• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

Exchange Students活動記録

活動記録

協定校PIASSへ訪問した学生から【ご報告】がありました

2023年10月11日

2023年8月に東京外国語大学の学生たちが協定校であるルワンダのプロテスタント人文社会科学大学(PIASS)を訪問し、その時の様子などをまとめて記事にしてくれました。

PIASS訪問記 報告:アフリカ地域専攻2年 

山本貴仁・脇里々花

アフリカ地域専攻の有志8名で2023年8月に本学の協定校であるルワンダのプロテスタント人文社会科学大学(以後PIASS)を訪問しました。

PIASSと外大の間では、留学生の相互派遣など活発な交流が行われてきました。2022年度に外大で学んでいたPaulさんとJatoさんの多大な協力があり、今回の訪問が実現しました。

本稿では、PIASSへの訪問についてご報告します。

写真1:PIASS正門

PIASS1.png

1. 訪問の目的

 PIASSにはたくさんの元外大留学生が在籍しており、ルワンダで元留学生たちと再会し、そしてPIASSの学生と文化交流や両国の歴史を共に考えることで、日本とルワンダの関係をより一層強化なものにすることを目的として訪問しました。オンラインで繋がることができる現代ではありますが、現地に実際に赴き、自分達の目で確かめ直接対話することの重要性を痛感する訪問でした。

2. PIASSの先生方・スタッフ・学生への訪問

 PIASSで働かれている先生やスタッフの方々のもとを訪問しました。副学長のPenine Uwimbabazi教授を表敬訪問し、PIASSと外大の深い関係性について確認し、学生間での活発な交流も続いていくことを期待されていました。(写真2)PIASSで教えられている佐々木先生ともお話しし、先生がルワンダで行われてきた活動などをご紹介いただきました。(写真3)この他、さまざまな教授やスタッフの皆さん、RodrigueさんやPatrickさん、Amisiさんなど元外大留学生ともお会いしました。(写真4)ルワンダの地で再会できたことは感慨深いことです。フイエ滞在中は、PIASSの学生と、元PIASSの留学生でルワンダで現在調査をされている高尾さんにも大変お世話になりました。この場をお借りして感謝します。

写真2:Penine Uwimbabazi副学長を表敬訪問

PIASS2.png

写真3:佐々木先生

PIASS3.png

写真4:Abraham教授宅

PIASS4.png


3. 文化交流イベントの実施

 PIASSでのイベントは二部に分けて行い、前半は文化交流、後半は日本の戦後とルワンダのジェノサイド後の復興の比較についてプレゼンとディスカッションを実施しました。文化交流では日本の文化をPIASSの学生たちに体験してもらいました。折り紙、習字、けん玉、オノマトペの4つに分かれて一緒に楽しみました。習字では一人一人の名前の音をもとに漢字の当て字を考え、筆で書きました。

写真5:イベントポスター

PIASS5.png

写真6:習字を楽しむPaulとMoses

PIASS6.png

写真7:折紙体験中

PIASS7.png

写真8:けん玉体験中

PIASS8.png

プレゼンは、外大側から日本の戦後復興とルワンダのジェノサイド後の復興について、経済面と精神面に分けて行いました。日本の第二次世界大戦に関わる歴史について簡単に説明した後、両国の経済成長とそれを支えたものについて触れ、両国の復興の共通点や相違点についてディスカッションを行いました。その後、平和的な国づくりの方法として、日本については日本国憲法や教育改革など、ルワンダについては民族区分の廃止やガチャチャ裁判などについて触れました。ディスカッションのパートでは、歴史をどのように次世代に伝えていくかや、政策の問題点についてなども議論しました。PIASSの学生の出身国は様々で、それぞれの国の話を踏まえた内容となり、活発な議論となりました。(写真9)

PIASS9.png

写真9:ディスカッションの様子

イベント後、校舎の前で記念撮影をしました。(写真10)

PaulとJatoをはじめ多くの方々のご協力のもとイベントを行うことができ、非常に貴重な機会となりました。ありがとうございました。

PIASS10.png

写真10:集合写真

一緒に企画をしてくれた元外大留学生のJatoとPaulからのメッセージが届いていますので紹介します。PIASSがあるフイエ滞在中、2人は私たちが寝ている時以外は常に滞在のサポートをしてくれました。2人がいなければ、この訪問はうまくいかなかったでしょう。本当にありがとうございました!We appreciate Jato and Paul's great cooperation to us. Thank you so much!

【Jatoさんからのコメント】

I want to express my heartfelt gratitude for the outstanding networking event that brought together students from Tokyo University of Foreign Studies in Japan and PIASS Rwanda. This event was not only a unique and enriching experience but also held profound significance in fostering mutual exchange and understanding. The inclusion of calligraphy and Japanese craft sessions was not merely about learning new skills; it symbolized the beauty of cultural exchange. It allowed us to appreciate the intricacies of Japanese traditions and arts, while adding to the cultural heritage from Rwanda. This cultural exchange is a testament to the importance of preserving and celebrating diversity. Engaging with fellow students across continents and disciplines provided fresh perspectives on shared research interests. It underscored the power of collaboration in addressing global challenges. By working together, we can tackle complex issues more effectively and generate innovative solutions. Where some students could exchange ideas with others. The presentations comparing postwar/genocide reconstruction and future issues in Japan and Rwanda were eye-opening. They revealed the remarkable progress both nations have made in the face of adversity and highlighted the commonalities in our struggles and aspirations. These presentations prompted meaningful discussions on resilience, reconciliation, and the path to a brighter future. This networking event was not just about academic or cultural exchange; it was about building bridges of friendship and understanding. It transcended geographical boundaries and emphasized our shared humanity. Such connections are invaluable in a world where global challenges require global solutions. Also, it was great to have a view about the tea and coffee plantation farm tour where we could have a beautiful view and better understanding of the process. Not forgetting the organization, we did where I had to book the hotel for the two days stay in Huye. And where Paul and I had to pick the Japanese students from the airport to Huye it was great though had some little delays at the park. In conclusion, the significance of this networking event cannot be overstated. It exemplified the power of mutual exchange to bridge gaps, create lasting connections, and inspire us all to be more empathetic and globally conscious individuals. I eagerly anticipate future opportunities for collaboration and mutual exchange between our institutions, as they hold the promise of a more connected, compassionate, and harmonious world.

【和訳】

日本の東京外国語大学とPIASSルワンダの学生が一堂に会する素晴らしいネットワーキング・イベントに心から感謝申し上げます。このイベントは、ユニークで豊かな経験であっただけでなく、相互交流と相互理解を深めるという深い意味を持っていました。書道と日本の工芸のセッションが組み込まれたことは、単に新しい技術を学ぶということではなく、文化交流の素晴らしさを象徴するものでした。ルワンダの文化遺産を追加しながら、日本の伝統と芸術の複雑さを理解することができました。この文化交流は、多様性を守り、尊重することの重要性を証明するものでありました。大陸や専門分野を超えた仲間との交流は、共通の研究テーマについて新鮮な視点を与えてくれました。それは、世界的な課題に取り組む上での協力の力を浮き彫りにしました。協力することで、複雑な問題により効果的に取り組み、革新的な解決策を生み出すことができます。日本とルワンダの戦後/ジェノサイド復興と今後の課題を比較したプレゼンテーションは、目を見張るものでした。逆境に直面した両国が目覚ましい進歩を遂げたことを明らかにし、私たちの苦闘と願望に共通点があることを浮き彫りにしました。これらのプレゼンテーションは、回復力、和解、そして明るい未来への道筋についての有意義な議論を促します。このネットワーキング・イベントは、単なる学術的・文化的交流ではなく、友情と理解の架け橋となるものでした。それは地理的な境界を超え、私たちが共有する人間性を強調するものでした。このようなつながりは、グローバルな課題がグローバルな解決策を必要とする世界において、かけがえのないものです。また、紅茶とコーヒーの農園見学では、美しい景色を眺め、その過程をより深く理解することができました。忘れてはならないのは、フイエでの2日間の滞在のためにホテルを予約しなければならなかったことです。また、ポールと私が日本の学生たちを空港からフイエまで送迎したのですが、公園で少し遅れたものの、それは素晴らしいことでした。結論として、このネットワーキング・イベントの意義はいくら強調してもしすぎることはないものです。相互交流が溝を埋め、永続的なつながりを生み出し、私たち全員がより共感的でグローバルな意識を持った人間になるよう鼓舞する力を例証してくれました。私は、両大学間の協力と相互交流の今後の機会を心待ちにしています。なぜなら、よりつながり、思いやりがあり、調和のとれた世界が約束されているからです。

【Paulさんからのコメント】

The networking visit of the African major students of TUFS at Protestant Institute of Arts and Social Sciences (PIASS) in Rwanda on 30th August 2023 was the first of its kind at PIASS in how it was prepared, conducted and the impact it is likely to bring. PIASS students were interested in the programs relating to the Japanese culture: calligraphy, origami among others. The presenters adopted a more facilitation-oriented style of disseminating the information, participants clearly gave their views while responding to interesting questions triggering constructive debate over post-war reconstruction. While students from TUFS addressed both Rwandan and Japanese context in relation to postwar reconstruction, a more two-sided exchange on cultural point of view can add an accent to such a successful event. Students at PIASS developed an interest in Japanese culture, making fun of writing their names in Japanese. Our recent visit of students from Momoyama Gakuin University, a number of PIASS students wrote their names in Japanese characters and those who could not make it were eager to learned. Well, the visit of TUFS students left such an interesting legacy.

【和訳】

2023年8月30日にルワンダのプロテスタント人文社会科学大学(PIASS)で行われた東京外国語大学のアフリカ専攻学生とのネットワーク訪問は、その準備、実施方法、もたらすであろう影響において、PIASSでは初めての試みでした。PIASSの学生たちは、書道や折り紙などの日本文化に関連したプログラムに興味を示していました。プレゼンターは、よりファシリテーションを重視したスタイルで情報を発信し、参加者は自分の意見を明確に述べ、興味深い質問に答えることで、戦後復興に関する建設的な議論が展開されました。東京外国語大学の学生は、戦後復興に関連するルワンダと日本の両方の文脈を取り上げたが、文化的観点からの双方向の交流は、このような成功したイベントにアクセントを加えることができるでしょう。PIASSの学生たちは、自分の名前を日本語で書くことを楽しみながら、日本文化への興味を深めていきました。先日の桃山学院大学の学生の訪問では、PIASSの学生の多くが自分の名前を日本語で書き、来られなかった学生も熱心に学んでいました。さて、東京外国語大学の学生の訪問は、このような興味深い遺産を残しました。