学生相談室便り 2020年夏号

東京外国語大学
学生相談室

夏学期の集中講義も始まり、相談室からは、部活動等で少しずつキャンパスに皆さんが戻ってきている様子がうかがえます。いつもと違う夏、いかがお過ごしでしょうか。 秋に向けて、引っ越しの準備をしている人もいると思いますし、久しぶり、あるいは初!のキャンパスに、楽しみな気持ち、不安を抱えている人もいるかもしれません。とはいえ、Covid-19の感染状況は予断を許さない状況にあります。皆様、どうぞ気を付けてお過ごしください。

ネガティブ・ケイパビリティという言葉

イギリスの詩人ジョン・キーツが「ネガティブ・ケイパビリティ negative capability」という言葉を作りました。帚木 (2017)は、ネガティブ・ケイパビリティとは、「事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力(p.6) 」だと述べています。この本では、キーツは自分が何者かというアイデンティティを持たず、曖昧さや不確実さのなかで、自分が何をしようとしているのかを必死に模索することによって、物事の本質に深く迫ることができたのではないかと述べられていました。この言葉は、やがて精神分析家のビオンに発見され、心理療法のなかでは大切な力と言われています。
この言葉は、青年期にある大学生にとっても役に立つ言葉かもしれません 。同時に、今の不確実で先の見えない世の中で、わからないものをわからないままに認め、持ちこたえることが、実は物事の本質に近づく方法であることを示唆してくれてもいます。
現実的に色々な対策を行うことはもちろん必要ですが、いくら対策をしても、どうしても不明確な部分はでてきてしまいます。自分のなかにある不安や心配を認め、自分をいたわりながら、「いったい何が、今、自分にとって必要なことなのだろう・・・」と問いかけながら過ごすことも大切かもしれません。
生活のなかで、迷ったときや困ったとき、いつでも気軽にご相談くださいね。(小坂)

帚木蓬生(2017)「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版

お知らせ

  • 学生相談室は、平日10時から16時まで開室しています。 秋学期も、基本は遠隔相談(電話、zoomで 相談を受けています。対面での面接は、どうしても必要な場合にのみ、感染対策をした上で行います。
    ただ、注意事項もありますのでご希望の方は申し込みの際にお問合せください。
  • 相談申し込みはこちらから (HP)
    http://www.tufs.ac.jp/institutions/facility/sccs/
  • パンフレットができました
    http://www.tufs.ac.jp/documents/institutions/facility/sccs_brochure.pdf
  • 健康診断の期間(10月5日午後から12日)は閉室となります。申し込みフォームからのみ予約を受け付けますが、この期間には相談はできませんのでご注意ください。
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