東京外国語大学
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活動報告

駐キューバ・渡邉優大使による特別講演「最新のキューバ事情」

2017.01.18

開催概要

「最新のキューバ情報」講師:渡邉優大使(駐キューバ大使館)

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東京外国語大学は、キューバのハバナ大学と協力協定を調印した。今回、この調印を記念する意味でキューバをテーマとする講演会を開催できたことは、大学としても、また、当センターとしても喜びとするところである。


渡邊大使は、外務省の中でスペイン語を専門語としつつも、手掛けた業務は、スペイン語圏事情のみならず、アジア、欧州、北米、中南米、中近東とかなり幅広いものである。キューバでは、近年、様変わりした米国との関係、フィデル・カストロの死去という大きな動きがあり、今般、幅広い経験を有する同大使から今のキューバ事情を聴取することは興味深いことであり、聴衆も多数にのぼった。

同大使は、政治、外交、経済という観点から同国を取り上げた。政治面では、1959年以来長期にわたってリーダーシップをとってきたフィデル・カストロの後を引き継いだラウル・カストロ政権の現状を説明し、来年2018年に引退しようとするラウル・カストロの後はどうなるのかにつき、後継者としては、国家評議会第一副議長のポストにあるディアズ・カネル氏が有力視されるという点とあわせ、確立した体制の中では政権移譲も大きな問題となることはないであろうとの見通しを述べた。また、外交については、キューバの長けた外交能力や途上国との関係重視という点を説明した。経済面では、前進と後退の繰り返しの中で、「急がず、しかし止まらず」という状況を強調していた。

同国は、資源の存在(ニッケルやコバルト)、良好な治安等誇ることができる面も多々あり、安定した政権下で、今後の状況には期待できると言うことができよう。一方、米・キューバ関係では、双方に懸案事項があり、また、トランプ新政権の動きも予測困難で、今後、両国関係の動向には注目していかなればならない。

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開催日

概要/内容

■日 時: 2017年1月18日(水)、16時10分~17時30分(開場15時50分)
使用言語 日本語、予約不要、入場無料、一般公開(在学生優先)
■会 場: 東京外国語大学研究講義棟115教室
■講演テーマ: 「最新のキューバ事情」
主催 東京外国語大学 社会・国際貢献情報センター(ICSIC)
共催:大学の世界展開力強化事業(中南米)「日本と中南米が取組む地球的課題を解決する文理協働型人材育成プログラム」

お問合せ:東京外国語大学広報係
TEL 042-330-5150
URL http://www.tufs.ac.jp/event/general/post_885.html