withコロナ時代におけるインフルエンザ感染症への対策

ほけせん便り 213号
東京外国語大学 保健管理センター
学校医 山内康宏
2020年11月24日

 新型コロナウイルス感染症が再度感染拡大の傾向となり、夏に拡大した第2波に比べ、“第3波”では重症化するリスクが高く高齢者の割合が増えている傾向が報告されています。更にクラスターが多様化しその対応が難しくなっていることが指摘され、引き続き自分自身と社会全体を守るために「新しい生活様式」を取り入れ 『3密』を避ける様な感染対策の継続が求められています。

 これから迎える冬は、気温が低くなり空気が乾燥する様になり飛沫がより長時間浮遊し感染範囲が拡がりやすくなるため、さらに冬の寒さにより室内温度を保持しようと居住空間を密閉しやすく室内換気の頻度が減るため、感冒に罹りやすくまた体調を崩しやすいので留意が必要です。インフルエンザ感染症も冬季に流行するため、今年の冬はこれら“新型コロナ感染症”と“インフルエンザ感染症”の両感染症が同時流行(twindemic)する可能性が指摘され、より一層の感染対策を徹底化する必要があります。

 感染対策の観点から、感染経路とその感染性を把握しておくことは大切なことです。まず感染経路については、“新型コロナ”と“インフルエンザ”はどちらも飛沫感染と接触感染が主体ですので、マスク着用・咳エチケット・手指消毒の励行・社会的距離の確保等の基本的感染対策を遂行する事が重要です。つまり、これまで通り新しい生活様式での感染対策を徹底化することが、いずれの感染症対策にも有効なのです。ついで、感染性については、“インフルエンザ”では発症後に感染性のピークを迎えますが、“新型コロナ”では発症前から感染性があり無症状で本人が気付かない間に他人への感染性があります。つまり“インフルエンザ”の流行は発症してから各自が注意することで感染を抑制できる可能性がありますが、“新型コロナ”では発症してからの対応では感染を制御することが難しい状況なのです。したがって、第3波を迎えている現状からも、日頃からマスク着用を徹底し、症状がない日常も自分の飛沫(発声時等)を拡散しない様に、他人へうつさない様に、相互に配慮することが大切です。

 感染予防の観点からは、感染症に対する予防接種を受け、自分の免疫を獲得しておくことも大切です。“新型コロナ”に対する予防接種は現在前向きにその有効性も報告され今後の臨床導入に向けて検討される段階になっていますが、まだ実際に臨床導入され我々が予防接種を受けるにはもう少し時間が必要な状況です。インフルエンザに対しては予防接種による対応が可能ですので、その感染予防や重症化予防に向けまた医療機関へ受診する機会を減らすためにも、インフルエンザの予防接種を積極的に検討することをお奨めします。

 今年は現時点でもインフルエンザ患者が少ない状況が続いていることが発表されています。その理由としては感染対策の徹底による流行の制御の可能性や医療機関の感染リスクに伴うインフルエンザ検査の抑制等も考えられています。まだ現時点ではインフルエンザが実際に流行するか否かは不明ですが、寒さの到来と共に呼吸器感染が増加することが懸念されますので、各人が感染対策を徹底化することにより、インフルエンザと新型コロナの同時流行を制御できる様に期待したいところです。

 ご不明な点等ありましたら、保健管理センターまでご相談ください。

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