日本語専攻で学べること

2014年7月26日オープンキャンパス 体験授業の様子

★1・2年次のカリキュラム★

言語文化学部

外国人学生と日本人学生とが対等の立場で共に学ぶこと。言語文化学部「日本語」の教育の最大の特色はそこにあると言えましょう。日本人学生にとっては、今までの均質な生徒たちからなる教室とは違い、年齢も国籍も、経験してきたことも考え方も大きく異なる仲間たちと机を並べることになります。外国人学生にとっては、特別扱いをされるお客様ではない立場で、教室の一員となることになります。いわば草の根の国際社会を構成する教室の中で、対等の立場で、しかもそれぞれの特性を生かしながら、外国語としての日本語を中心に、日本の文学や文化を学んでいきます。

国際社会学部

1・2年次は、地域言語科目、地域基礎科目で日本語・日本文化全般に関する基礎的な知識やものの見方を養います。地域言語「日本語」では両学部共通の授業に加え、言語文化学部と国際社会学部それぞれの個性にあった授業も開講されています。たとえば国際社会学部の学生用には、地域言語科目「日本語」のなかに「日本地域研究入門」という授業が開講されています。
このほか、1・2年次にはコース共通、および「地域社会研究コース」「現代世界論コース」「国際関係コース」の導入科目や概論科目を受講し、3年次以後のコース選択につなげていきます。これらの履修を通じて、地域社会をめぐる分析の方法論や社会諸科学の素養を身につけます。

地域言語科目「日本語」 (世界教養プログラム)
日本語履修者のための地域基礎科目 (世界教養プログラム)

☆3・4年次のカリキュラム☆

言語文化学部

1・2年次に体得した素養の上に立ち、言語学や文化論等の学術的方法論からの補強を図りながら、日本語学や日本語教育、日本の文学・思想・文化等に関する専門的な知識を深めていきます。言語・情報コースの「日本言語研究概論」「日本言語研究」、総合文化コースの「日本文化研究」などが挙げられます。講義形式の授業では最先端の知見を学び、演習形式の授業では教員の指導のもとで資料の分析や考察の方法を実践的に学びます。そうした訓練を経たうえで、4年次には、それぞれの専門分野に関する卒業論文・卒業研究に取り組みます。

国際社会学部

3年次には各コースに分かれますが、各コースの日本地域研究にかかわる専門科目(選択科目)で、日本の社会や歴史(近世史、近現代史)や日本思想等に関する専門的な知識を深めることができます。そして、指導教員のもとで資料の分析や考察の方法を実践的に学びます。
4年次には、それぞれの専門分野に関する卒業論文・卒業研究に取り組みます。
参考までに、卒業論文のテーマとして考えられるテーマをいくつかあげてみます。
「近世京都の遊里―幕府と奉行所の禁令を中心に―」
「お雇い外国人教師が見た明治初期の日本の姿」
「在日朝鮮人の法的位置・権利問題を考える」
「長崎の『平和教育』における『戦時/植民地加害』の語り」
「アメリカ小麦戦略と戦後の生活改善運動」
「日本型グリーン・ツーリズムの導入と展開」

どのようなテーマを選ぶにせよ、卒業時には、世界の諸言語の一つとしての日本語への理解・洞察のうえに、日本の社会・歴史・文化について自ら考え、それを発信して行く力を身につけることになります。

(東京外国語大学ホームページ(言語文化学部「日本語」国際社会学部「日本地域」)より転載)