2024年12月6日、日本科学未来館でのスタディツアーを実施しました。
本プログラムでは、博士課程学生が自身の研究をアカデミアを超えた広い社会的文脈の中で位置づけられるよう支援しています。
本学が特化している人文社会科学は、自然科学分野と比較すると、科学コミュニケーションはまだ未発達と言えます。
今回のツアーは、科学コミュニケーションの最前線の現場を彼らに体験してもらい、新たな可能性を探ってもうために企画されました。

当日は7名のMIRAI生が参加し、以下の3部構成でプログラムを実施しました。
まず、「科学を伝えるときのコツや注意点とは何か」という問いを携えて、少人数グループで展示を自由見学しました。
続いて、未来館所属の科学コミュニケーターによるファシリテーションのもと、「どのように」「何を」「なぜ」という3つの観点からディスカッションをおこない、見学での気づきを深めました。
最後に、ディスカッションで触れられたトピックに焦点を当てながら、科学コミュニケーターの方に展示の意図や狙いについて解説していただきました。

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参加した学生たちの熱心な取り組みは、科学コミュニケーターの方々からも高く評価されました。
科学コミュニケーションの本質に迫る深い考察を学生レポートから読み取ったコミュニケーターの方は、「今すぐにでも科学コミュニケーターとして来てほしい」とまでおっしゃってくださいました。
人文社会系の学術知が科学コミュニケーションにとって重要という共通認識のもと、今回関わってくださった未来館のスタッフのみなさまとは今後も協力関係を継続していく予定です。

最新の科学コミュニケーション論に基づいた展示に触れたことで、MIRAI生の研究意欲は大いに刺激されたようです。
今後は、この学びを具体的なアウトリーチ活動へと展開していくことが課題です。
その過程で、人文社会科学における科学コミュニケーションの新たな地平が開かれることを期待しています。

参加学生によるレポートは、順次このブログで紹介していきます。
人文社会科学の視点から科学コミュニケーションを捉え直す彼らの考察に、ぜひご注目ください。

科学と科学者の存在を身近にする科学コミュニケーション【日本科学未来館学生レポート】

科学の意義に揺さぶりをかける【日本科学未来館学生レポート】

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