2019年度 活動日誌

3月 活動日誌

2020年3月31日
GJOコーディネーター 森田 誠亮

3月7日、8日に第2回カイロ大学主催シンポジウムが開かれ、日本の大学などから30名近い方が発表してくださいました。また、レバノン、スーダン、イラク、サウジアラビアからも日本研究者が集まり、非常に充実したシンポジウムとなりました。

同時通訳もあったので、カイロ大学だけでなく、多くの大学の学生さんたちも聞きに来ており、発表はもちろん、普段自分たちに教えてくださっている先生方の同時通訳を行う姿に刺激を受けたようです。

また、シンポジウム翌日の9日には横浜国立大学から短期留学に来ていた学生さんが1年生の授業に参加してくれ、着物を着ながら、着物についての説明をしてくれました。初めて同年代の日本人会った1年生は興味津々で、質問攻めをしていました。

しかし、10日にはコロナの影響から、大人数を集めてのイベントの中止が発表され、東日本大震災追悼コンサート、弁論大会が中止となってしまいました。一生懸命準備してきた学生たちは、ショックを受けていましたが、準備で頑張ったことは無駄にならないと伝えました。さらに26年ぶりの豪雨もあり、12日から大学は休校、14日からの教育機関の休校は4月末の学期終わりまで続き、授業はすべてオンラインで行われました。また、19日午後には空港も閉鎖となり、留学生を含む多くの日本人が帰国を余儀なくされました。

学生にとっても教師にとっても非常に困難な時期でありましたが、オンラインの利点を生かして、いいこともありました。帰国した大阪大学、早稲田大学の日本人留学生や、以前エジプトにいた知り合いの方にご協力いただき、オンライン上での1年生のカイロ観光案内プレゼンテーション、そして日本人留学生による日本の街のプレゼンテーション(アラビア語)を行うことができました。本来であれば、プレゼンテーションで1番良かったと選ばれた場所へ実際に一緒に行くつもりだったので、それはできなくて残念でしたし、エジプトのネット環境の問題で参加できない学生もいましたが、非常に喜んでいたので、してよかったと思っております。

エジプトでは夜間外出禁止も始まったのですが、感染者は増えておりますので健康に気をつけて学習者のためになる活動を続けたいと思います。

横浜国立大学の留学生と一年生
一年生と日本人のオンライン交流

2月 活動日誌

2020年2月29日
GJOコーディネーター 森田 誠亮

2月8日より新学期が始まり、学生たちも元気な顔を見せてくれました。2月は、秋からの留学準備も始まり、3月のカイロ大学主催シンポジウム、東日本大震災追悼イベント、弁論大会の準備とものすごく忙しいですが、学生たちにも積極的に動いてもらいながら一つ一つこなしていきたいと思います。また、22日から国際交流基金の主催で日本映画週間が始まったので、一般の方々もかなりいらっしゃって、日本文化への関心の高さが伺え、日本人として嬉しく感じました。また、月末には日本語能力試験の結果の証明書も届き、学生たちも様々な思いで、受け取っていました。教師としては、この結果から次につながるよう、指導していきたいと思います。

日本映画週間の様子
カイロ大学主催シンポジウムの様子

6月 活動日誌

2019年6月30日
GJOコーディネーター 森田 誠亮

5月いっぱいで学部生の試験期間も終わり、6月から9月末までエジプトの大学は長い長い夏休みに入ります。21日からはエジプトでサッカーのアフリカネーションズカップが始まり、町の中はワールドカップがあった昨年同様、熱気に満ち溢れています。そのエジプト人ファンの熱い気持ちが後押ししてか、現在エジプトはベスト16まで勝ち進んでおり、この熱狂はもうしばらく続きそうです。多くの学生が実際に観戦に行き、興奮した様子でその時の様子を語っていました。

カイロ大学の学生たちは、ほとんどの学生は期末試験が終わってほっとした表情で、家族と旅行に行ったり、好きなことをしたりして過ごしているようです。こちらの立場としては、試験結果をきちんと受け止め、反省すべきところは反省、復習をしてしっかりと次のステップにつなげてほしいものです。

また、9月から3年生の半分以上が日本へ留学に行くので、彼らにとってはそのための準備をする重要な期間でもあります。全員が初めての日本、初めての一人暮らしをすることになるので、日本語学習を続けるだけではなく、自立した生活が送れるよう、生活面の準備も必要です。奨学金をもらって日本へ留学に行けるということがいかに恵まれたことかということをしっかりと自覚しながら、有意義な留学生活に向けて、しっかりと準備してほしいと思います。

5月 活動日誌

2019年5月31日
GJOコーディネーター 森田 誠亮

5月に入り、今年もラマダン(断食月)が始まりました。私も含めて日本人にとっては「断食」と聞くと「つらいもの」というイメージがあるかと思いますが、エジプト人の多くは1年に1回のラマダンを心待ちにしている人がほとんどで驚きました。ラマダン明けの食事「イフタール」をはじめとした家族や親せきとの時間を楽しみにしているのだと思いますが。

しかし、学生にとっては期末試験の時期でもあるので、大学で会うと皆つらそうな顔をしています。1か月もの間、断食をしながら試験を受けるという状態が続くので大変ですが、これまで学んで、身につけたことをしっかりと発揮して、試験を乗り越えてほしいものです。

また、5月の初めには、カイロ大学をはじめとした日本語教育機関の「若手日本語教師」を対象とした勉強会を、国際交流基金の専門家の方々にご協力いただき、開催しました。エジプトでは教師のための定期的な勉強会が少ないため、院を出た後に教えることになったものの、学生からの評価が得られず困ってしまうという問題があります。1回目なのでどうなるかと思いましたが、多くの方にご参加いただき、皆非常に積極的に意見交換をしていただけたので、今後も継続していければと思っています。

4月 活動日誌

2019年4月30日
GJOコーディネーター 森田 誠亮

3月の弁論大会が終わると、一気に試験ムードが高まり、中間試験、口頭試験がやってきます。今学期はラマダーン(断食月)の関係で授業は4月24日までしかなく、授業数も少なくなってしまったため、教える側としても目標設定は難しいものがありましたが、それぞれ設定した目標を達成できた学生は自信をもって、できなかった学生は反省すべきところは反省して次につなげてほしいと思います。

2年生の口頭試験は、昨年同様、「あるテーマについて賛成か反対かについて述べ、日本人教師の反論に対して再反論を行う」という形で行いました。昨年よりもテーマの数が多く、こちらの反論も学生が言った理由のマイナス面をつくという厳しいものでしたが、全体的には非常によく準備しており、ある学生に至っては、「〇〇の調査によりますと、1970年代から80年代前半にかけて・・・」と、2年生とは思えないような力を発揮しており、こちらが驚かされることもありました。

今期の授業が終わって喜ぶ3年生

5月からは期末試験が始まるので、素敵な笑顔が泣き顔に変わることのないよう、しっかりと準備して臨んでほしいものです。

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