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2018年度世界史セミナーのお知らせ 終了しました

東京外国語大学 夏期世界史セミナー ―世界史の最前線X―

(海外事情研究所主催・高大連携事業)

2018年7月25日(水)~26日(木) 東京外国語大学府中キャンパス 研究講義棟227(予定)

お申し込みは、
http://ngc2068.tufs.ac.jp/igas/htdocs/
からお願い致します

プログラム(※今後の調整によって、多少、変更になる可能性もあります。)

7月25日(水)
9:00~9:30 受付
9:30~9:40 海外事情研究所所長挨拶(大川正彦)
9:40~10:40 「科研費研究プロジェクト成果報告」 (鈴木茂)
10:40~11:00 質疑応答
   11:00~11:10 休憩
11:10~12:10 講義1 啓蒙の世紀における軍事思想の展開―軍事改革を支える「知」のかたち(18世紀後半フランス)(芹生尚子)
12:10~12:30 質疑応答
   12:30~13:30 昼休み
13:30~14:30 講義2 「対テロ戦争」とイスラーム(黒木英充)
14:30~14:50 質疑応答
   14:50~15:00 休憩
15:00~16:00 講義3 太平天国の「実像」と「評価」(倉田明子)
16:00~16:20 質疑応答

7月26日(木)
09:00~09:30 受付
09:30~10:30 講義4 東アジアの冷戦体制と戦争記憶の民主化 (米谷匡史)
10:30~10:50 質疑応答
   10:50~11:00 休憩
11:00~12:00 講義5 日本人のモンゴル抑留とウランバートル市建設(青木雅浩)
12:00~12:20 質疑応答
   12:20~14:00 昼休み意見交換会・懇親会(学生会館ホール)
14:00~15:00 講義6 『ズデーテン・ドイツ人』の歴史像と祖国愛
            ―消滅した景観から考える―(篠原琢)
15:00~15:20 質疑応答
   15:20~15:30 休憩
15:30~16:30 講義7 ロシアの宗教と文化(巽由樹子)
16:30~17:00 質疑応答

プログラムのPDF版はこちらです。

  

参加条件

日程 2018年7月25日(水)、26日(木)(2日間)

会場 東京外国語大学 府中キャンパス(東京都府中市朝日町 3-11-1)
西武多摩川線「多磨」駅より徒歩5分、又は京王線「飛田給」よりバス

対象 高等学校、予備校の世界史担当教員
※教員免許を志望する本学の大学院生: 授業の一環です。

受付締切 2018年7月13日(金)

受講料 無料

懇親会 無料

応募方法

下記URLよりフォームにしたがってお申し込み(2018年7月13日(金)まで)
http://ngc2068.tufs.ac.jp/igas/htdocs/

なお、宿泊が必要な方は、事前に宿泊先を確保した上でお申し込みください。

講義概要

芹生尚子「啓蒙の世紀における軍事思想の展開―軍事改革を支える「知」のかたち(18世紀後半フランス)」
 18世紀フランスをひとつの拠点として啓蒙思想が展開したことは、多くの国の教科書に明記されている事象であるが、かかる知的潮流と密接に関わりながら軍事思想が展開したことは従来あまり知られていない。本報告では、1)軍事と啓蒙の関連を明らかにする一連の研究に触れながら、啓蒙思想に特徴的な人間観および教育観が軍事思想のなかにどのように統合されたのかを提示し、2)それが、18世紀後半に行なわれた軍事改革のなかでどのように具現化され受容されえたかについて考察する。

黒木英充「「対テロ戦争」とイスラーム」
 電車に乗っても「テロ特別警戒」の文字を四六時中パネルで目にする世の中となった。しかし「テロ」の普遍的定義は存在せず、その歴史的な意味内容の振幅は極めて大きい。今や地球規模で展開される「対テロ戦争」には日本政府も巻き込まれている。2001年以降、イスラームが「テロ」と密接に関連付けられるようになったが、そこに至る過程を振り返り、イスラームをどのようにとらえるべきか、世界史教育のなかでの位置づけについて考えたい。

倉田明子「太平天国の「実像」と「評価」――中華人民共和国下の歴史研究」
 太平天国運動は清朝末期の中国を揺るがせた大規模な内乱である。この運動は、清末の中国社会の変化やキリスト教の影響、伝統と近代の融合など、さまざまな側面から解釈することが可能であり、運動それ自体が多様な「実像」を持っている。だが、それに加えて太平天国はかつて、共産党政権の公式な歴史観のなかで「革命の先駆」として色づけされ、きわめて固定化された「評価」を付与されてきた運動でもある。本報告では、太平天国運動そのものの歴史的意義を再検討するとともに、現代中国における太平天国評価の変遷を追うことで、中国における歴史研究が持つ意味についても考察する。

米谷匡史「東アジアの冷戦体制と戦争記憶の民主化」
 東アジアの歴史問題は、国民国家間のたんなる外交問題ではなく、帝国主義と植民地、脱植民地化をめぐる問題である。第2次世界戦争後の冷戦と分断は、脱植民地化・脱帝国化の課題を凍結し、国家間の妥協と談合によって戦争記憶は統制され、封じ込められてきた。そして、東アジアの冷戦体制が揺らいでいく脱冷戦の過程で、「戦争記憶の民主化」というべき事態が進行している。現在、東アジアの転換期を迎えるなかで、東アジアの冷戦体制と戦争記憶の行方について再検討したい。

青木雅浩「日本人のモンゴル抑留とウランバートル市建設」
 第二次世界大戦後、多数の日本人がソ連によってユーラシア各地に抑留された。ソ連の影響下にあったモンゴル人民共和国でも、日本人抑留者が強制労働に従事させられた。本報告では、モンゴル側公文書史料から得られた情報に基づき、突然大量の日本人を受け入れることになったモンゴル人民共和国が、抑留者を利用した首都ウランバートル市建設事業をどう運営したかを解説する。これにより、日本人抑留が、抑留先の現地に如何なる事態をもたらしたかについて考えてみたい。

篠原琢「『ズデーテン・ドイツ人』の歴史像と祖国愛―消滅した景観から考える―」
 「ズデーテン・ドイツ人」とは、ベーメン(ボヘミア)王国の、主に国境地域に居住したドイツ語を母語とする住民を指す(ただし、この語がそのような用法で使われるようになったのは、20世紀の特定の政治的文脈でのことである)。ドイツ東方植民の結果、13世紀以来、ベーメンに定着したこの人々は、第二次世界大戦の結果、連合軍占領地域に追放され、ボヘミアにおけるドイツ人社会の歴史は、ここに終焉を迎えた。今回は、19世紀の「ズデーテン・ドイツ人」の歴史像と祖国愛を検討し、失われた景観から、中央ヨーロッパの歴史を再構築することを試みる。

巽由樹子「ロシアの宗教と文化」
 ロシアはビザンツ帝国から正教を受容し、10世紀に国教とした。その結果、ロシアの歴史的な歩みは、西欧キリスト教世界のそれと相当に異なるものとなった。本講義ではその様相に触れた上で、正教信仰がロシア文化の基層となっていったことを、中世、近代、そして21世紀を迎えた現在という3つの時代に分けて紹介する。こうした議論により、宗教文化がロシアに固有性を与えたことと、その理解の仕方について考えたい。

【科研調査報告】鈴木茂「科研費研究プロジェクト成果報告」
 


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東京外国語大学 海外事情研究所
ifa@tufs.ac.jp

企画・運営
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http://www.tufs.ac.jp/common/fs/ifa/

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