidsertifikati-yak-ce-bulo/1056635

ウクライナ、過去最悪の新規感染者数と死亡者数を記録(22日08:19付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/22/7311261/

リヴィウ、検疫措置違反者の摘発を開始(22日15:30付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_pochaly_karaty_porushnykiv_karantynu_hto_i_za_shcho_otrymav_na_gorihy_374253.html

教育機関、遠隔へ(22日15:09付報道)
https://galinfo.com.ua/news/ukraina_perevodyt_na_dystantsiyku_vyshi_ta_shche_nyzku_navchalnyh_zakladiv_374234.html

リヴィウ、検疫措置違反施設の閉鎖開始(22日13:44付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_pochaly_zakryvaty_zaklady_sfery_poslug_cherez_nedotrymannya_karantynnyh_vymog_374243.html

ウクライナ、新規感染者数の新記録。2万6千人以上(28日08:33付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/10/28/7311943/

9月 活動日誌

2021年9月30日
GJOコーディネーター 原 真咲

【留学生の話題】

今月から新学年が始まりました。今年度は、初めて本学から長期留学生を迎えました。期間は来夏までの10ヶ月間が予定されています。しかし、リヴィウ大学側の手続き上の事情で、実際授業を受けられるのは10月からとなってしまいました。10月から開設される新規クラスに参加することになります。

したがって今月は授業はなく、リヴィウ大学の日本語専攻の学生との交流会、また、住居探しを行いました。

今回留学される和田さんは、はじめリヴィウ大学の第8寮に入居され、リヴィウ大学の先生方の協力のもと、今後居住する部屋探しを行いました。

第8寮は近年リフォームされ、リヴィウ大学の所有する寮のなかでは最もよい設備を持つとされますが、日本の、特に本学の寮と比べるといろいろ違いがあります。では、実際どのような設備でしょうか?

幾つか仕様が異なる部屋があるそうですが、和田さんの入居した部屋について見てみましょう。

まず、廊下から鍵のかかる扉を開いて区画に入ると、さらに2部屋に分かれており、それぞれ扉がありますが各部屋の鍵は閉めないことになっています。出かけるときには鍵を寮入り口で預けます。シャワーやトイレは両部屋の入居者で共有することになっています。

部屋は個室ではありません。人数は部屋によって異なりますが、和田さんの区画では、一方の部屋はベッドが3台、もう一方は2台ありました。荷物もありますので、3人入るといささか手狭なように思います。しかし、聞いた話では昔の寮は一部屋に数十人入っていたそうなので、それと比べるとウクライナでも少人数化、延いては個室化に向かっているのかな、という感じがします。(西ヨーロッパ諸国や日本でも昔は寮といえば大人数だったように思います。)

調理設備と洗濯機は別の場所にあり、全館共用です。廊下に共用の物干し台もあるそうですが、だいたい埋まっているので、洗濯物を干すのには少々困ったそうです。結局部屋で干したそうです。

和田さんにお話を伺いましたが、部屋の人数の違いには、国民性か、文化の違いを感じたそうです。本学からロシアの大学へ留学された学生の話でも寮は複数人数だったということで、共通する感覚があるように思われた、ということでした。

これについてはウクライナの学生のあいだでも意見は分かれていて、大勢での共同生活を楽しんでいる学生もいれば、個人の時間や空間を重視してアパートを借りる学生もいます。借家に住めるかどうかは、実家の経済的事情に左右される学生も少なからずいるだろうと思います。

次に、市内の住居(賃貸物件)についてです。不動産屋を介し幾つかの物件を見学しましたが、9月はそうした借家を借りようという学生が大勢いる新年度に当たるため、お買い得感のある物件は出たと思ったら即座に売れてしまうという状態で、よい物件探しには苦労がありました。結局、予算を少し上げることでどうにか満足のいく物件を見つけることができました。

和田さんの感想をお聞きしましたが、日本の場合と比べると、空間の使い方がうまいと感じたそうです。必要な家具類が全部揃っていること、また、部屋が家具ありきでアレンジされていて、機能的であるという印象を受けたとのことです。また、中心地の建物は古く、本当に住めるのかという外観をしているのですが、中に入ると意外に綺麗で普通に住めるので、不思議な印象を受けたそうです。

それから、ウクライナではよくセントラルヒーティングが設置された住宅があるのですが、それに独特な感じを受けたそうです。同様のシステムは北海道でもあると聞きますが、北国ならではの設備ですね。ただ、今年(というか毎年ですが)ウクライナはロシアから「俺様の言うことを聞かないならガスはくれてやらない」圧力を受けているので、寒くなってもなかなか暖房が入りませんし、まだ寒くてもすぐに切られます。この点が、ちょっとでも涼しくなればすぐに暖房を入れ始めるモスクワ辺りとの大きな違いであると言えます。まあ、限りある資源の浪費と地球温暖化への貢献度という観点から言えば、モスクワが誇ることは別に何もないような気もします。しかし、「エコな」暮らしを強いられているリヴィウの方が住みやすいということも言えない、ということもまた然りです。

【今月のリヴィウ大学】

新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況の改善により、文学部では演習科目、講義科目ともに対面式で授業が開始されましたが、検疫措置の規制により、危険度が「黄」になった23日よりすべてオンラインに移行しました。今月から定められた新しい規制によれば、教職員の80%が1回または2回のワクチン接種済みの場合、対面式で授業を行うことが許可されているのですが、教員は80%を満たすが職員の接種率がそれに満たないため今のところ対面式での実施は不可とのことです。色分けが「赤」になりますと、教職員の100%が2回のワクチン接種(1回でよい種類は1回)を完了していなければ対面式は許可されないので、それはさすがに非現実的なような気がします。

これに関連し、おもしろいデータが公表されました。リヴィウの高等教育機関の教職員のワクチン接種率のデータです(文末リンク*参照)。完全な接種を完了した教職員とまったく接種していない教職員の割合を(接種xx%/非接種yy%)で示すと、以下のようになります(大学名は略称)。

1. ウセーウォロド・ラザリャーン記念ドニプロー国立鉄道輸送大学リヴィウ分校(87.10%/12.90%)
2. リヴィウ国立民間防衛大学(86.14%/13.86%)
3. リヴィウ商科法科大学(80.00%/10.00%)
4. リヴィウ国立農業大学(74.52%/19.03%)
5. イワーン・フランコー記念リヴィウ国立大学(74.34%/25.14%)
6. ウクライナ・カトリック大学(71.92%/22.31%)

9. ハーレィチのダネィーロ記念リヴィウ国立医科大学(58.52%/33.52%)

16. リヴィウ国立工科大学(47.21%/44.09%)

18. ステパーン・グジーツィケィイ記念リヴィウ国立獣医科生物工学大学(34.22%/65.40%)

医療系の大学で接種率が低いのは、何故でしょうか?

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国137083人(先月33511人)に悪化、内リヴィウ州は19380人(先月1570人)でした。1日あたりの平均は、全国約4569人(先月1081人)、リヴィウ州646人(先月約51人)になります。30日には久々に1日の新規感染者数1万人を突破し、11757人を記録しました。デルタ株の流行で悪化傾向にあり、政府が注意喚起を行っています。コロナ対策の検疫措置の違反に対する取り締まり強化について言及していますが、今のところこれまでとの変化は感じていません。病床の埋まり方などを含む感染拡大状況を示す色分けは今月まで一番程度の軽い「緑」でしたが、23日に全国一斉に「黄」になり、その後複数の州が「橙」になりました。リヴィウ州は「黄」に留まっていますが、近日中に「赤」になることが予測されています。

制度は少し変わって、ワクチン接種の証明書が2種類に分かれました。ワクチン接種が完了した場合は「緑」の証明書が取得でき、完全には終わっていない場合も「黄」の証明書が取得できるそうです。

26日には、ウクライナは1日での死者数が全ヨーロッパで第2位となりました(普段は3位くらい)。重症化する患者、死亡する高齢者の患者のほとんどがワクチン非接種者であったという報告が出されていますが、ワクチン接種は全国的にはまだ人気が低く、例えば小中高校の生徒に対して実施されたある調査(文末リンク先**)では、接種したいと回答した生徒は22%、すでに接種した生徒は回答者の2%に留まりました(なお、比較対象とされたポーランドではそれぞれ42%、22%)。別の調査(***)では、ウクライナ全体で接種完了者は18.4%(日本では49.7%)、接種希望者は25.1%(日本では28.9%)とされています。また、若い世代の方が接種希望者が高齢者より10ポイントほど多いようです。また別の調査(****)では、州中心市のうち、最も接種率の高かったのはスーメィ市とリヴィウ市で、いずれも市民の7%がすでに接種を完了したと回答しました(1回目だけと回答したのはそれぞれ30%、29%)。以下、テルノーピリ市、ポルターワ市、チェルニウツィー市、メィコラーイウ市が接種完了6%で続きます。接種完了、1回目のみ、接種を希望するという回答を合わせた場合、最もワクチン接種希望が多かったのは、リヴィウ市、ヴィーンネィツャ市、スーメィ市、ウージュホロド市、イワーノ=フランキーウシク市でした。ワクチンに対する反感が強い(あまり受けたくない、全然受けたくない)のは、マリウーポリ市(ドネーツィク州)、ドニプロー市、ザポリーッジャ市、シェヴィェロドネーツィク市(ルハーンシク州)、メィコラーイウ市でした。ところで、どういう意図か不明ですが、この調査と同時に行われた「ロシアに対する好感度」調査(*****)では、ロシアに好意的な回答が多かったのはシェヴィェロドネーツィク市、マリウーポリ市、ハールキウ市、オデーサ市、ザポリーッジャ市でした。この調査は「ロシア好きはワクチン嫌い」と言いたかったように見えますが、実際にそのような見方が(少なくともリヴィウには)あるように思われます。その見方は正当か、偏見か、もう少しきちんとした調査が必要であるとは思いますが……。なお、その調査では接種率2%に留まったキーウ(キエフ)市ですが、別の報告(******)では市が用意したワクチンの半数近くがすでに接種されたとされており、それは住民の半数に匹敵するとされています(つまり、市外から来て接種した人が多いと推定している)。いずれにせよ、ワクチンに対する考え方にも世代や地域差があるようです。

【参考リンク】

リンクは2021年9月末日現在有効。

新型コロナウイルス関係

******キーウ市民の半分がワクチン接種(7日17:46付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/7/7306367/

***過半数のウクライナ人がワクチン接種の予定なし/オレーナ・バルスコーワ(13日付報道)
https://life.pravda.com.ua/health/2021/09/13/245888/

検疫措置の新規制(14日17:32付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-society/3315613-novi-karantinni-obmezenna-u-moz-poasnili-so-zminilosa.html

「黄」と「緑」のCOVID証明書とは?/デネィース・カルローウシケィイ(14日付報道)
https://life.pravda.com.ua/health/2021/09/14/245900/

ショッピングセンターに検疫措置監視カメラ設置(14日15:19付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/14/7307114/

****COVID-19ワクチン希望者最多はリヴィウとヴィーンネィツャ、首都は遅れ(17日16:25付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/17/7307541/

*****ロシアに最も親近感があるのはマリウーポリとシェヴィェロドネーツィク(17日17:23付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/17/7307546/

**ウクライナの小中高生の大半がオンライン授業を希望/ヤーナ・オサーヂュチ(20日付報道)
https://life.pravda.com.ua/society/2021/09/20/245956/

保健省、ウクライナの重症化患者の98%がワクチン非接種者/ヤーナ・オサーヂュチ(20日付報道)
https://life.pravda.com.ua/health/2021/09/20/245955/

23日よりウクライナ全国が「黄」に(21日13:22付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/21/7307872/

リヴィウ州の小中学校85%が「遠隔」に(23日19:35付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/23/7308206/

ウクライナ、1日のコロナウイルス死者数ヨーロッパ第2位(26日06:37付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/26/7308433/

*ワクチン接種を阻害するリヴィウ州の大学はどこか(27日17:01付報道)
https://galinfo.com.ua/news/yaki_lvivski_universytety_zryvayut_vaktsynatsiyu_vid_covid19_372741.html

保健省、高齢のCOVID-19死者98%が非接種者/オレーナ・バルスコーワ(29日付報道)
https://life.pravda.com.ua/health/2021/09/29/246057/

保健相、成人70%がワクチン接種で検疫措置撤廃可能(30日15:59付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/09/30/7308953/

8月 活動日誌

2021年8月31日
GJOコーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学】

今月は夏休みです。本学から久々の留学生が来て、来月から大学へ登校する予定です。昨年は新型コロナウイルス感染症のため、留学生は来ませんでした。

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国33511人(先月17689人)で7月並みに悪化、内リヴィウ州は1570人(先月739人)でこちらも7月並みでした。1日あたりの平均は、全国1081人(先月約590人)、リヴィウ州約51人(先月約25人)になります。緩やかに悪化傾向にあり、政府が注意喚起を行っています。最悪の場合8月半ば頃に次のピークが来るという予測は覆されましたが、現在のペースですと11月にロックダウンの可能性があるので気を引き締めるよう呼び掛けています。うまくいけば12月以降、あるいはロックダウンはまったくなしという可能性もあるとしています。デルタ株の感染拡大が気になるところです。

政府は夏のあいだに500万人のワクチン接種を目指していましたが、400万人程を達成したとのことです。今後、ロックダウンの際にはワクチン接種者への優遇措置を検討しているそうです。ワクチン接種を促す政策をいろいろと講じていますが、接種したくない人、健康上の理由等で接種できない人もいますので、社会全体で有効な割合に達するまでには長い道のりが待っているように思われます。今月はリヴィウやキーウ(キエフ)の空港にも接種所が設置されました(しかし、利用方法がイマイチよくわかりません……)。

ウクライナで発行されるワクチン接種証明書はヨーロッパ諸国で承認されました。また、感染症拡大状況の改善に伴い、ヨーロッパ諸国は次々にウクライナからの渡航を認可するようになりました(認可条件は国によって異なる)。

検疫措置は10月1日まで延長されました。

【その他の話題】

ウクライナは今年8月24日に独立30周年を迎えました。首都キーウ(キエフ)でのパレード(18、20、22日には道路を封鎖して予行を実施)をはじめ、各地でイベントが開催されました(見学したかったのですが、新型コロナウイルス感染症の懸念から、群衆が密集して集結する大規模イベントへの参加は見送りました)。

この節目に伴い実施された住民意識調査では様々な項目が調査されましたが、例えばウクライナ住民の26%が自らをヨーロッパ人と感じている、76%が幸福だと感じているという結果が示されました。また、成功者の定義としては、回答者の52%が「きちんとした給料の職を持つこと」、47%が「好きなことに取り組むこと」を上げています(複数回答)。以下、「起業」、「代議士になる」、「新興財閥になる」、「よい人間関係」、「IT専門家になる」、「役人になる」、「有名人になる」、「法執行機関職員になる」が続き(17%~6%)、ウクライナ住民の意識における職業・個人的経済状況や社会的地位に対する関心の高さが伺われる結果になっていると思います。

23日にはロシア連邦による違法なクリミア併合問題を話し合う「クリミア・プラットフォーム」が開催され、日本を含む44カ国と組織が参加しました。

東京オリンピック・パラリンピックはこちらにおりますとまったく他人事のうちに過ぎ去ってしまいましたが、日本でもウクライナの選手の活躍も報道されたことと思います。本国ではウクライナ戦手団は概ね好成績をおさめたと評価されましたが、一方で政治家などいわゆる「大会関係者」が渡航するために選手がコーチを連れて行けなかったという問題が指摘されました。

【参考リンク】

リンクは2021年8月末日現在有効。

新型コロナウイルス関係

外国人のウクライナ入国方法が変更(18日19:02付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/18/7304275/

キーウ空港でワクチン接種所開設(6日22:50付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/6/7303045/

リヴィウ空港、新たなワクチン接種センターになる(5日付市議会広報)
https://loda.gov.ua/news?id=61064

検疫措置を10月まで延長(11日13:11付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/11/7303464/

ヨーロッパのCOVIDマップは暗いまま、「緑」はほぼウクライナの隣国だけ(19日20:03付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/19/7304401/

ウクライナ全地域が「緑」区分(23日13:02付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-society/3302725-usi-regioni-ukraini-perebuvaut-u-zelenij-zoni.html

保健省、11月にロックダウン導入の可能性(26日18:15付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/26/7305117/

リャシュコー保健相、ロックダウン時にワクチン接種者に特権を予告(25日13:21付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/25/7304938/

検疫措置の制限はワクチン未接種者に対してのみ、専門家が政府にロックダウンのコンセプトを提言(21日18:00付報道)
https://www.epravda.com.ua/news/2021/08/21/677121/

オリンピック関係

ウクライナの五輪結果、スポーツ相メイントレーナーの交代を予告(9日09:58付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/9/7303194/

五輪へ渡航したスポーツ関係者の一覧(10日14:50付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/10/7303363/

政治関係

44カ国と機関、クレーバ外相「クリミア・プラットフォーム」参加者の一覧を公表(19日10:24付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/19/7304328/

ウクライナ ロシアが併合のクリミア返還目指し 初の国際会議 2021年8月24日 4時32分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210824/k10013219731000.html

独立30周年関係

独立記念日にはフレシュチャーティク上空を「ムリーヤ」が飛行(20日09:20付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/20/7304433/

ウクライナ住民の26%がヨーロッパ人、21%がソ連人と自認(19日12:26付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/08/19/7304345/

ヤーナ・オサーヂュチャ「ウクライナ人の76%が幸福」(19日付報道)
https://life.pravda.com.ua/society/2021/08/19/245662/

7月 活動日誌

2021年7月31日
GJOコーディネーター 原 真咲

【ウクライナでのワクチン接種を受けてみた】

今月は夏休みで大学の話題がありませんので、別の話題を。

最近、リヴィウ市でも一般向け(職種や既往症などの区分によらない)ワクチン接種が開始されました。病院の医師の話では外国人でも受けられるとのことでしたので、行ってみました。

今、一般向けに接種が行われているワクチンはモデルナ製のワクチンとCoronaVacです。モデルナはアメリカ合衆国から提供されたものであると報告されています。個人的に中国製ワクチンの接種には食欲が沸きませんでしたので、モデルナに申し込んでみました(接種日直前に自衛隊の調べでモデルナの接種者75%に強い副反応というNHKの報道を見て「あら~」と思いましたが)。

申込みはhttps://helsi.me/というサイトで行います。これは、普段から病院の予約に利用されているサービスです。公立の病院は、契約している主治医(家庭医と呼ばれる)の診察後、このサイトを通じて自分のオンライン予約ができます。患者の情報もオンラインで管理されています。ウクライナは進んでいますね。以前行われていた(今も進行中だと思いますが)医療改革の成果だと思います。ワクチン接種も、このシステムの機能を利用して予約が行われています。ただ、日本と比べて実施日時や手順に関する自治体等からの告知は消極的であるように思いました(例えば、接種が始まったのはわかるが、来週もあるのかわからない)。

ショッピングセンターや何かの会館のような場所が会場に指定されており、今回選んだ会場は映画館でした。

さて当日です。会場の入口は出入りが制限されております。中で待っている人の状況に応じて係員(一人でやっている)によって扉が開かれ、適当な人数だけ入場が許されるという方法を取っていました。したがって、建物の外、特に入口付近は人だかりができています。ワクチン接種の基本はネット予約で(当日飛び入りも認められてはいるように思いましたが、正確には未確認です)、予約は比較的簡単にできるのですが、実際には予約時間に接種を受けられるわけではありませんでした。ただ、この時間枠がないと希望者全員が接種開始時刻に殺到することになるので、やはり時間分けは必要だったでしょう。ただ、みんな自分が予約した時間に入れると思っているところに全然入れてもらえないので、不満や混乱の原因になっているようでした。

驚いたのは待っている人たちの状態で、密集しているだろうことは予想できていたのですが、なぜかものすごいハイテンションになってわめきあっています。なにも喧嘩をしているのではありません(ごく少数はいましたが)。ただハイテンションなのです。何を舞い上がっているのか面食らいましたが、話はいろいろで、モデルナはどこ製か、CoronaVacは中国製か韓国製かで盛り上がっていたり(韓国に軍配が上がりました。Sinovacが中国製なので、CoronaVacは韓国製だとのこと)、自分は17時15分の予約だ! (だからそれ以降の予約の人がまだ入れていないのは心配無用だ、という意味。参考になります)と言っていたり、ワクチンの質が悪いという「裏情報」を暴露していたり(その情報を掴みながら今日接種に来たあなたは勇気がある)、先週の日曜は4班あるはずなのに1班しか動いていなかった、だからこんなに待たされるのだ、とさも見てきたように話していたり(まさかの毎週接種に通うリピーターでしょうか)、自分は朝から待ってると主張していたり(接種は午後3時からで予約制だったのですが……)、ほかにもいろいろありましたが、遺憾ながら全部は聴解できませんでした(わめく外国語の聴解は難しい)。多くの人はマスクをしていましたが(でも距離近い)、してない人も一部いました。ただ、現在のウクライナの規制では屋内・車内は着用義務がありますが屋外はなく、距離などの規制もほぼ撤廃されていますので、特に法的な問題はないと思います。もしもっと規制が厳しかったときに接種が実施されていたら、現場ももっと違う管理が行われていたかもしれません。

まあ、普通にぼんやり待っていますとそのうち入れてもらえますので、中に入ります。階段を上がって2階のフロアに行きますと、もうまるで様子が違います。人々は静かに列に並んで待っています。硝子の向こうのフロアでは、医師4名がそれぞれ接種希望者に面談し(そして必要な情報をコンピュータに入力し)、その後ろの衝立の裏で接種が行われています(衝立があるので医師と面談中の人からは接種中の人の様子が見えなくなっているのですが、硝子のこっち側の列の方からは丸見えなんですね。まあ、見えても通常はどうということもないのですが)。接種後は、面談スペースの奥でしばらく待つことになっているようです。

外と中の様子の劇的な違いは、現場の様子が見えるか否かにあると思いました。外では、中の様子がまったくわかりませんし(経験者はいたとしてもそのリピーター?の人くらいでしょう)、予約時間も守られていなくて、自分は本当に接種してもらえるのかという不安を抱いたり、自分よりあとの人に追い越されたんじゃないかと疑心暗鬼に妬む気持ちが生じたりします。そして、待っている人それぞれの不安が互いに共鳴して、全体的に漠然とした不安感に包まれることになります。一方、中に入れば全部一目瞭然ですので、人々は心安んじて整然と列に並びます。状況が見えるかどうかが人の心理状態に与える影響が如実に見て取れました。

さて、階段を上がったすぐのところのフロアでは質問票に記入し、列に並びます。質問票というのは、普通予防接種を受ける際に記入する一般的なもので、氏名住所、今日の体調だとか、既往症、アレルギーについてなどの項目を書かされます。扉を開けてもらって2番目に会場に入ったのですが、ウクライナ語を読むのが遅かったので、記入を終えて列に並んだときにはほとんど最後の方になってしまいました。その後、自分の番が来たら硝子の向こうに行って医師の面談になります。面談を行っている医師は親切です。

で、結論から言いますと、予防接種を受けることができませんでした! 納税者番号(IPN)というものがないと受けられないそうです(正確には、受けることはできても受けたという証明書の発行ができない)。面談したお医者さんの話では、医師たちは納税者番号をワクチン接種の条件にする今の制度に反対しているそうですが、当面この制度だそうです。

納税者番号というのは、日本のマイナンバーのようなものだと理解してよいと思います。日本でも国民を管理するためのマイナンバー制度に対する反感を持つ人が少なくありませんが、ウクライナでもそうで、そこに来てワクチン接種の資格に納税者番号の取得を紐付けるやり方に対する疑問が持たれているようです。

というわけで単にウクライナの人間観察をしてきただけになってしまいまいたが、ウクライナにおけるワクチン接種の様子の報告でした。

日本ではどうでしょうか。

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国17689人(先月32602人)、内リヴィウ州は739人(先月1520人)でした。1日あたりの平均は、全国約590人(先月約1087人)、リヴィウ州約25人(先月約51人)になります。実際には自覚症状があっても検診を受けない人、感染しても自覚症状がない人が大勢いると見られますが、それでも大幅に減ったことは間違いないでしょう。

今度はデルタ株の流行が懸念され、リヴィウ州でもすでに感染例が出ていますので、注意が呼び掛けられています。まだ増え方は急激ではありませんが、今後8月半ば頃に次のピークが来るという予測も出されています。

国会の発表では、調査の結果、ウクライナ住民の3分の1が新型コロナウイルスに対する抗体を持っているとのことでした。知らぬ内に感染していた人が多いと見られるとのことです。

また、8月5日からウクライナへの入国方法が変更され、検査や規制が強化されると発表されました(ワクチン接種完了者には影響なし)。まあ、日本に比べればほとんど何もないに等しいですが。

【その他の話題】

ウクライナとロシア連邦の対立が続いていますが、毎年行われている国際的な軍事演習「シーブリーズ」が今年も実施されました。今年は過去最大の参加国数を記録し、日本からも初めて参加がありました(海上自衛隊から1等海佐1名がオブザーバー参加)。

こうした国際協調に対抗して、ロシア大統領はロシア人とウクライナ人は元々一つの民族であり別れるべきでないということを謳ったウクライナ語の文書を発表しました。内容的にはソ連時代の公式見解がそのまま書かれているので、多分ロシアとかウクライナとかの歴史に興味のある人ならば誰でも聞いたことのある話でしょう(ちなみに、この《神話》の元ネタを創作したのはウクライナ人なのでどうにもまた《自滅ネタ》くさいのですが)。また、ロシア大統領によると、今日あるウクライナ国家を創設したのはボリシェヴィキ(20世紀前半ロシアに発生した共産主義の革命家グループ)だそうです。この話を見て、もう一昔近く前になりますが、東京外大のロシア人講師も授業中に似たような話をしていたな、と思い出しました。

歴史はきちんと考えて勉強しないと、順序が逆になったりアナクロニズムに陥ったりファンタジーの領域に踏み込んでしまったりしがちなので、注意が必要ですね。

ウクライナ大統領は、ロシア大統領はウクライナ語を勉強する時間があって羨ましいとするコメントを出しました。また、ウクライナ語の普及に成功したとも述べました。

東京オリンピックが始まりましたが、その公式サイトでクリミアをウクライナから分離した地図が用いられていることをウクライナ外務省が指摘しました。すぐに地図は削除されました。東京オリンピックとウクライナなんて、ウクライナから選手が参加する以外に何も関係がないように思えましたが、オリンピック組織、延いてはスポーツ業界におけるロシアの影響力の強さが伺えました。ちなみに、ウクライナの選手団は変更がなければ日野市に来ているはずです(記念切手も発行されていますね)。

【参考リンク】

リンクは2021年7月末日現在有効。

・新型コロナウイルス関係

ウクライナ入国方法が8月5日から変更
https://www.avianews.com/travel/2021/07/30/entry_to_ukraine_rules_for_citizens_foreigners_from_5th_august2021/

ウクライナ人の3分の1がコロナウイルスの抗体を保有(6日23:51付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-society/3276285-tretina-ukrainciv-maut-antitila-do-koronavirusu-raduckij.html

ウクライナで「デルタ」株の感染者が増加(10日18:43付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/07/10/7300129/

EU,ウクライナを緑区分へ(14日付報道)
https://www.bbc.com/ukrainian/news-57828057

ヨーロッパ連合、ウクライナからの自由な入域再開を決定(15日19:25付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/07/15/7300668/

保健省、国際COVID証明書の家庭医を通じた取得方法を説明(24日19:55付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_moz_poyasnyly_yak_otrymaty_mizhnarodne_covidsvidotstvo_u_simeynogo_likarya_368626.html

リヴィウ州で「デルタ」株感染3例を各人(24日14:35付報道)
https://galinfo.com.ua/news/na_lvivshchyni_pidtverdyly_3_vypadky_zahvoryuvannya_koronavirusom_delta_368624.html

・その他の話題

ゼレンシキー大統領、「シーブリーズ」はウクライナが一人でロシア連邦の侵略に対峙しなければならないわけではないことのシグナルだ(4日16:06付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/07/4/7299385/

防衛省・自衛隊:防衛大臣記者会見|令和3年7月2日(金)11:06~11:20
https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2021/0702a.html

プーチン、「ロシア人とウクライナ人の一体性に関する」ウクライナ語の文書を公表(12日17:18付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/07/12/7300282/

プーチンにとっての現実のなかでは独立ウクライナを創設したのはボリシェヴィキ(12日18:31付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/07/12/7300293/

オリンピック競技サイトでクリミアがウクライナから分離(22日16:54付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/07/22/7301385/

6月 活動日誌

2021年6月30日
GJOコーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学と巷の話題】

今月は本格的に試験期間となり、それが終了次第、夏休みとなります。GJOでは試験は行っておりませんので、今月は試験で忙しい学生たちとの直接的な交流が途絶えます。

突然夏めいてきて、最高気温が30度前後にまで上がる日も出てきました。ところで、「標準時」の関係だと思いますが、リヴィウでは1日の最高気温が出る時刻が東京と異なり、16~17時頃のようです。ちなみに、首都キーウ(キエフ)ですと15~16時頃のようです。ヨーロッパ諸国を見ますと、このように最高気温に達する時刻が夕方の国が散見されます。なるほど、こういう国だと夏時間(1時間早くなる)を導入して暑くなりきる前に活動を終えてしまおうという考えが成り立つのかな、と思いました(尤も、そもそも営業開始時刻が遅い職場が少なくないので、社会全体の時刻を早めさせる前に自分の始業時刻を早めれば?という気がしないでもない)。いずれにせよ、午前7時には30度を突破してしまうような国ではこのような効果は期待しようがありません。

夏時間にはウクライナでは別の事情もあります。夏時間は親ロシア的な人たちに人気があると言われます。なぜなら、ウクライナで夏時間になるとモスクワ時間と同時刻になるからです。冬時間はずれます。国会で毎年のように沸き起こる夏時間廃止論は、いつも「今年は継続」の結論になります。

どうもこの数年、リヴィウの夏場の気候は危険なものとなっています。気候変動で日本のような集中豪雨が頻発し、その度に家が水に浸かったり、木が倒れたり、停電が発生したりしています。停電は本当に毎回起こります。ですが、天気がよくても停電します。平然と1日電気を供給しません。そして、バチバチバチバチ通電したり停電したりするので、電子機器を破壊してくれます。ウクライナではサービスを提供する側がエラいので、水や電気はしょっちゅう突然「計画的に」供給が停止されます。

温暖化はウクライナに亜熱帯の気候と砂漠化をもたらすとされています。今でもウクライナ南部にはヨーロッパ唯一の砂漠(砂丘?)が存在しますが、そこだけなら観光名所ですが、全国がそのようになっては困ります。リヴィウ市内の公園や森にはたくさんのリスが住んでいますが、温暖化の結果ウクライナのキタリスは絶滅するそうです。

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

先月末日から今月末日の感染者数の増加は全国32602人(先月132957人)、内リヴィウ州は1520人(先月163396人)。1日あたりの平均は、全国約1087人(先月約4289人)、リヴィウ州約51人(先月約204人)になります。今月の1日の最大感染者数は全国で2581人(3日)、最小感染者数は182人(29日)。数値から明らかなように、ひところ2万人を超えていた1日の感染者数は大幅に減っています。このため、政府は室内・車内でのマスク着用義務以外、日常的に存在を実感する規制はそのほとんどを撤廃しました(厳密な規則は広報でご確認下さい)。

但し、この状況が続いたとしても、来学期からは全授業対面式に移行、ということにはならないようです。

数値の改善がちょうど夏休みに当たる時期になったこともあり、社会的にはコロナ禍はもう済んだことにしようという雰囲気が広まっています。今、町中で見られる風景は、2019年までの夏とあまり変わらないと思います。鉄道の切符の売れ行きを見ますと、昨年は座席の半分しか販売が許可されていなかったときでも空席が目立っていたのに対し、今は19年までの夏と変わらない売れ行き(売れ切れが多い)になっていると思います(但し、運行本数の増減については把握していません。繁忙期のために季節列車や臨時列車が大幅に増発されていますが、それでも本来走っているべき定期列車が走ってなかったりもします。また、コロナ禍で昨年全列車が運休となったのを契機に、採算の取れていなかった路線はそのまま運休や減便体制が継続されていたりします)。リヴィウ市内の交通機関は混雑が激しく、また渋滞も多いです。これも昨年と違います。

ウクライナへの入国方法が変更になり、まず、ワクチン接種者(2回完了)は陰性検査の提示が不要になりました。その後、ウクライナ国民に対してのみ大幅に緩和されました。ウクライナ国民は陰性検査が不要となり、要求されるのは外国人だけとなりました。ウクライナにこれほどウイルスを持ち込んだのは哀れなウクライナ国民ではなく、厚かましい外国人であった、ということが明らかになったのかもしれませんが、データが開示されていないのでわかりません。

また、これまで禁止されていたインドからウクライナへの渡航も許可されました。皮肉なことに、この規制撤廃後すぐにデルタ株の患者がウクライナ国内で確認されたと報じられました(但し、持ち込んだのはインドではなくロシア連邦からの帰国者とのことです)。

新しい変異株が広まらなければ感染爆発は避けられるのかもしれませんが、これから夏休みで人の移動が大幅に増えるため、それが原因で全国にウイルスが蔓延した昨年の失敗が再現されないか注意が必要です。

【参考リンク】

リンクは2021年6月末日現在有効。

ウクライナでは80年後に野生のリスが絶滅する可能性(10付報道)
https://www.bbc.com/ukrainian/news-57415273

国会議員にはファイザー、有権者には***(15日13:24付報道)
https://galinfo.com.ua/news/nardepam__pfizer_elektoratu___366052.html

政府、帰国するウクライナ人にテストを廃止(16日15:51付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/06/16/7297468/

最も危険な変異株の一つ、すでにウクライナに。ロシアからの帰国者2名が感染(23日17:20付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/06/23/7298205/

ウクライナ全国が「緑」区分に(28日13:24付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/06/28/7298686/

リヴィウでウクライナ国家再興宣言80周年が祝われる(30日22:51付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_vidznachyly_80tu_richnytsyu_progoloshennya_aktu_vidnovlennya_ukrainskoi_derzhavnosti_367022.html

5月 活動日誌

2021年5月31日
GJOコーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学】

感染症を巡る状況は改善傾向にありますが、今月も引き続き閉鎖中で授業は原則遠隔となっています。徐々に試験が始まりました。6月はいろいろな試験があり、夏休みを迎えます。

【今月の話題】

今年は寒くて、5月でも暖房が必要なほどですが、公共の福祉と人民の正義を代表する暖房管理当局はセントラルヒーティング(日本語訳すると「全体主義暖房」ですよね? あ、誤訳ですか?)を切りました。ウクライナでは「今日寒い暑いか」は個々人が自分の感覚で決めるのではなく、いわゆる当局の決定により決まります。したがって、「今年は寒くて、5月でも暖房が必要なほどですが」は非科学的な間違いで、全人民の利益に反する個人主義者の偏った考えと自己批判しなければなりません。申し訳ございませんでした。

降って湧いたリヴィウ市の公共交通機関の運賃値上げが、ようやく本決まりとなりました。しかし、決定後も各種料金がすんなり決まらず、ゴタゴタした印象を受けました。値上げは仕方がないとして、きちんとした運行をしてほしいですね。時刻表もなく大変行き当たりばったりで、何台も固まって走ったり、そのため全然次のが来なかったり、かなり出鱈目な運行をしていますので。そもそも路線によっては利用不可能なほど運行台数が少なかったりします。時刻表もないのに、数十分に1本来るかもしれないし来ないかもしれないバスや電車に、どうやって自分の予定を合わせて乗ったらよいのか、未だに不思議です。

ウクライナで最も多くの信者のいるキリスト教の東方教会の用いるカレンダーでは今年は復活祭(ウクライナ語ではВеликдень、つまり「大いなる日」と言います)が遅く、5月2日が祝日でした。多くの年においては復活祭が4月にあり、5月のほかの祝日と合わせて春はなんとなくお休み、お祭りの気分になりますが、今年は祝日が短期間に集中したため、その気分もコンパクトだったような気がします。

ウクライナに対するロシアの挑戦は続いていて、ウクライナの東部国境付近にはまだ相当数の兵力が駐留しているとウクライナ側は発表しました。アメリア沿岸警備隊のカッター(巡視船)がオデーサを親善訪問し、ウクライナ国家国境庁海上警備隊と共同訓練を行いましたが、これに対してロシアは黒海艦隊の哨戒艦や連邦保安庁国境局沿岸警備隊の国境警備艦を派遣し、演習を妨害したと報じられました。

また、日本でも報じられていますが、ロシアと密接な協力関係にあるベラルーシがライアンエアの旅客機を強制着陸させ、乗客の一部を拘束したことに関係し、ウクライナもベラヴィア等ベラルーシの航空機のウクライナ領空通過を禁止しました。また、これまでロシアとの紛争の協議場所としてミンスクが選ばれてきましたが、その場所として不適切であるという意見をウクライナ側代表団の団長が出しています。

ウクライナのゼレンシキー大統領は、ロシアのプーチン大統領と親密な関係(代父)にあるウクライナの政治家で新興財閥のヴィークトル・メドヴェヂチューク氏を捜査し、また、新興財閥を規制する法案を提出しました。新興財閥のなかには不正な方法で経済活動を行ったり、ロシアと経済的・軍事的繋がりの強い反ウクライナ的な人物や組織が多いと見られており、大統領はこの問題に着手しました。

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

今月20日付で保健相が交代しました。新しい大臣は、これまでコロナ禍対策の指揮をとってきたヴィークトル・リャシュコー医師です。

4月末日から5月末日の感染者数の増加は全国132957人(先月470872人)、内6339人(先月25896人)でした。1日あたりの平均は、全国約4289人(先月約15696人)、リヴィウ州約204人(先月約863人)になります。今月の1日の最大感染者数は全国で8549人(1日)、最小感染者数は1022人(31日)でした。全国的に、検疫措置の危険度を表す色分けが下から2番目の「黄」に改善しました。

ただ、1日数千人(人口は日本の首都圏と大体同じ)の感染者を出している状況ですので、日本の感覚だと依然として全然よろしくない状況だと思います。しかし、こちらではコロナ禍はもう済んだ、もう大丈夫、楽しい夏休み、という雰囲気が社会に充満しているように感じます。路線バスも満員ですし、人出は多く、人々の警戒心が劇的に薄れていることを感じさせます。最近用があって普段行かない中心部に行くことがあったのですが、マスクをしない児童の団体(遠足か社会科見学)が密閉した観光車両に乗り込んでいて、まあ楽しいかもしれませんが、学校は一体どういう教育をしているのだろうと思いました。

一方で、野外でもマスクをしている人はいて、その割合は去年の今頃よりやや多いように思われます。人により気持ちの持ち方に差が現れてきているようです。

去年の今頃流行っていたマスクの様々な着用方法は淘汰され、一世を風靡した顎マスクや喉マスクの時代は去ったようです。今やそれらは少数派となり、多くの場合は普通に着用するか、美しい鼻を見せて着用するか、何も着用しないかの3種類が主流となりました。

今後の感染爆発は人々の意思以上に変異株の流入如何に大きく左右されると思いますが(インド株はまだ入ってきていないようです)、あまりひどい時代にならないことを祈るよりほかにありません。ワクチン接種の進捗具合は日本と同程度(人口比)のようです。

【参考リンク】

リンクは2021年5月末日現在有効。

・新型コロナウイルス関係

ステパーノウ保健相、復活祭の安全な祝い方を助言(2日14:07付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/2/7292294/

復活祭の礼拝、モスクワ総主教庁はマスクなし、ウクライナ正教会はマスク(2日20:31付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/2/7292310/

ウクライナでは感染症状況改善、「橙」と「赤」は消滅(13日11:57付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/13/7293364/

ウクライナ、欧州における新型コロナウイルス感染症死者数第10位(13日06:38付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/13/7293325/

黒海、新保健相にリャシュコー指名(20日11:01付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/20/7294181/

・政治関係

オランダ海軍フリゲート「エヴァーツェン」、イギリス艦と黒海へ(5日報道)
https://milnavigator.com.ua/40-raketnyi-niderlandskyi-hnlms-evertsen-prybude-u-chorne-more-razom-z-brytantsiamy/

ロシア連邦艦艇、オデーサ沖で米宇合同海上訓練を妨害(9日10:56付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/9/7292927/

ロシア艦艇、宇米軍事演習を妨害(9日13:28付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-ato/3242412-rosijski-korabli-namagalisa-zavaditi-vijskovim-navcannam-ukraini-ta-ssa.html

国家国境庁海上警備隊旗艦、アメリカ沿岸警備隊カッター「ハミルトン」を出迎え(9日08:01広報)
https://dpsu.gov.ua/ua/news/Randevu-ne-dlya-dvoh-Flagman-Morskoi-ohoroni-Derzhprikordonsluzhbi-zustriv-korabel-Beregovoi-ohoroni-SSHA-HAMILTON-/

「一緒ならもっと強い」アメリカ沿岸警備隊カッター、オデーサ入港(10日20:10付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/10/7293013/

宇米艦艇、オデーサ沖で演習実施(10日11:33付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-ato/3242677-korabli-ukraini-i-ssa-proveli-navcanna-poblizu-odesi.html

ゼレンシキー大統領「ウクライナの戦略はEUとNATO入り」(11日12:40付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/11/7293083/

ウクライナ国家安全保障・国防会議、ウクライナの新興財閥13人を指名(11日12:38報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/11/7293080/

「ロシアはウクライナ国境沿いの兵力を削減せず」ゼレンシキー大統領(11日11:49付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/11/7293068/

ゼレンシキー大統領、「メドヴェヂチューク時代」の終焉を宣言し、終結し難い時代を言明(20日12:42付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/20/7294203/

リヴィウ市公共交通機関の値上げが正式に決定(21日11:34付報道)
https://galinfo.com.ua/news/u_lvovi_ofitsiyno_pidvyshchyly_tsinu_na_proizd_u_gromadskomu_transporti_364475.html

新興財閥のコロモーイシケィイ氏「《新興財閥》という用語は《人民の敵》に酷似(26日17:53付報道)
https://www.ukrinform.ua/rubric-polytics/3253289-kolomojskij-termin-oligarh-a-pririvnuu-do-terminu-vorog-narodu.html

ゼレンシキー大統領の新興財閥法案の詳細が報じられる(27日14:26付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/27/7295082/

クラウチューク代表「ミンスクはドンバスに関する話し合いの場になり得ない(27日11:43付報道)
https://www.pravda.com.ua/news/2021/05/27/7295049/

4月 活動日誌

2021年4月30日
GJOコーディネーター 原 真咲

【今月のリヴィウ大学】

今年は寒いのですが、月末にかけて木々がほんのりと芽吹いて徐々に春めいてきました。東京の2、3月頃の感じがします。

今月も引き続き閉鎖中です。授業は原則すべてオンラインで実施されています。

ウクライナでは教員もワクチン接種の資格があるため、リヴィウ大学でも希望者への接種が始まりました(アストラゼネカ製)。学部名のアルファベット順で行われたようなのですが、а, б, в, гの地理学部(Географічний факультет)辺りでワクチンが尽きたらしく、希望者僅少であったにも拘らず、文学部までは到底回ってきませんでした(文学部はウクライナ語でФілологічний факультет、アルファベット33文字中25番目)。一方、報道によるとすでに2回目の接種が開始されたとのことですので、ワクチン配分に偏りがあるのでしょうか。また、どういう資格か存じませんが、滞在する外国人に対する接種も行われているとのことです。

さて、文学部にワクチンが回ってくるのはいつでしょう?(ちなみに、日本語専攻はЯпонська моваで、Яはアルファベット順で最後の文字です!)

【新型コロナウイルス感染症拡大状況】

3月末日から4月末日の感染者数の増加は全国470872人(3月326319人)、内リヴィウ州は25896人(3月24752人)でした。1日あたりの平均は、全国約15696人(3月約10526人)、リヴィウ州約863人(794人)になります。今月の1日の最大感染者数は全国で20341人(3日)、最小感染者数は5062人(26日)でした。

リヴィウ市は検疫措置の「赤」区分に入っていましたが、病床等の状況の改善から26日から「黄」区分に変更されました。これに伴い、レストラン等飲食店の店内営業、基本的にすべての業種の店舗の営業が認められるなど、すぐに市民生活に変化が見られました。

交通機関は許可証が要求されたキーウ市と異なり、リヴィウでは「赤」区分の時期にも普通に乗車ができました。ただ、時間帯や路線によると思いますが、普段より利用者は減っていたと思います。また、駅前に行きますと、通常は夜行列車(ウクライナ鉄道は夜行が旅客輸送の主力である)の多く発着する夕方以降の時間帯も人通りが少なく閑散としており、人々が移動を自粛している様子が伺えました。

3月末にウクライナは日本政府の定める「変異株の流行している国」に区分されました。渡航の中止が強く呼び掛けられているとともに、渡航した場合日本への帰国時には検疫所による3日間の隔離や位置情報の追跡等、最も厳しい規制が課されます。渡航を考えている人がいれば、再考した方がよいでしょう。

【「演習」に励むロシア連邦軍】

今月はロシア軍がロシア連邦とウクライナとの国境付近および一時的に占領しているクリミア半島に通常より大規模な兵力を集中し、欧米を中心に大変な物議を醸しました。集結したロシア軍の規模は兵員数、揚陸艦艇の隻数(大型揚陸艦6隻、揚陸艇6隻)などから侵攻を開始するには不十分な規模のものであると分析されたものの、敵地への先陣を切ることを任務としている空挺軍や、射程400キロメートルとされる短距離弾道弾9K720「イスカンデール」(ロシア軍の分類では作戦戦術ミサイル複合)を配備するなど、危機感を煽るものでした。ウクライナ政府はロシアによる軍事侵攻の準備であるとして批難し、挑発行動を中止するよう要求するとともに、友好国へ支援を求めました。これに応じて、EU諸国、イギリス、アメリカ合衆国、日本などがウクライナを支持し、ロシア軍の行動を批判する声明を発表しました。14日には菅首相とゼレンスキー、ウクライナ大統領との電話会談が行われましたが、このような事例はかなり珍しいことではないかと思われ、事態を巡る緊張感が伝わってきました。ロシア海軍が黒海方面に通常駐留する黒海艦隊に加え北方艦隊やバルト艦隊、カスピ海小艦隊から艦艇を増派したため、NATOが警戒するとともに、イギリス海軍は駆逐艦とフリゲートを黒海へ派遣すると発表しました。一方、アメリカ合衆国は事態のエスカレートを避けるため、以前から本件とは無関係に予定されていた駆逐艦の派遣を中止し、代わりに沿岸警備隊のカッター(巡視船)を黒海へ派遣すると発表しました。ウクライナ軍も、クリミア方面へ部隊を移動して演習を実施した模様です。ロシア政府はNATOの言動を批判し、自軍の演習を「侵略」と看做さないよう要求しました。また、ウクライナが世界各地でテロを計画しており、ロシアへの侵攻を準備していると発表しました。その後、ロシア軍は演習の完了とクリミアに集結した部隊の撤収を開始したと宣言しましたが、ウクライナ政府によるとウクライナの東部国境にはまだ大規模な軍部隊が残存していると発表しています。

【参考リンク】

リンクは2021年4月末日現在有効。

〇新型コロナウイルス関係

変異株のためウクライナさらなる試練(2日16:25付報道)

新規感染者数20341人を記録(3日11:49付報道)

ウクライナ、ファイザーと1千万回分のワクチンを契約(6日19:25付報道)

残る「黄」区分は2州(10日11:45付報道)

カテレィーナ・ホロシュチャーク「中国製ワクチンCoronaVacの接種開始。これについて知られていること(13日付報道)

ウクライナ、第三波を脱却、状況は沈静化へ(13日10:33付報道)

COVAXからファイザー製ワクチン「Comirnaty」到着(16日11:22付報道)

リヴィウ、強化検疫措置を2周間延長、但し緩和あり(16日20:00付報道)

メルケル、マクロン、ゼレンスキー、ロシアへウクライナからの軍撤退を呼び掛け(16日19:52付報道)

検疫措置は6月30日以降も継続の可能性(23日11:40付報道)

アストラゼネカ製ワクチンの第2陣、ウクライナへ到着(23日09:19付報道)

リヴィウ州、26日から「黄」区分へ(25日18:02付報道)

リヴィウ、「黄」区分へ。新しい規則(26日12:38付報道)

エピファーニイ府主教、検疫措置下における復活祭の教会の活動について語る(25日09:31付報道)

アストラゼネカ製ワクチン、2回目の接種開始(27日11:04付報道)

復活祭後、リヴィウの公共交通機関の運賃値上げ(28日10:42付報道)

〇ロシア軍の「演習」関係

ロシア、4月1日からの停戦協定復帰を拒否(3月31日19:46付報道)

欧州議会、ロシアへ軍事的挑発とウクライナに対する脅迫の停止を呼び掛け(2日18:54付報道)

ロシアの軍事専門家「沼の乾く5月に開戦の可能性」(3日付報道)

ロシア、ウクライナとの国境に軍を投入。大戦は起こるか(1日付報道)

ウヤチェスラーウ・シュラモーヴィチ「クリミアへ投入されたロシア軍空挺軍第56旅団について知られていること(2日付報道)

デニーソワ人権大使、133人のウクライナ国民がロシアに不法に勾留(6日18:32付報道)

年始より24人のウクライナ軍人が戦死(6日19:31付報道)

ロシア、黒海へカスピ海小艦隊艦艇を投入(8日14:22付報道)

ロシア、ウクライナとの国境へ「イスカンデール」を投入(9日14:15付報道)

ロシア連邦のウクライナ侵略。アメリカ合衆国は完全にキーウの側に立ち、支援を行う用意がある(10日16:49付報道)

ゼレンスキー大統領「ウクライナはロシアの侵攻に備えができている」(12日16:59付報道)

カスピ海小艦隊の艦艇15隻が黒海に停泊(13日付報道)

ロシア、「イスカンデール」をウクライナとの国境へ移送(13日17:40付報道)

バイデン大統領、プーチン大統領とウクライナについて会談(13日付報道)

諜報部、ロシア軍の行動に3つのシナリオを名指す(14日16:49付報道)

ゼレンスキー大統領、日本国首相と電話会談し、ウクライナへ招待(14日17:47付報道)

菅首相 ウクライナ大統領と電話会談 情勢の悪化懸念と伝える (NHK、14日21:26付報道)

ロシア連邦保安庁の哨戒艇、アゾフ海で挑発行動を取る(15日19:58付報道)

ロシア、半年間ケルチ海峡の軍艦通行を封鎖(15日19:22付報道)

ロシア、ウクライナ付近での軍事演習を「侵略」と看做さないよう要請(15日17:29付報道)

キーウ市政府、防空壕の地図を公開(16日11:51付報道)

ゼレンスキー大統領「ロシアはプロパガンダや偽情報、戦争を手段にウクライナの改革を妨害している(16日11:29付報道)

ロシア連邦保安庁の艦艇5隻、ウクライナ海軍の舟艇に対し挑発行動を取る(16日付報道)

アメリカ軍艦に代わり、イギリス軍艦が黒海入り(18日付報道)

ロシア、ウクライナ国境からの軍撤収を発表(22日14:51付報道)

ロシア連邦国防省、クリミアからの軍撤収を発表(23日09:46付報道)

ロシア、黒海のクリミア周辺3海域を封鎖(24日12:42付報道)

スウェーデン、ロシア軍の撤収は「煙幕」と発表(25日11:22付報道)

ロシアの揚陸艦2隻は黒海に留まる(26日15:41付報道)

チェコの武器庫爆発はロシア連邦軍参謀本部情報総局の対ウクライナ工作の一環の可能性(26日18:26付報道)

アメリカ合衆国沿岸警備隊カッター、黒海へ(27日11:38付報道)

ゼレンスキー、プーチンとのバチカンでの会談に反対しない(28日11:15付報道)

ロシア、クリミアの軍規模を縮小、しかしウクライナの東部国境では維持(28日10:42付報道)

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