東京外国語大学
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活動報告

世界ビジネスシリーズ講演会「トランプ大統領の政策動向とメキシコ」開催報告

2017.10.24

開催概要

講師: 眞銅 竜日郎 氏 (日本貿易振興機構(JETRO)前理事)

場所: 東京外国語大学学内

主催: 社会・国際貢献情報センター

開催日

2017年10月23日(月)

概要/内容

講演日はまさに台風に巻き込まれようとしていた。主催者側としては、交通路がマヒし、講演実施不可能な場合には早めにセンターHPにその旨掲載すべく準備していた。他方で、講師からは「1名でも聴講者がいる場合には何とか実施したい」との意向が示されていた。当日は、一部交通の混乱はあったものの、幸いなことに、開催にこぎつけることができた。聴講者は学生が目立ったが、一般の方も遠距離からの来訪者も含め多数参加された。

講師が所属していたジェトロと本学とは包括連携協定を締結しており、互いに緊密な関係に努めている。

講演は、1.トランプ政権の政策、2.米国経済の現状、3.日米経済関係の現状と見通し、4.日本企業の米国経済・雇用への貢献、5.トランプ政権のメキシコへの影響、という5つのテーマの下で行われた。

講師は先ず、ラスト・ベルトに言及した。大統領選挙においては、中西部を中心とするラスト・ベルト地帯を取り込むことができたか否かが大きかったということである。この地域の支持を得たトランプ大統領が今後もこの地域の支持が継続的になるかということが注目される。

米国駐在中、当時のインディアナ州知事であったペンス氏(現副大統領)との知己を得、交流する中で同人の人となりに接した講師は、同副大統領がトランプ政権の中で大きな調整能力を出すこととなろうとの意見を示した。

また、麻生副総理がペンス副大統領と横断的分野での対話メカニズムを創設したことに大きな意義があると述べた。米国経済分野の閣僚とではなく、ペンス副大統領と直接に経済問題を話し合える関係になったことが今後の日米経済関係にとって重要であるとした。

メキシコとの関係においては、過去メキシコが領土の半分にあたる大きな部分を米国に奪われたという歴史も披露しつつ、メキシコとの関係縮小は米国にとって決していい結果を出さないという点を強調した。

最後に、講師は日米関係にふれ、日本が米国経済にいかに貢献しているか、各種統計をベースに詳しく説明した。米国にとって日本は重要な国であるということを、自信をもって述べていた。なお、講師はペンス・インディアナ州知事(当時)との関係もあり、また、日本と同州との関係強化に努めたこともあり、離任時に名誉州民賞を授与された。

講演は、旬なテーマということもあり聴衆の関心を得たと思われる。講演後の質疑応答の時間も熱心なやりとりがかわされた。

講師の眞銅(しんどう)氏

講演の様子