【ほけせん便り228号】熱中症の応急処置

2022.06.30

ほけせん便り228号
東京外国語大学 保健管理センター
学校医 山内康宏
2022年6月30日

今年は例年より早く梅雨が明け、全国的な気温上昇で暑さの厳しい日が続いており、熱中症の危険性が高まっています。新型コロナ感染症対策の中で必要とされているマスク着用についても「屋外では人との距離を確保できないで会話をする場合以外はマスクをする必要がない」とされており、夏季の高温多湿の状況下では、熱中症予防の観点から、屋外の活動では「マスクを外す」ことが推奨されています。

熱中症は、誰しも外気温・湿度・風通しなどの環境や、体調不良(二日酔いや寝不足等)などの身体的要因や、運動・作業などの身体活動等の条件次第で、熱中症になる危険性はあります。それ故に、暑さに徐々に身体を慣らし正しい予防法を知り普段から気をつけることで、熱中症にならないように予防することが大切です。

熱中症の症状には、めまい・立ちくらみ・生あくび・大量の発汗・強い口の渇き・筋肉痛・こむら返り・頭痛・嘔吐・倦怠感・だるさ・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温などの症状があります。暑熱環境に居るもしくは居た後に、このような症状が出た場合は、熱中症になっている危険性があります。

もしこのような熱中症を疑わせるような症状があった時には、すぐに応急処置として対処しましょう。

① 涼しい場所へ移動

風通しのよい日陰やできればクーラーが効いている室内に避難する。

② 脱衣と冷却

衣服を緩め、水分と塩分を補給する。濡れタオルなどで皮膚を濡らしてうちわや扇風機で扇いだり、氷やアイスパックで冷やすのも良いです。冷やす部位は両側の頚部・腋の下・足の付け根の前面を集中的に冷やしましょう。

(熱が出た時のジェルタイプのシートには体を冷やす効果はありません。)

スポーツなどで活動による熱中症の場合は、できるだけ早めに水道につないだホースで全身に水をかけ続けるなどで冷却する。救急要請する場合もまずは冷却することが大切です。

③ 水分・塩分の補給

自分で水分補給ができる場合は、自分で冷たい水を持ち自分で飲む。経口補水液やスポーツドリンク等で塩分を補給することが最適です。

自分で水分摂取ができない時は、無理に飲ませない。病院での点滴が必要ですので、緊急で医療機関に搬送することが最適です。

④ 医療機関へ搬送

最初から症状が強い場合、自分で水分補給ができない時、処置をしても症状が良くならない時は、病院に搬送しましょう。救急車を呼ぶ際、救急車が到着するまでに応急処置を始めましょう。

倒れた時の状況を知っている人が付き添って、発症時の状態を伝えてください。

何かご不明な点などありましたら、保健管理センターまでご相談ください。

参照:
熱中症の対処方法 環境省https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_checksheet.php
熱中症環境保健マニュアル 2022 (環境省https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php)
熱中症ゼロへ https://www.netsuzero.jp/

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