【ほけせん便り232号】感染症とワクチン接種

2022.11.01

ほけせん便り232号
東京外国語大学 保健管理センター
学校医 山内康宏
2022年10月31日

世界的に新型コロナ感染症は終焉が視野に入ったと言われ(WHO)、また我が国でも第7波の大きな波を乗り越えて、withコロナ時代として、社会が動いていこうとしています。これからも我々は感染対策を取り入れ日常生活を送り、with コロナ時代を共に過ごしていきましょう。

これから冬の季節を迎えることになり、インフルエンザとの同時流行の可能性も示唆されていますので、引き続きの感染対策を継続することが大切です。また感染症対策として新型コロナワクチンやインフルエンザワクチン接種を積極的に取り入れていくことも望まれています。また、突然の発熱や体調不良等に備えて、抗原定性キットや解熱鎮痛剤を購入したり、居住地での電話相談窓口の確認や近くの医療機関についても確認しておきましょう。

さて、既に新型コロナワクチン接種で「ワクチン」に関する医学知識も増えていらっしゃることと思いますが、改めて、感染症予防の観点からワクチンリテラシーを高めるためにワクチンや感染症に関する情報提供をしたいと思います。ワクチンの概略や期待される効果等については、ほけせんだより218号(2021.6/8)227号(2022.4/27)にてご案内しておりますので、そちらの内容もご確認ください。

そもそも、私たちの身の回りには、非常に多くの病原体が存在していて、その病原体に感染すると、我々は何らかの影響を受けます。病原体によってはその症状(影響)が軽く済むこともありますが、病原体によっては、重い状態をもたらし、しばしば命にかかわる状態に陥ることもあり、時に命をうばいます。また、続発症の合併や後遺症により、長期にわたり人体に障害を与え続けることもあります。

医療が進歩した社会と信じているために過信し、感染症が発症しても治療すれば治ると考えられるかもしれませんが、確立した治療法がない感染症も多く、また治療しても全てが治癒するとは限らず、上述の如く、後遺症が持続し、時に命を奪われることもあります。このような危険性が高い感染症に対してワクチンが開発されているので、ワクチンで予防できる疾患に対してワクチン接種で予防することが重要視されているのです。重症化する感染症でもいまだワクチンが開発できない感染症も存在しているのも事実ですし、またワクチン接種に伴い副反応が出現する可能性もありますので、感染しないように感染経路を絶つという感染対策を進めることも重要です。

生活する環境によっては感染する可能性の高い感染症が推測できるため、ワクチンで予防し感染症に罹患しない事や重症化しない様に対応することが重要であり、また集団免疫で生活環境からの感染症から身を守ることを求められることもあります。コロナからの回復後にwithコロナとして世界中での交流が再開されてきていますので、留学・渡航に向けて、自らのワクチン接種記録を改めて見直してみることも大切です。是非、母子健康手帳に記載されている自らのワクチン記録を確認して下さい。ワクチンや感染症に関する詳細は、厚生労働省の検疫所のホームページの「海外渡航のためのワクチン」(https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html)や、国立感染研究所感染症情報センターの「予防接種のページ」(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html)等を参考にして下さい。また、今後の自分の為に、母子健康手帳を大切に保管しておいてください。

なお、何か不明な点があるようでしたら、保健管理センターまでご連絡ください。

参考:

厚生労働省:令和4年度 今冬のインフルエンザ総合対策について
https://www.mhlw.go.jp/stf/index2022.html

同時流行に備えたリーフレット(厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部)

厚生労働省検疫所FORTH
https://www.forth.go.jp

同:お役立ち情報:予防接種
https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html

国立感染研究所感染症情報センター「予防接種のページ」
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html

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