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南アジアのこぼれ話
 
2002年度
第7回 BBCUrdu.com 2003/01/23
●「マッカコーラ、ドバイへ進出」
http://www.bbc.co.uk/urdu/news/030121_mecca_cola_ua.shtml

「マッカコーラ」という名称の清涼飲料を製造する会社は、ヨーロッパ在住のムスリム間での人気を得た後、次なる中東進出のためドバイで400万本製造する企業協定を結んだ。

この飲料はアメリカのコカコーラの代替品として考案されたもので、9月の工場完成以後、日産50万本の生産能力を有している。

この飲料はまず最初にフランスで販売された後、2週間前にイギリスでも販売が開始された。イギリスではすでに30万リットルが販売された。

マッカコーラ社のトーフィーク・マスルーシー社長は「この飲料によって消費者はアメリカの外交政策に反対する気持ちを表現する機会を得た」と語った。さらにBBCオンラインに「マッカコーラを市場に出す最大の目的は、アメリカの覇権主義とシオニズムに対抗すること、そしてアメリカ製品をボイコットする国々にそれに代わるものを提供することである」とコメントしている。

コカコーラがこのような事態に直面したのは今回が初めてではない。イランの「ザムザムコーラ」もアラブ諸国の市場にかなり浸透している。マッカコーラ社側は、収益の一部をパレスチナ慈善団体に寄付すると発表した。

現在進行中のパレスチナ人によるインティファーダ中、アメリカのイスラエル支援に対してアラブ世界は激しい怒りと悲しみに覆われており、アメリカ製品ボイコット運動が始められている。

この結果、2002年第1四半期におけるサウジアラビアでのアメリカ製品の輸入総額は40%減少した。コカコーラ社はこのボイコット運動が経営に影響したことは認めたが、それ以上の詳細については述べておらず、「当社はいかなる宗教や人種的集団に与していないし、かつて一度たりと政治活動に関わったことはない」と主張している。

情報によると、「愚者のように飲むなかれ、イスラームへの熱情をもって生きよ」とのモットーを掲げるマッカコーラの需要は日に日に増加している。

(訳:曾根佐衣子+Ghalib、2003/02/04)
第6回 BBCUrdu.com 2002/11/09
●「イスラマバードの蛇使い」

ラーワルピンディーとイスラマバードのちょうど境界線上に位置するピンドーラー・チューンギーの裏手に、掘っ立て小屋の並んだ地区がある。ここの住民は自らを「ジョーギー(蛇使い)」ないしは「サンニャースィー(行者)」と称している。

この地区には百足らずの掘っ立て小屋が建っているが、外見上は他のスラムと何ら異なるところはない。異なる点は、この地区の住民は相互に親戚関係にあり、族外者とは婚姻を結ばないことであろう。ここでは、学校へ行く者は誰一人いない。そして現在でも子どもたちには「学ぶ」という習慣がない。もちろん、2つのモスクの管理者がこの地区の子どもたちにクルアーンの学習を施してはいる。

イスラマバードのこの名もなき地区では、男たちは誰でも袋をひとつ持っている。この中には骨や生薬、さまざまな色をした粉末や貴石、さらに籠に入った蛇やその他のものが入っている。善良で裕福な人々は、これらの特効を聞いては購入していく。女性の心をなだめる粉薬、敵を打ち砕く処方箋、肉体的疲労に効く精力剤、媚薬などなど、つまり実現不可能に思える望みがこれらを使用することで叶うのである。

ショーカトさんも自分の袋を開け、まずシェーシュ・ナーグを取り出して見せた。彼は大蛇が人間に化身する話をしたかったようだが、私に興味がないことを知ると、サフラン色の粉末と一緒に入っているギーダル・サンギーとマヌカー(マナクナー、解毒作用をする石)を取り出した。これらは彼にとって「最大の貴重品」である。ショーカトさんによると、娘が嫁ぐ時にはこの2つを必ずジャヘーズ(婚資)に入れるのだという。マヌカーは蛇の喉から取られる石で、毒を吸い取るという。ギーダル・サンギーは、ジャッカルの額に出来る瘤(こぶ)で、長い毛が生えているのだそうだ。

マヌカーは毒を吸い取るだけでなく、願いも叶えてくれる。しかし、ショーカトはまず、マヌカーがどこからとれるかを教えてくれた。オスとメスの蛇が最初に交わる時、両者の喉からマヌカーが吐き出されるという。オスのマヌカーは楕円形でメスのマヌカーは丸く、しかもより効力が強いという。そして、誰かに何か仕事をさせたい時や誰かの心を近づけたい時、その人の足元の土を取ってきては瓶の中にマヌカーとともに入れておけば、その人の心に変化が現れる、という。

この掘っ立て小屋地区で最長老の人物、ナワーズ・バーバーは薬の調合をすることで有名だ。彼は仲間たちのように路地裏を歩き回る行商はしない。自分の小屋に居続けており、彼を必要とする人々が彼を探し求めてやってくる。ナワーズ・バーバーは、患者の症状を聞き、脈を取り、少し問診をしてから薬を調合する。

しかし、ショーカトさんが持っている6つのガラス瓶の中には、ありとあらゆる病気の治療薬が入っている。男性の精力減退、夢精、関節痛、歯痛、糖尿病、痔、咳、熱、「レーコーリヤー」などなど。レーコーリヤーって何ですか? 私は尋ねた。ショーカトさんは意味ありげな視線を私に向けて答えた。「それは娘たちがかかる病気でさぁ・・・」。(「おりもの」のこと)

(訳:中村千尋+Ghalib 2003/01/29)
第5回 BBCUrdu.com 2002/11/09
●結婚披露宴での節約令廃止

最高裁判所は、パキスタンでの結婚披露宴における食事に関する節約令を廃止した。

この決定に対して賛否両論の反応があるが、中産・下層階級に属する多くの人々は、この節約令解除に落胆を色を示している。彼らは、節約令は持続されるべきであると考えている。

節約令解除に対して、結婚式場協会(Marriage Hall Association)が最高裁判所に訴えを起こしていた。

最高裁判所は判決の中で、連邦政府はこの種の制限を立法化する権限を持たず、結婚式における浪費を止めるためには州政府のみが立法化する権限を持ち、さらに招待客やメニューの数を決定できるのは州政府のみである、と述べている。

この節約令は、ミヤーン・ナワーズシャリーフ首相政権時代に発布されたもので、国内の結婚披露宴に関する社会変化を促した。

当初、この節約令に対する反対意見が一部で出たことも事実で、節約令に違反する人々もいた。しかし、政府はこれを厳しく取り締まった。

しだいに人々はこの節約令の長所を理解するようになった。特に中産・下層階級の人々はこれを賞賛するまでになった。

一方、結婚披露宴に関わる業界の人々は一時的に損害を受けた。特に結婚式場は大きな打撃をこうむった。需要と供給の均衡が崩れたことで、鶏肉業者もある程度没落したが、すぐに持ち直した。

シェーフ・ワスィームさんは「以前は結婚式場を予約するなり路地に天幕や幔幕を張るなりしてチャーエや清涼飲料水を招待客に振る舞い、4000〜5000ルピーでバーラート(花婿が花嫁を迎えにいく婚礼行列)を出すことができた。しかし、いまや貧者にとっては再びシャーディー(「喜び」の意)は本来の意味を失い、結婚後に借金の重荷が残るという苦難・辛苦という意味になるだろう」と話している。

他方、上流階層の人々は今回の節約令廃止に喜んでいる。彼らにとっては結婚は華やかさを取り戻したということのようだ。

イクバール・タウンに住む中流階層の老婦人アミール・バーノーさんはこう話した。「節約令のおかげで結婚の楽しみが失われてしまった。結婚は喜びの儀式から単調なる儀式に変容してしまった」。

彼女によると、喜びの時に親類縁者にご馳走を振る舞うことは良き伝統であり、これが復活することになった。

最高裁判所は節約令廃止命令をラマザーン月に下した。この月には結婚式は皆無といっていい。しかし、イードのあと数知れぬ結婚式が控えており、節約令廃止がいろいろと波紋を広げるであろう。

収入が限られている人々の結婚に関わる予算は影響を被るであろう。以前から借金をして子供たちの結婚を執り行ってきた人々は、さらに借金を増す結果となるであろう。

(訳:平舘薫+Ghalib 2003/01/29)
第4回 BBCUrdu.com 2002/09/12
●カーブルの道楽者

アフガニスタンの首都カーブルの映画館は約6年にわたる閉鎖期間を経て再開されたが、数百人の若者が連日、娯楽を渇望して映画館に出向いている。ついこの間までのターリバーン政権時代には、こうした現象はまったく考えられなかった。

インド映画は当地でも絶大な人気を誇っており、映画挿入歌はいたるところの路地裏で耳にすることができる。アフガニスタンにおけるインド映画の人気ぶりは今に始まったことではない。70年代にはパーキスターン人もまた、映画館でインド映画を楽しむためにカーブルまで出向いていた。しかし、20年におよぶ戦争や1993年のグルバディーン・ヒクマティヤールとそれに続くターリバーンによる映画館に対する規制により、アフガニスタン人の娯楽は奪われてしまった。

カーブルの何十もの映画館のうち、6館のみが再開された。この6館のうちの1館がカーブルのシャハレ・ノウの繁華街にあるパーク・シネマである.現在ここでは「Diviya Shakti(神の力)」が上映中である.午前10時の上映回にも映画ファンの若者たちは群れをなして足を運び、厳しいボディーチェックをものともしない様子である。

この若者たちの中にラフマトゥッラーもいた。彼にヒンディー映画を見る理由を尋ねると、アフガン人たちは最初からヒンディー映画のファンであるという。彼も少年時代から、このような映画を見てきた。若者たちの大半はターリバーン政権下をパーキスターンですごしたが、そこではビデオでヒンディー映画を見てきた。そして今、彼らは映画館で映画を楽しんでいる。

1回分のチケット代は5000アフガーニーで、7パーキスターン・ルピーに相当する。それでも、65席の映画館は瞬く間に満員になった。映画館の中で、上映を待ちきれない観客たちは口笛を吹いたり拍手をしてその喜びを表現した。しかし、上映中は静かに映画を鑑賞している。

パーク・シネマの支配人モハンマド・ハーシミー・ハイダリー氏は、「この映画館はかつてのアフガン首相でありアフガニスタン・イスラーム党首であったグルバディーン・ヒクマティヤールの時代から閉鎖されていた。政府系の映画館であるため、ターリバーン撤退後にすぐ再開された」と話す。同氏自身、映画館閉鎖中、失業状態であった。「今回の映画館再開で、15人に職が得られた」と語る。

記者はこの映画館でアフガン人の少年アマーヌッラー君と出会った。熱烈な映画ファンと言ってもいいだろう。他の若者たちと同様、インドの俳優に熱をあげている。インドに行って、映画関係の仕事につきたいと話してくれた。そして憧れの眼差しで「マードゥリー・ディクシトの住所と電話番号を教えてくれないかな」と記者に尋ねた。

(訳:春日美穂+茶谷真以+Ghalib 2002/11/11)
第3回 BBCUrdu.com 2002/10/07
●サルマーン・ハーン逮捕

インドのボンベイ市警は、有名な俳優サルマーン・ハーンを過失致死罪容疑で逮捕した。

サルマーンは先週、酒気帯び運転で路上に寝ていた4人を轢いた容疑で逮捕された。そのうち1人は死亡した。当初サルマーンは不注意運転の容疑で逮捕されたが、950ルピーの保釈金で保釈された。

今回、サルマーン・ハーンは、新聞記者1人とソーシャルワーカー2人からの訴えに基づき逮捕された。過失致死罪の判決が出れば、サルマーンは最大禁固10年および罰金の刑を課される可能性がある。 それに加え、ボンベイ裁判所はサルマーン・ハーンに対し、死亡者の遺族に当座の損害賠償金として100万ルピー、重傷者に30万ルピー、軽傷者に15万ルピーの支払いを命じた。

事故当時、サルマーン・ハーンは彼名義で登録されたトヨタ・ランドクルーザーを運転していた。警察によると、彼にはボンベイ市警から提供された特別な護衛がついていた。ここ数週間サルマーン・ハーンは複数の犯罪組織から脅迫を受けていたからである。

警察によると、事故後警察が事情聴取のためサルマーン・ハーン宅を訪れると、彼はマンション2階の自宅から跳びおりて逃走した。しかし数時間後、捜査に協力するため警察に出頭した。

サルマーン・ハーンが悪評を買ったのは、これが初めてではない。鹿の密猟事件で、サルマーンに対する裁判は現在審理中である。

(訳:仁科友里+Ghalib)
第2回 BBCUrdu.com 2002/09/06
●女優マニーシャの代役問題

インドの映画館の外では、有名女優マニーシャ・コイララ主演の問題作「ある小さな恋物語」(Ek Chhotisi Love Story)を見ようとする観客であふれかえっている。

主演女優マニーシャ・コイララが、映画の一般公開によって彼女の名誉に傷がつく恐れがあると申し立てたことに対し、マハーラーシュトラ州高等裁判所は映画の上映を差し止める決定を下した。

裁判所のこの決定にもかかわらず、映画館では現在上映中で、観客は問題のシーンが見られるだろうとの期待から映画館に足を運んでいる。ムンバイーのスレーンドラ・パーンデー警視副総監はロイター通信社に、映画上映差し止め決定はまだ届いていないと述べている。

マニーシャ・コイララは、シャシ・ラール・ナーイル監督が猥褻シーンを撮影するために彼女と同じような体型の女性を代役として使用したこと、スクリーン上で非道徳的な行為をしているのはマニーシャ自身であると観客に誤解させる恐れがあること、を強く非難した。

高等裁判所の決定が公にされた後、マニーシャ・コイララはBBCに次のように語った。
「司法が私の尊厳を守ってくれた。裁判所が映画の上映を差し止めなかったなら、他の女優たちも私のように監督の思いどおりに使われてしまう。」

一方、ナーイル監督は、映画を検閲委員会に提出する前に問題のシーンをマニーシャ本人に見せ、代役の女性を使用する許可も得た、と述べている。

裁判所は全世界に配給された97本のフィルムを回収するよう命令したが、監督はこれを不可能だとし、裁判所の最終決定を待っている状態である。

マニーシャは、映画上映が差し止められない場合には監督は法廷侮辱罪に問われるだろうと主張するが、監督はマニーシャが太ったため問題のシーンを撮影するために代役を使用したと話している。

(訳:佐藤麻美、曾根佐衣子、春日美穂、韮沢育+Ghalib)
第1回 BBCUrdu.com 2002/09/30
●ミスコンにパキスタン政府が"異議あり"

新聞報道によると、パキスタンとアメリカ両国の市民権をもつ女子学生ニーラム・ヌーラーニーさん(21歳)が東京で開催予定のミス・インターナショナルコンテストに自称ミス・パキスタンとして参加登録したことに対し、パキスタン政府はパキスタンの名を汚す行為と断定し懸念を示した。

パキスタンの対応についてミス・インターナショナルコンテストを主催するインターナショナル・カルチャー・アソシエーション(国際文化協会)の広報担当者は次のように述べている。
「イスラーム国家であるパキスタンでは美を公にするような美人コンテストが禁止されている事実や、パキスタンが正式に彼女を候補者として推薦しておらず、彼女の参加申請は正当でないことを、パキスタン政府と連絡をとるまで知らなかった。」

ニーラム・ヌーラーニーさんはカラーチー出身で、今年1月にカラーチーで行われたとされるミス・アースコンテスト(Miss EARTH Contest)で隣国等から参加した約50人の中からMiss Pakistan EARTH 2002 に選ばれた。彼女自身はこの実績を根拠に、ミス・インターナショナルコンテスト参加を積極的に進めたものと考えられる。

しかし、パキスタン政府高官はイスラームを中傷し、パキスタンに汚名をもたらすものとして、彼女のコンテスト出場に反対し、在京パキスタン大使(トウキール・フサイン大使)に彼女のコンテスト参加を阻止するよう伝達した。

彼女のコンテスト参加についての報道がなされるや、彼女は突然コンテスト参加を取りやめたことから、主催者側は彼女を参加資格なしと認定した。

アメリカの日刊紙ウォールストリート・ジャーナルは、彼女はムスリムであり派手な衣服を避け、水泳をするときでも首から膝まで隠れる水着を着ると報じている。
露出度の高い水着による審査はカラーチーで開催されたミス・アースコンテストでは行われず、代わりにスタイルのよさはシャルワール・カミーズ姿からの推量による審査がなされた。

身長5フィート6インチ(約168cm)、体重110ポンド(約50kg)のニーラムさんはパキスタンとアメリカの市民権を有し、バスケットボールと舞踊を嗜む。節操を重んじることから同世代の男性との友人関係やスカートの着用、また両親の意に反した結婚は罪であると認識している。

彼女は現在、North Virginia Community Collegeでコンピュータ工学を勉学中で、伝統的な仕事を選択しようとしている。

(訳:韮沢育+Ghalib)
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