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所長 真島一郎の挨拶

 海外事情研究所は、国立大学が戦後一斉に新制大学として生まれ変わってからまもない1954年、東京外国語大学に設立されました。設立当初の活動目的は、地域の言語修得・言語理解を不可欠な研究基盤とみなしたうえで、「ジャーナリズムがとりあつかうニュースや情報の意味ではなく、それらを正確に分析し、基本的傾向を系統的に正しく把握しうる」(『月報』創刊号中の文言)ための、文字どおり地に足のついた地域研究を、敗戦後の新たな日本社会で進展させていくことにありました。
 海外事情研究所は1976年、文部省(当時)による特定研究の助成対象機関に認定され、以後20年あまりの期間をつうじ、各年度の『特定研究報告』および個々の所員の研究成果にあたる『個別報告』約100点を刊行してきました。さらに1983年からは、研究所の活動に積極的に参画する大学院生の研究成果、『ブックレヴュー』も発刊されるなどしたのち、教員と学生が場を同じくして平等に思考を通いあわせるという、本研究所ならではの芳醇な気風の起点となった新機関誌
『Quadrante(クァドランテ)』を1998年に創刊、現在に到っております。
 学内外のみなさまから長きにわたり賜ってきたお力添えに支えられ、海外事情研究所は本年、設立70周年の節目を迎えることになりました。人道の危機がいまなお継続してやまない〈世界〉の傷ましさをまえに、前所長・吉田ゆり子が去る2023年、『Quadrante』第25号編集後記でつぎのように綴った思いを揺るぎなく承継し、研究所のつつがない運営にあたっていければと考えております。みなさまどうぞよろしくお願い申しあげます。

  「新型コロナウィルスが蔓延し始めた2020年2月頃から、ちょうど3年余り経ちました。
  多くの高齢者をはじめ身体が弱い方々に犠牲が出るとともに、社会的に弱い立場の人々が、
  生活困難な状況に陥りました。加えて、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は、
  多くの市民を巻き込みながら、ウクライナ、ロシア双方の多数の若い命を奪うことになり、
  戦いは現在もまだ続いています。歴史的な大きな出来事に直面し、その渦中に身を置き
  ながら、いま自分にできることは何かを考え、たとえ一人一人の声や力は小さなもので
  あっても、諦めることなく訴え続けることの大切さを感じています」     

2024年4月1日 真島一郎

海外事情研究所の沿革に関する参考資料

増谷英樹「海外事情研究所」 『東京外国語大学史』(1999年)1251-1257頁
(※『東京外国語大学史』全体の目次はこちらよりご覧いただけます。)

海外事情研究所歴代所長

(※西暦は年度)     

    1955 1962 五島 茂
    1963 1964 佐藤 勇
    1965 1968 坂本 是忠
    1969 1974 鈴木 幸壽
    1975 1981 田中 忠治
    1982 1985 山之内 靖
    1986 1987 田中 治男
    1988 1995 中嶋 嶺雄
    1996 1998 増谷 英樹
    1999 2001 佐藤 公彦
    2002 2005 藤田 進
    2006 2006 佐々木 孝弘
    2007 2010 吉田 ゆり子
    2011 2012 鈴木 茂
    2013 2013 吉田 ゆり子 
    2014 2014 鈴木 茂
    2015 2018 大川 正彦
    2019 2020 小川 英文
    2021 2021 岩崎 稔
    2022 2023 吉田 ゆり子
    2024 真島 一郎
         

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