2020年度 活動日誌

3月 活動日誌

2021年3月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

3月に入ると、春の陽気が訪れて、心地よく過ごせる時間が長くなると思っていましたが、意外にも太陽が顔を出さない日が多く、特に中旬は肌寒い日が続きました。厚手のガウンやセーターが手放せず、着る服に迷う毎日でした。(この日誌を書いている日は気温が30度近くまで上がり、ようやく衣替えができそうです)曇ってばかりで雨が全然降らなかったため、今台湾では深刻な水不足が発生しています。17か所あるダムで水位が50%にも満たず、そのうちの半数以上のダムでは20%を切っているとのことです。来月から天気が良い日が続くため、状況が悪くならないか心配しています。

新学期が始まり、クラスメイトから「日本語の相談に行ってもいい?」と聞かれることが増えてきました。先月新しく作成したチラシの評判が良く、学科の掲示板に貼ってあるのをみたよと、声をかけられることが多くなりました。(以前から貼っていたのですが…)

先月メールで「面接の練習をしたい」と連絡をくれた日本語学科2年生の学生がGJOに来てくれました。てっきり、就職のための面接だと思っていたのですが、学内で行われる交換留学のための面接でした。入室の仕方やおじぎのタイミングなどを確認して、面接で実際に聞かれそうなことを質問しました。留学の目的や動機が明確だったので、あまり問題はなさそうに見えました。緊張せずに、リラックスして頑張ってください、とアドバイスをしました。

日本語学科修士2年の学生が、授業で読む論文の内容を聞きにきました。論文の文章は難しい言い回しが多く、内容を理解するためにできるだけ簡単な言葉で説明しました。この学生は、日本の大学院の博士課程に進みたいと希望していたため、東京外国語大学の資料を渡しました。

日本語学科の学生たちの授業で発表する日本語原稿の添削も行いました。淡水の文化や芸術について書かれた文章で、直接アーティストにインタビューをしたり、淡水の歴史についても触れられていたり、読んでいてとても勉強になるような内容でした。淡水は昔港町として栄えた場所で、他国との交流が盛んに行われました。遺跡や当時の建造物もたくさん残されており、散歩するだけで歴史を感じることができます。コロナが終息したら、日本の学生さんたちにぜひ淡水の魅力を肌で感じてほしいと切に願っています。

今月末から学校が春休みに入るため、4/5(月)も文学館に立ち入ることができません。日程を調整して、他の曜日も開室しようと考えております。

2月 活動日誌

2021年2月28日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

(写真は台中の清水区にある伝統的な市場の様子です)

1月の期末テストが終わると、学生たちは続々と冬休みに入り、2月の頭からキャンパス内やGJOオフィスのある文学館も人の気配がなくなり、寂しい雰囲気でした。GJO台湾のFacebookページを開設して、冬休みの期間はオンライン上で学生たちと交流する予定でしたが、よくGJOを訪れてくれる学生たちも旧正月の準備に忙しいらしく、反応はありませんでした。

今年の旧正月は日本に帰ることができないので、寂しい休暇になるかなぁと思っていましたが、友人に誘われて、台中で年越しをすることができました。

昨年はコロナウイルスの流行が発覚したころだったので、お正月の買い出しで賑わう市場から人がいなくなり、例年にない寂しい旧正月だったらしいのですが、政府や市民の強力な連携のもと、コロナウイルスの流行を抑え込めた今年の旧正月はまたいつもの活気を取り戻せたと、皆嬉しそうに話していました。

旧正月が終わり、来月に外部の大学で発表がある大学院生2名の日本語添削を行いました。淡江大学日本語学科修士課程では、卒業するためには学内での論文発表の他に外の大学でも論文発表を行う必要があります。(外部での論文発表に参加できない場合、学会の当日スタッフを2回手伝えばいいというルールもあります)。大学院生なので、大きな日本語の間違いはありませんでしたが、自動詞と他動詞の違いや受け身の表現など、より自然なニュアンスになるように調整しました。

論文は昔の文学作品を扱ったものだったので、内容を把握することに少し時間がかかりました。文章の添削は、簡単なようにみえて実はとても時間と頭を使います。GJOの勤務時間中に終わらせたいのですが、ふと「あ、あの文章にはこの言葉のほうがニュアンスが伝わる」と思いつき、何度も修正を繰り返します。

私自身は中国語で論文を書くことが想像すらできないので、難しい日本語を使う学生たちをみていつも尊敬の念を覚えます。

来月(3月)に面接の練習をしたいという学部生からの問い合わせがあったので、GJOオフィスに置いてある本を参考にしながら、面接対策に取り組みたいと思います。

1月 活動日誌

2021年1月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

台湾では1月1日は、1912年1月1日に南京にて臨時政府として中華民国が建立したことを記念して祝日となっていますが、お正月の雰囲気はあまりありません。日本の家族や友人から次々と届くお祝いLINEを横目に見ながら、演劇を観に行きました。劇場ホールやお店も通常通り営業していて、普段の休日とあまり変わらない様子でした。

コロナウイルスに関しては、1月1日から外国人からの入境がより厳格化され、入境の際、PCR検査の陰性証明書の提出が義務付けられました。陰性証明書を提出したにも関わらず、隔離期間中に感染が確認される人も多く、コロナ対策で世界的に評価されている台湾とはいえ、海外からの感染者を完全に防ぐことは難しいようです。

今月は桃園の病院で医療関係者がコロナウイルスに感染してしまい、ウイルスの潜伏期間中に立ち寄ったレストランや公共施設が消毒されたり、そこで働いていた人が自主隔離を求められたりしました。

期末テストがあったからなのか、コロナウイルスの影響からか、GJOに来た学生の滞在時間は長くありませんでした。来客がない日もあり、少し寂しい月でした。

1月4日に、日本語学科の台湾人講師がGJOオフィスを訪れてくれました。学生たちへの日本語指導について、簡単なアンケートに答えました。

数か月前から日本の大学のオンライン授業に参加している学生のサポートをしていましたが、学生の日本語レベルが高くて、ほとんどサポートがいらない状態でオンラインプログラムを修了していました。

淡江大学で日本語を学ぶ学生は、学習意欲も高く、言語レベルも非常に高いと感じます。もっと学生の個性に合わせて指導できたらと、自分の能力不足に対して歯がゆく感じることもあります。

2/5から2/18まで、淡江大学が冬休みに入るので、GJOオフィスへの立ち入りができなくなります。そのため、新たにFacebookページを開設して、冬休みの期間はオンライン上で学生たちと交流する予定です。

12月 活動日誌

2020年12月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

冬の台湾は、気温自体さほど低くないのですが、暖房が無く、窓を開けている教室も多いので、寒がりの私にとって辛いです。湿気も多いので、体感温度がより低く感じます。校内ではダウンコートを着ている学生の姿が目立ち、みんな身を寄せ合って歩いています。GJOの教室も暖房や窓が無いので教室を開けると冷え冷えとした空気を感じます。そんな中、今月は授業発表の課題のため、多くの学生がインタビューに訪れてくれました。

特に「日本人の排他性」というテーマでインタビューしに来てくれた学生と、部落問題、在日問題、最近の外国人研修制度(技能実習制度)についてお互い思ったことをシェアしました。外国人が多く住んでいる京都での生活の中で、こういった差別はとても身近な存在でした。台湾には、たくさんのエスニックグループが存在しています。様々なバックグラウンドを抱えた人々がお互いを理解し、尊重し、共生し合うための教育が優れていると感じます。差別やいじめの問題はどの社会にも存在していますが、そういった問題を隠蔽したり、排除するのではなく、公にしてみんなで解決していく姿勢を見習っていきたいと思います。

他にも、日本語学科の先生から依頼されて、選択授業の学生たちのレポートを添削しました。学生から送られてきた原稿を、自宅で直してからコメントとGJOのチラシをつけて送り返したところ、次の日、GJOまで分からないところを聞きに来てくれました。まだ日本語を勉強して1年しか経っていないのに、日本語のレベルがとても高かったので、どうやって日本語を勉強したのか聞いたところ、やはりドラマやアニメで日本語を覚えたとのこと。ただ、レポートはGoogle翻訳を使いましたと言われて、その正直さに思わず笑ってしまいました。

12/14の夜から、日本語学科の演劇実習の場に招かれ、俳優としての経験をシェアしました。1時間ほどの短い公演でしたが、終わってから何人かの学生たちが質問にきてくれて嬉しかったです。外国語での演劇創作は本当に大変ですが、自分の身体を使って日本語を話すことで、より言語が身につくと期待できます。来年の公演と学生たちの成長が楽しみです。

今月は253日ぶりに本土感染が出てしまい、よりコロナに対して緊張感が高まりました。幸い、今のところ拡大はしていませんが、いつ、だれが、どこで感染してしまうのかが分からないところが本当におそろしいです。更に1月1日から、留学生のビザ申請を延期すると衛生局から発表がありました。東京外国語大学の学生さんが台湾に研修に来ることも難しくなりそうですね。2021年中になんとか全世界で終息してもらいたいものです。

11月 活動日誌

2020年11月30日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

11月になりました。まだ半袖で過ごせる気候で、外のベンチでご飯を食べたり、ベンチで寛ぐ学生が多いです。雨が降る日も少なく、今年の冬は過ごしやすそうです。

台湾ではしばらく国内感染が出ていませんが、外国帰りの台湾人や、仕事で台湾にくる東南アジアの人たちの感染がほぼ毎日確認されています。なので、公共の場では必ずマスクが必要ですし、教室に入るときも体温測定を行っています。台湾では、コロナ対策が第一の生活様式が定着しています。

選択授業で日本語を履修している化学部の学生が、中間テストの会話練習のために来てくれました。テストの内容は、5分前に先生からテーマを渡され、日本語を使って自由に会話するというものでした。ちょうど以前のGJO担当の先輩が色々なテーマが書かれたクジを残していてくれたので、それを使って練習しました。

「最近幸せだったこと」「日本のお菓子についてどう思うか」「修学旅行について」など、様々なテーマがありましたが、「幸せだったことはないです」「日本のお菓子について特に何も思わないです」という答えが返ってきて少し困りました。こちらから色々質問してみると、ようやく会話が弾みました。会話にはきっかけが必要で、そのきっかけを自分から生み出すことができればきっとテストはうまくいくよ、と思いながら練習に付き合いました。

12月1週目の日曜日に日本語検定試験があるので、その試験対策も行いました。インターネットに載っている問題を見ながら、単語の意味や読み方について一緒に勉強しました。N1の問題は日本人にとっても難しく感じられたのでが、すらすらと問題を解いていく台湾人学生を見て驚きを隠せませんでした。

他にもオンライン授業に参加する学生のサポートを行いました。日本語がつまったときに中国語から日本語へ翻訳したり、授業の進行状況を説明しました。

来月はGJOの勤務後、日本語学科の学生対象に演劇の講演を行う機会をいただいたので、そのときにGJOの宣伝もしようと思っています。

10月 活動日誌

2020年10月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

10月に入り、少し気候が落ち着いてきました。小雨の降る日が続き、夜は冷えましたが、日中は半袖か薄手の羽織物だけで十分快適に過ごせます。ただ、教室に入ると、外の気温が低いのに真夏と同じようにクーラーがかかっているので、室内では逆に寒さを感じました。一年のほとんどが暖かいので、台湾の人は暑がりのようです。

先月は日常会話を練習したい学生が来ていたのですが、今月から授業で課題がたくさん出ているのか、宿題を聞きにくる学生が多かったです。宿題を手伝うときに、どのように日本語を直せばいいのかとても悩みます。文法の間違いを直しても、どう間違っているのかを丁寧に説明できなければ、学生はそのまま間違いに気づかず、結局のところ本人のためにならないのではないかと思うこともありました。奨学金の申請書類も、学生が書いた間違った日本語を正しい日本語に直すことはネイティブなので簡単ですが、この内容では書類が通らないのではないかと思ったときに、本人の書いた言葉に修正を加えるべきなのか悩みました。内容に関して簡単なアドバイスだけはしましたが、余計なお節介だったかもしれないと後から思いました。

10月後半には、日本語を教えたことのある日本人にインタビューをしたいという学生が来室しました。日本語を教えるうえで大切にしていることはなんですか、という質問や、日本語を教えるにはどんな能力が必要だと思いますか、と聞かれました。私はまだまだ経験値が少ないので、上手に答えることはできませんでしたが、日本語の豊富な知識の他に、コミュニケーション能力と柔軟性が必要だと答えました。日本語を勉強したい学生のサポートをする中で、私も日本語に関する知識が身につき、本当に色々な面で勉強になります。

9月 活動日誌

2020年9月30日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

長かった夏休みが終わり、キャンパス内に活気が戻ってきました。サークル活動の勧誘を受けている新入生に話かけたり、日本語学科の先生にご協力いただき、授業中にGJOの活動について報告したりしました。その甲斐もあって、今月は多くの学生がGJOに遊びに来てくれました。

日本語学科の同級生が、翻訳の相談に来ました。

最近観た日本のアニメで出てきた台詞で、「いくつになっても君を愛する」という恋人同士の台詞の中の「いくつ」という言葉が、中国語で「何個でも」という訳になっていたので、合っているかどうか聞かれました。いくつになっても、は何歳になっても、という意味ですよ、と答えました。

日本語学科の学生たちの多くは日本のサブカルチャー(漫画、アニメ、ゲームなど)にとても興味を持っており、将来はそういった方面で仕事をしたいと考える学生も少なくありません。彼らにとってはアニメや漫画が日本語の教科書です。私もサブカルチャーが大好きなので、話が盛り上がりますが、時々、私でも知らない深夜枠で放送されているマニアックなアニメの話になることもあり、舌を巻くことも多いです。

台湾の他の大学で行われた日本語学会の資料を持ってきた学生もいました。その中に出てくる「田楽」の意味を聞かれ、日本の伝統芸能の歴史を少し紹介しました。サブカルチャーの知識が豊富な学生は多いのですが、日本の伝統芸能に関してはあまり知られていない現状です。

去年からGJOに来ている学生は、来年日本での留学を考えています。日本での留学生活の相談に乗りました。都心ではなく田舎の大学に留学することを考えているので、交通が不便かも、という話になり、だったらいっそのこと中古の車を買って色々なところに遊びに行く!というポジティブな意見が出て、たくましくて良いなと思いました。

授業で発表するPPTの日本語を直してほしいという相談もありました。台湾と日本の教育実習の違いについて書かれており、私もとても勉強になりました。

来月は日本の国立大学の授業にオンラインで参加する学生の日本語サポートの依頼や、日本語学科で毎年6月に行われている演劇実習の指導と日本語サポートの準備もあり、益々GJOの活動が盛り上がりそうです。

GJO淡江ポスター

8月 活動日誌

2020年8月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

8月に入り、台湾はいよいよ本格的な夏がスタートしました。校舎内は夏季講習に訪れる一般の方や、大学院編入試験を受ける学生の姿がありましたが、7月同様寂しいキャンパス内でした。予定していた京ことばWSも、連絡を取っていた同級生に提案してみると、今月は人が集まらなさそうだから9月末の開催にしてはどうかとアドバイスをもらい、チラシの日程を書き換えました。

GJOの事務所に訪れてくれた学生はごく僅かでしたが、オンラインで日本語論文の添削を頼まれ、応じました。日本語学習歴の長い学生の書く論文はほとんど直すところはありませんでしたが、「訳した訳文」など、ネイティブの日本人でもうっかり書いてしまいがちな二重表現をいくつか見つけました。今まで簡単な会話練習や文法指導などの経験はありましたが、論文は使われている言葉や論じられている内容もレベルが高く、自身の日本語能力を試されているような気持ちになりました。

11月に構想発表を控えている台湾人学生の力になれるように自身の日本語能力も向上させていきたいです。

9月14日から新しい学期が始まります。学校が始まったら、学部の授業中にGJOのチラシを配布して、日本語学科ではない学生にもGJOを訪れてもらえるように土台を固めていこうと考えています。

7月 活動日誌

2020年7月31日
台湾オフィスコーディネーター 岩澤 侑生子

今月からGJO台湾の担当になりました、岩澤侑生子と申します。これまで培ってきた経験や知識を生かし、日本語を学ぶ淡江大学の学生の学習サポートや留学相談など、責任を持って担当いたします。どうぞ宜しくお願いいたします。

初めての日誌ですので、ご挨拶も兼ねて簡単に自己紹介いたします。

私は京都出身の34歳です。実家はお寺の鐘や仏像を鋳造しており、日本国内だけではなく、世界各地に平和の鐘を納めております。ここ台湾にもいくつか実家が鋳造した梵鐘があり、留学中に訪れたいと思っています。

実家は京都の太秦にあります。渡来系の秦氏ゆかりの地であり、遺跡もいくつか残っております。そして太秦は、映画の街でもあります。小さいころからお芝居に興味のあった私は、近くにあった東映京都撮影所にお世話になり、様々な作品に子役として出演しました。

その後、本格的に演技を学びたいと思い、京都造形芸術大学の映像・舞台芸術学科に入学しました。卒業後、上京して、新国立劇場演劇研究所で三年間研修を受けました。

しばらく東京で俳優の仕事をしていましたが、30歳を目前に海外で自分を鍛えなおしたいと考え、ワーキングホリデーの制度を利用して台湾に行きました。台湾の魅力に心を奪われた私は、2018年に台湾教育部華語文奨学金を受け取り、輔仁大学の中国語センターで1年間中国語を学びました。その過程の中で、日本統治時代の台湾と日本の関係や、当時の演劇運動に興味を持ち、淡江大学日本語文学学科の院生として研究を続けることを決めました。現在は論文執筆のための研究と並行して、台湾のCMや映像作品に出演しています。

長くなってしまい、失礼いたしました。以下、今月の活動日誌です。

学生たちは6月末頃から夏休みに入り、普段は学生たちの憩いの場として賑わっているGJOの事務室がある文学館の周辺も人影がなく、キャンパス内は落ち着いた様子でした。1週目はチラシの制作作業や、所蔵資料の確認を行いました。2週目は大学自体がお休みになり、文学館に立ち入りできない日もありました。その間は今後のイベントについての計画を練ったり、チラシをみて電話をくれた同級生から日本語に関しての質問を受けました。

3週目以降は同級生の呼びかけもあり、何人かの学生が事務室を訪れてくれました。

事務室の近くにある木の上で、台湾の国鳥である台灣藍鵲(ヤマムスメ)の雛が生まれ、その下で様子を伺っていると、親鳥から攻撃を受けてしまいました。

そんな話をGJOに訪れた学生と話していると、日本の国鳥について聞かれました。てっきり朱鷺や鶴が日本の国鳥だと思っていたのですが、調べてみるとなんと雉でした。昔の一万円札の裏にも描かれていましたね。

他にも国花(菊)、国石(水晶)、国蝶(オオムラサキ)、更に国菌(麹)なるものも存在することを知り、学生と盛り上がりました。

今月は猛暑日が続き、7月の気温としては過去最高の38.9度を更新し、正門からエレベーターの無い文学館の6階までたどり着くまで滝のような汗をかく日が続きました。実家に帰省する学生も多く、猛暑の影響でなかなか外出できない学生は、電話やLINEを使ってオンライン相談をしてくれました。もう少し気候が落ち着いてくれれば、GJOを訪れてくれる学生も増えるのではないかと期待しています。

来月は出身である京都の方言、京ことばのWSイベントを開催する予定です。

6月 活動日誌

2020年6月30日
台湾オフィスコーディネーター 斎藤 郁哉

6月になり、台湾はすっかり夏の様相を呈してきました。38度を超える日もあり、真夏日が増え、外に出るのが億劫な季節となりました。

台湾では6月に入ってから新型コロナウイルスに対しての規制が大幅に解除され、淡江大学では体温検査が全面的に不必要となりました。このまま収まっていくことを願うばかりです。

今月も交流やチャットなど普段通りの活動を行い、日本のマナーや日本と台湾の漢字が話題に挙がりました。マナーについては社会に出てから必要なものについて話し、例えば名刺交換の仕方について話しました。日本で就職を考えている学生もいたので、そういった日本において必要なマナーを紹介することができたと思います。漢字については、日本で使う漢字と台湾で使っている漢字(繁体字)が話題に挙がり、両者では似ているけど違う漢字もあり、テストではバツにされる可能性もあるということで話しました。例えば、「戻」という漢字であれば台湾の場合には「戾」のように書き、比べた際に点があるかないかという違いがあるので、気を付けなければならないということで話しました。また、今月は来室してくれた学生に日本での就職活動について聞かれました。就職活動の仕方は日本と台湾では大きく異なり、面接ではどのように答えればよいのかや履歴書はどのように書けばよいのかといことで話しました。質問してくれた学生は面接での答え方に違和感があるようで、なぜそのように答えなければいけないのかということについても説明しました。

今月は例年通り七夕のイベントを行いました。しかし、例年とは少々やり方を変えて、一日限りのイベントということではなく、来室してくれた際に短冊を書いてもらうという方法をとりました。書いてくれた学生のほとんどが4年生でしたので、将来に向けたお願いごとが多かったように感じます。

写真① 七夕のイベント

私が今月で最後の業務ということで、最終日にはよく来室してくれた学生たち集まってくれて、中には差し入れなどを持って来てくれた学生もいました。後任の方には引継ぎを行っており、今後ますますGJO淡江大学が発展していくことを願います。

写真② 最後の記念写真

5月 活動日誌

2020年5月31日
台湾オフィスコーディネーター 斎藤 郁哉

5月に入り気温が30度を超える日も増えてきましたが、例年と比べるとやはり涼しいと感じる部分があります。また、5月後半からは梅雨に入ったようで雨の日も増えてきました。気圧の変化で体調を崩しやすくなるという話も聞くので十分注意したいところです。

新型コロナウイルスの影響で先月から淡江大学構内に入る出入口が制限されておりましたが、今月の途中から解除となり以前と同様に構内に入れるようになりました。また、建物ごとに検温が行われていましたが、いくつかの建物では必要なくなり、徐々に規制も緩くなってきました。周りを見てもマスクを着用している人も減ってきたので、そろそろ落ち着いてくるのかなと感じています。

今月も普段通りのチャットや交流などの活動を行い、日本語の宿題のアドバイスがほしいという学生や、大学卒業後の進路として日本を考えている学生が相談で来室してくれました。日本語の宿題については、決まった文法を使って文を作る宿題で、助詞の使い方などでわからないところがあったようなので説明をしました。進路の相談については、日本の大学院へ入学したいとのことで以前も相談に来てくれた学生で、現在は新型コロナウイルスの影響や7月の日本語能力試験が中止になったことを受け、別の進路についても検討しているようでした。ネットで調べながら、情報提供をしました。

私自身が来月を以てGJOコーディネーターを辞めるということで、後任の方に活動や業務について説明をしました。自分がどのような活動してきたのかということに加え、他にどのようなことをするのがより良いのかということでお話ししました。うまく引き継げるようにしたいと思います。

来月は昨年と同様に七夕のイベントを行おうと考えております。しかし、来室してくれる学生の多くは4年生であり、6月は忙しい時期でもあるので、方法については検討したいと思います。

4月 活動日誌

2020年4月30日
台湾オフィスコーディネーター 斎藤 郁哉

4月の前半は雨や曇りの日が多く、例年と比べても気温が低く、台湾にしては寒い日が続いていました。

4月に入ってから淡江大学では、新型コロナウイルスの影響で新たに、授業を受ける際にはマスクの着用が必要であったり、100人以上の授業は人数を減らして遠隔授業にするといった対策が取られました。また、淡江大学構内に入る出入口を減らし、入る際には学生証の提示が必要であったり、大学での統一の中間・期末テストは中止にして、テストをするかどうかは各授業担当の先生に委ねるなどといった対策も取られております。こうした中でも日本語の宿題のチェックや授業で使っているプリントに出てくる漢字の読み方を教えてほしいという学生や、卒業レポートの日本語をチェックしてほしいということで来室してくれた学生がいました。日本語の宿題については、いつも通りなぜこうなるのかといった説明を加えチェックしました。漢字の読み方についてはそのままどう読むのか教えました。また、学生が授業で使っているプリントや教材から話題が発展する事も多く、その日にチェックしていたものは台湾の同性婚の法律に関わる内容で、学生の話によれば台湾には民法、刑法とは別に専法というのがあるようで、こちら側も初めて知ることであり、台湾の学生たちと話しをしているとこういったことがあるのでこちらも勉強になります。

卒業レポートの日本語のチェックについては、学生がメールで送信してきたものをチェックして返信しました。無事提出できたとのことだったのでよかったと思います。

GJOに来室してくれた学生とはやはり新型コロナウイルスに関係した話になります。台湾では状況がそこまでひどくはないですが、日本では緊急事態宣言が出され心配していた学生もいました。また、卒業旅行で日本旅行を計画していた学生がおり、私も交通手段や観光地などで相談にのっていたので、こうした状況になり、卒業旅行を中止せざるを得ないということで4年生の学生たちのことを考えるととても残念に思います。

4月に入ってから新型コロナウイルスへの対策が強化され、GJOの活動も一時休止を検討していましたが、現在状況はそこまで悪くはないのでひとまず引き続き活動をしていきたいと思います。

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