朝鮮語


朝鮮語
野間 秀樹
1.概説 2.発音と文字 3.語彙  4.文法 5.朝鮮語を学ぶために 6.朝鮮語情報


5 朝鮮語を学ぶために

1)入門書・文法書

 入門書としては野間秀樹(2000)『至福の朝鮮語』(朝日出版社)が,最新,かつ実践的.話しことばを中心に語彙と文法の基礎を確実に学べる.権在淑(1995)『これからの朝鮮語』(三修社)も明解,簡便にして実践的である。文法中心に腰を据えて学ぶ本格的なものとしては,菅野裕臣(1981)『朝鮮語の入門』(白水社)が必携である。これを易しくしたものとして菅野裕臣監修(1987)『朝鮮語を学ぼう』がある。入門から小説や詩などの読解に至る全5巻からなる講座として,梅田博之編(1989-1991)『スタンダードハングル講座』(大修館書店)がある。なお,詳しくは本サイトの「朝鮮語(韓国語)学習の推薦図書」のページを参照.

 言語学的に興味のある方には,『河野六郎著作集』(1979)(平凡社)、『言語学大辞典』(1989)(三省堂)第2巻の「朝鮮語」の項、『月刊言語』(大修館書店)第6巻第10号および第15巻第11号の朝鮮語の特集、『講座日本語学』(1982)(明治書院)第10巻~第12巻、小倉進平著・河野六郎補注(1964)『増訂補注朝鮮語学史』(刀江書院)、李基文(1975)『韓国語の歴史』(大修館書店)などが参考になろう。特に中期朝鮮語については概説として志部昭平(1986-87)「中期朝鮮語」『基礎ハングル』(三修社)第2巻8-11号が必見であり、専門的になるが志部昭平(1990)『諺解三綱行実図研究』(汲古書院)が欠かせない。

2)辞書

 朝鮮語・日本語辞書としては、語彙数こそ少ないが、菅野裕臣他編『コスモス朝和辞典』(白水社)が初心者から教師まで役に立つ。付録の文法概説も参考になろう。読むためには油谷幸利他共編『朝鮮語辞典』(小学館)、安田吉実他編『新訂韓日辞典』(三修社)が語彙数も多く実用的である。大辞典は大阪外国語大学朝鮮語研究室編『朝鮮語大辞典』(1986)(角川書店)に尽きる。

 日本語・朝鮮語辞書は、韓国で作られたものがほとんどである。『新訂日韓辞典』(三修社)、『アシスト日韓辞典』(三修社)が良い。

3)参考書

 日本語で読める文献目録として、志部昭平(1992)「日本における朝鮮語研究1945~1991」『千葉大学人文研究』(千葉大学)第21号、藤井幸之助編(1993)「日本語母語話者のための朝鮮語学習用教材・関連図書目録」『阪南論集 人文・自然科学編』(阪南大学学会)第29巻第1号があり参考になろう。

 さて、歴史的にも地理的にも、日本と朝鮮は互いの存在に関わる奥深いところで交わっている。そういった意味で、朝鮮語を知ることは日本語を母語とする人々にとって大きな意義を持っているであろう。また文学をはじめ様々な文化のありようが非常に魅力的でもあるに違いない。しかしそればかりでなく、朝鮮語が日本語と<似ていながらも異なっている>というまさにそのことによって、日本語を母語とする人々にとっては、朝鮮語という言語に触れ分け入って行くことそれ自体が、実に目眩かんばかりの知的な営みたりうるのである。


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