文責:小林真也(MIRAI2期生)

11月22日から26日までの5日間、第101回外語祭が開催されました。

今外語祭ではMIRAIから、私、小林が発起人となって人文科学分野におけるサイエンスコミュニケーションの実践となる企画を出展しました。 企画の目的は、「現代でことばを学ぶ意義」、「人文科学の学問の意義」について来場者の皆さんと意見交換をするというものです。

そのための素材として、本企画のコンテンツを2つ用意しました。

まずは展示です。題して、「ことばの謎展」。外大における学びに欠かせない「ことば」について、「謎」を切り口に来場者の皆さんも一緒になって考えてもらうという展示企画です。 展示では、不思議な言語現象について紹介したり、そのような現象に相当する具体例を来場者の皆さんに書き出してもらったりしました。

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パネルだけでなく、小林の本棚から持参した選書も置いてありました。

そして、本企画の目玉が、謎解きゲーム『塔に咲く花が示すミライ』の開催です。このゲームは一般社団法人 異言語Lab.さん監修のもと小林が中心となって制作したもので、「現代でことばを学ぶ意義」について考えるきっかけにしてほしいという思いを込めた作品です。制作過程についてはこちらの記事をご参照ください。(企画初期の記事 / テストプレイの記事

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制作会議に参加してくれたMIRAI生有志のアイデアも散りばめられており、我ながら面白い作品ができたと思ってはいたのですが、予想以上の盛況ぶりで5日間合わせて少なくとも700人以上の方が遊んでくださいました。

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LINEアプリを使用するゲームだったのですが、ゲーム用に作成した公式アカウントには多くの「友だち追加」がありました

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グラフの傾きが土日祝日の来場者数の多さを物語っています。

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休日は常時このような収容率で、どこの屋内企画よりも栄えていたような気がします。

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これは別日の光景を教室後方から撮ったもの。皆さん謎解きに悩まれています。

クリアしたプレイヤーからは、以下のようなお声もいただいています。

難しい概念についても、ゲームなら理解しやすいというゲームの良いところが存分に生かされていたと思いました。ゲームを通してことばについて真剣に考える機会を持てました。

とても難しいゲームでしたが、その分達成感が大きく、言語学習の意義についても深く考えることができました。

すごく面白かったです。人文科学の研究はあまり注目されず成果が伝わりにくいという面もありますが、社会に出て働いたり人と接するほどその重要性を感じています。 これからも社会に伝える活動を続けていただければと思います。

ほかにも、アンケートから、幅広い年齢層の方々がプレイしてくださったことや満足度が高かったことなどが伺えて、とても嬉しく思います。(参加者に比してアンケートの回収率が低いことは課題ですが......)

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10代から60代までと、幅広すぎるプレイヤー層でした。メインターゲットは高校生・大学生だったのですが、予想よりも多様な方々に体験してもらえたのは嬉しい誤算です。

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また、MIRAI生の研究ポスターの展示も行いました。多くの方が足を止めてくださり、ポスターの内容について質問されることもしばしば。

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おかげさまで、初日には何もなかった模造紙にも、会期が終わる頃にはこのようにいろいろな意見やアイデアが貼られていました。 「現代でことばを学ぶ意義」、「人文科学の学問の意義」について来場者の皆さんと意見交換をするという企画の目的も、目に見える形で実現できたと思います。

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自分や身近な人が使っているオリジナルなオノマトペを書いてもらっています。中には語感から全く意味が想像できないものもあって面白かったです。

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こちらは認知言語学における「共感覚比喩」の実例を収集する実験的な展示。MIRAIの責任者である中山先生も具体例がすぐに出ないようで、「宿題にする」と仰っていました。

以上、外語祭にMIRAIが出展したことについてのレポートでした。 会期中はあまりにも来場者が多く本当に大変でしたが、ふだんあまり関わりのないような一般の方ともお話しすることもでき良い経験になりました。

MIRAIの認知拡大にも貢献できたのではないかと感じています。来年もこの路線を続けるかはわかりませんが、何かしらの活動を通して存在感を示していけたらいいですね。