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4.なぜ本学が史資料ハブを担えるのか
第一に本学の国際的な研究教育環境である。
本学地域文化研究科教官の大半は長期にわたる海外での研究歴をもち、世界諸地域のすぐれた研究者・研究機関との間に密接なパイプをもつ。これらのネットワークは、世界各地の研究機関との大学間協定の締結や本学での学際的な国際シンポジウムに生かされている。とりわけ、アフリカ(エジプト、カメルーン、マリ)、中東(トルコ、シリア、イラン)、内陸アジア(ウズベキスタン、モンゴル)、東南アジア(インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ラオス、フィリピン、ベトナム)などアジア・アフリカ諸国の研究教育機関との交流は本学の特色をなす。その交流の内容は、学生交換のみならず、教員の相互派遣、共同研究の実施などさまざまな分野におよぶ。海外の提携校との学術交流は地域文化研究科のおける研究教育の活性化に大きな役割をはたしているといえよう。

第二に、現地語史資料の蓄積である。
本学では50を越える言語の教育研究が行われている。それらの言語であらわされた史資料の収集に地域文化研究科教員は深く関わってきた。本学附属図書館の蔵 書となっているこれらの史資料は、言語教育、さらにそれらの言語が用いられている地域に関する研究研究のため基礎的資産である。収集の難しいアジアの諸言語を中心とした多様な蔵書構成は本学の特徴的な資産である。
また、2002年4月より、本学附属図書館の蔵書管理は完全な多言語対応システムに移行し、コンピュータ上で多様な文字スクリプトを利用することも可能になっている。他大学に先がけて導入された多言語対応システム上での書誌データの取扱いに関する応用研究も、インド諸語文献やアラビア文字文献の例にみられるように、附属図書館と地域文化研究科所属教員との共同研究の形で進んでいる。さらに、本学が蓄積してきた史資料は書籍には限らない。視聴覚センターには、3500本におよぶ世界各国語による映像資料が保存され教育研究に提供されている(この他、音声資料6500点)。地域文化研究科はその収集に協力し、さらに教材としての活用をすすめている。

第三に、本学が有する情報基盤である。
2000年の府中キャンパスへの移転にともない本学のIT環境は飛躍的に進展した。全学情報処理センターにより提供されている情報基盤は他の人文科学系大学に比べると非常な高度なレベルにあるといえよう。学内で学生・教職員により自由に利用されている600台以上のPCすべてにおいて、中国語や朝鮮語からアラビア語にいたる多言語環境が整えられており、それらの利用を支援する情報リテラシー教育も充実している。