東京外大の言語文化学部や国際社会学部でマレーシア語を専攻言語として学ぶのは、1学年10名程度。語学の勉強や、秋の外語祭などで活動するのにちょうど良い環境です。
マレーシア語(マレー語ともいいます)は、文字はローマ文字を使い、発音も日本語に比較的近いので、とてもなじみやすい言語だといえます。
1984年に戦後日本で初めてマレーシア語専攻が本学に設立されました。今日、日本で体系的なマレーシア語教育とマレーシア地域研究を行っている大学は、本学を含めて数校だけです。それだけに、私たちにかけられる期待の大きさは計り知れません。
マレーシアは、マレー系、華人系、インド系をはじめとする多民族が、絶妙なバランスをとりながら共存してきた国として知られています。「アジアの縮図」ともいえるような、豊かな多言語・多文化社会が作り上げられてきたのです。また、2020年までの先進国入りをめざすマレーシアは、現在、ダイナミックな経済発展と社会変容を経験しており、興味深いテーマには事欠きません。
また、歴史的に日本と深い関係を持ってきたことも見逃せません。マレーシアの人びとは、太平洋戦争期の日本軍による占領という不幸な歴史を経て、戦後、日本(人)と対等の協力関係を築くために努力を続けてきました。現在、マレーシアと日本の間にはきわめて強い経済的関係が築かれています。
1980年代以降、「ルック・イースト政策(東方政策)」のもとで、マレーシアから留学生や研修生が多数日本に派遣されています。
なお、マレー語が話されている地域は、マレーシア国内だけにとどまりません。マレー語が流通するシンガポールやブルネイほかの東南アジア島嶼部を含む、広い意味での「マレー世界」が我々の研究対象に含まれうるでしょう。
マレーシア語の卒業生は、300名を超えます。卒業生の進路は、メーカーや金融、サービス部門、ジャーナリズム、公務員、大学院進学など多岐に渡り、専攻のOBやOGがそれぞれの分野で活躍しています。