この度、MIRAI-4期生の大竹 美由紀さんが、以下のとおり論文発表を行いました。

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発表日:
 2026年3月31日

区分:
 論文

発表した書籍:
 『クァドランテ』第28号

題目名:
 親孝行規範に翻弄される中国家族と介護の外部化 −Rose K. Keimig, Growing Old in a New China 書評−

概要:
 本書評論文では、中国雲南にある介護施設の入居者をエスノグラフィー調査した『Growing Old in a New China』(Rose K. Keimig、2021)を対象に、これまで家族が担ってきた高齢者介護の外部委託と親孝行意識の変化の間にある関係性を整理し、通信技術やAIといった新しい高齢者扶養の手段の登場における親孝行の実践と解釈の再編の考察へと繋げた。具体的には、Keimigの施設を舞台とした家族関係や孝養的実践の描写により、家族間の平穏な孝行関係を維持するため孝養的実践は柔軟に形を変えることができ、その実践の一つとして介護の外部委託が機能していることが分かった。これに基づき本論文の考察では、親子間の孝行関係を支える実践の一つとしてデジタル機器が捉えられる可能性を示した。それと同時に、本考察では、利用者らが親孝行規範から逸脱しないことに固執するあまり、ケアされる側のためのケアとは何かを見落とす危険性を指摘した。

発表の動機:
 執筆者は、IT介護時代の家族倫理が中国社会における介護施設の登場と共に再編されてきた家族倫理の延長線上にあることに気づき、介護の外部委託の過去事例として介護施設への入居と親孝行意識を問題意識の出発点としたKeimigの同書の書評を通し、自身の研究を捉え直そうと考えた。