新型コロナ感染症とコロナワクチンの最近の情報

2022.04.27

ほけせん便り227号
東京外国語大学 保健管理センター
学校医 山内康宏
2022年4月26日

現在(2022年4月下旬)、新型コロナ感染症は第6波のピークを過ぎた状態で、依然感染者数は多い状態が持続しており、日々感染対策を徹底しながら、生活することが求められている状況です。大学生活でもコロナ対策を行いながら、with コロナでの新学期の学生生活を始められていると思います。

新型コロナウイルスは変異を繰り返しながら世界的蔓延をもたらしていますが、現在はオミクロン株が主流(BA.1系統からより感染性の高いBA.2系統への置き換わりが進んでいる状況)になっています。そのオミクロン株は、従来株と比べて、高い感染力(伝搬性)と早い倍加速度(増殖しやすい)が特徴です。また一方、オミクロン株ではこれまでのデルタ株より入院のリスク、重症化のリスクは低いと言われています。しかし、高齢者や基礎疾患を有する方や全ての年齢の方において重症化する危険性はあり、時に致命的となる可能性もありますので、引き続き、注意は必要です。

ワクチンに関しては、初回接種による免疫のみではオミクロン株に対する発症予防効果は低下していることが報告されています。また一方で、追加接種(3回目)によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することが報告されていますので、追加接種(3回目)のワクチン接種がすすめられています。

現在、追加接種(3回目)は65才以下では2回目を接種してから7カ月経過してからの接種とされ、予約枠に空きがあれば6カ月経過していると接種可能とされています。現在流行しているオミクロン株では、従来株に比べてワクチンの効果が低下しやすいため、この5月からは初回接種後5カ月が経過していると接種可能になるように変更されます。我が国の追加接種(3回目)のワクチン接種率は4月下旬にようやく50%に届いた状態であり、引き続き更なる追加接種の普及が望まれている状況です。

追加接種では、初回接種に用いたワクチンにかかわらず、mRNAワクチン(交互接種も可能)での接種とされ、その効果と安全性も確認されています。副反応としては、2回目の接種後と比較して概ね同様であると確認されていますが、リンパ節の腫れなどは、初回接種(1回目・2回目)より発現頻度が高い傾向にあるとされています。また、既に新型コロナ感染症に罹患した方も、初回接種・追加接種にかかわらず、ワクチンを接種することができます。例えば、初回接種後に感染した方の追加接種は、6カ月経過していることと、感染してから追加接種までの間隔は暫定的に3カ月あけることも一つの目安ともされています。

今週末からゴールデンウィークを迎え、外出の機会も増え、感染拡大のきっかけとなる可能性も指摘されていますので、このゴールデンウィークを活用して、ワクチン接種を前向きに検討するのも良案です。

また更に、これまでの「mRNAワクチン」(初回接種・追加接種:ファイザー社・モデルナ社)や「ウイルスベクターワクチン」(初回接種のみ:アストラゼネカ社)に加えて、直近では「組換え蛋白ワクチン」(初回接種・追加接種:ノババックス社)の新しいワクチンが薬事承認されました。現時点ではまだ使用されていませんが、今後使用可能となる見込みです。この「組換え蛋白ワクチン」はこれまでのmRNAワクチンとは仕組みも成分も異なるため、mRNAワクチンに対するアレルギーがある方でも接種可能となる可能性があり、より多くの人が接種することが可能になると思われます。

新型コロナ感染症に対する基本的な感染予防策は、オミクロン株にも有効な手段ですので、不織布マスクの正しい着用・手指衛生・換気対策等を継続し、引き続き三つの密を避けるように感染対策を徹底することが大切です。

なお、コロナ感染症を疑わせる症状が出現した場合やコロナ感染症に関する検査を受けることになった場合、またコロナ感染症に罹患した場合には、本学の「新型コロナウイルスへの感染の疑いのある場合の連絡フォーム」(https://sanda.tufs.ac.jp/emergency-contact/covid19/)で届けていただきますように、お願いします。

何かご不明な点などありましたら、保健管理センターまでご相談ください。

参照:

新型コロナウイルス感染症 国立感染症研究所 
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/covid-19.html

新型コロナワクチンQ and A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

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