こんにちは、2期生の小林です。
去る7月12日、渋谷スクランブルスクエア15階・SHIBUYA QWSで表題のイベントを開催しました。昨年の外語祭に合わせて制作した謎解きゲームをメインに据えた、ワークショップ形式のサイエンスコミュニケーションイベントです。(写真の下にイベント告知ページをリンクしておきます)
https://www.tufs.ac.jp/event/2024/240712_1.html
外語祭でもたくさんの方がご参加くださったゲームですが、今回は普段大学とは接点の無いようなより多様な方へとアウトリーチするために、本学がコーポレートメンバーとして加盟しているSHIBUYA QWSでイベントを開催する運びとなりました。渋谷駅直結ビルの上層という非日常的空間でイベントをすることができて中々テンションが上がりましたね。
当日は小雨であいにくの天気となりましたが、イベント自体は大変盛況で、ご参加の皆さまにも好評のようで嬉しく思います。上に埋め込まれたページからもわかるように、小林は「ファシリテーター」として司会進行を担当しました。事後アンケートで頂いた回答を見る限り、上手く進行することができたようでよかったです(笑)
謎解きに取り組む参加者の皆さま。本ゲームでは紙の資料とLINEアプリを駆使して謎解きにチャレンジします。
さて、今回のイベントですが、実は3つの(個人的な)裏テーマがありました。
一つ目は、外語祭の反省を活かしたイベントにすることです。外語祭では来場者に謎解きキットを渡して自由にプレイしてもらう形式を取りましたが、そのために十分なフォローができず、ヒントは用意したものの行き詰ったまま途中でプレイを止めてしまう方がいたり、サイエンスコミュニケーションとしての狙いが適切に働かなかったりしました。(外語祭での実践と上記の課題については日本デジタルゲーム学会で報告しています。☞J-STAGE人文科学のサイエンスコミュニケーションを目的とした謎解きゲームの開発と実践 )
そこで今回は、ブリーフィングとデブリーフィングにたっぷり時間を取るといった形式の改善を試みました。イベント全体を2時間(うち謎解きゲームのプレイは1時間)としたことで、導入や解説を十分にすることができました。形式を改善したことによる効果の違いは、今後さらに分析していきたいと思います。
アイスブレイクのブリーフィングと、振り返りのデブリーフィングでは、付箋を使ったグループワークを取り入れました。書かれた付箋はグループごとにホワイトボードに貼ってもらい、ゲーム前後にテーマである「問い」を考えてもらいました。(写真は1グループのもの)
二つ目の裏テーマは、MIRAIとTReND(学際研究共創センター)の認知度を高めることでした。我々の組織は新しくできたばかりで、学内外の認知度もそこまで高くありません。ですので、今回のイベントを通して、一人でも多くの方に「外大に面白そうなことをやっている集団がいるぞ」と思ってもらえるよう心がけました。これは昨年謎解きを制作していたときにも考えていたことで、実はゲーム内に、プレイヤーにMIRAIの名前を覚えて帰ってもらえるようなちょっとした仕掛けを仕込んでいます。今回のイベントではさらに上述のブリーフィング・デブリーフィングでMIRAIとTReNDの存在がリンクするよう、話す内容を決めていきました。少しでも印象づけられていればいいなと思います。
そして最後の裏テーマは、「研究者」として名前を出して人前に立つこと、でした。今回のイベントタイトルには、副題に「研究者が作った謎解きゲームで『ことば』を楽しむ旅に出よう!」と付いています。この「研究者」の部分をどうするかは少し悩んだのですが、企画時の打ち合わせで「院生」や「博士学生」ではなく「研究者」にしようということになりました。博士課程の学生はもちろん「学生」ではあるものの、駆け出しの研究者でもあります。MIRAIではフェローシップで支援金や研究費も支給されているわけですし、いち研究者としての立場でプライドと責任をもって登壇するんだという心構えでイベントに臨みました。研究者として自己紹介するのは面映ゆい部分もありますが、良い感じに気も引き締まって参加できたと思います。(そのために普段は学会発表ですら用意することのないスピーチ原稿をしっかり書いていくという入念な準備をしました。なんと1万字にもおよぶ大作です(笑))
MIRAIのメンバーはタレント揃いですし、MIRAIとしてもTReNDとしても今後様々な対外的なイベントを打ち出していくことと思います。今回のイベントが、そのロールモデルとして位置づけられたらとても嬉しいです。 また、小林としても引き続きこの謎解きゲームワークショップを引っ提げて、色々な場所でイベントを開催する機会が生まれればいいなと密かに企んでいます。もしこれをご覧の方で、今回のようなイベントを開いてほしいという方がいらっしゃれば、いつでもお声がけください!お待ちしています!!
文責:小林真也(MIRAI2期生)
今イベントのタイトルにして、テーマとなる「問い」でした。この問いを投げかけて考えてもらうこと自体がイベントの目的であるサイエンス"コミュニケーション"であったと思います。