ジャスタスが、来日前後の秋学期と休み期間中の日々を振り返るエッセイを書いてくれました。ここでは、要約版和訳を掲載いたします。各エッセイの原文はタイトルをクリックするとご覧いただけます。
皆さん、コロナ禍でもお元気に過ごしてらっしゃることと存じます。僕は、感染拡大が収まり皆さんと対面でお会いできる日が来るはず、という希望にしがみついています。このエッセイでは、秋学期間と休みの日をどのように過ごしていたかをざっくりと書きたいと思います。
秋学期、そしてついに日本へ
まだルワンダにいる頃に秋学期が始まり、僕は平和紛争学と日本に関する授業を中心に8つの授業を履修しました。最初の1か月間は、さまざまな理由(初めてのオンライン授業、不安定なネット環境と電力供給、授業に必要な機器、データ接続、時差、PIASSの授業と試験などなど)から、とても大変で、TUFSの授業もPIASSの授業も落第してしまうかもしれないと恐れていました。でも、佐々木和之先生がサポートしてくれたおかげで、日本へ行けば何の心配もなく授業に集中できる、と前向きになることができたのです。そして2020年11月23日についにルワンダを発ち、25日に日本に到着。TUFSに着くとすぐに2週間の隔離期間となりましたが、留学生支援の会と現代アフリカ地域研究センターがサポートしてくれました。留学生支援の会は週に2回、食料を届けてくれ、僕は太ってしまったくらいです。隔離期間が明けると現代アフリカ地域研究センターを訪ね、武内センター長に会いました。その後、クラウドファンディングの支援者の方とオンラインで交流。本当は直接お会いしたかったです。日本での暮らしと寒さに慣れてくると、望んでいたとおり勉学に集中することができました。そして勉学の合間には勉強会やワークショップに参加したり、神社や教会、友人を訪ねたり、日本食を味わったりしました。
元日本人留学生と再会、日本食を味わう
隔離期間が明けると、PIASSに留学していた日本人の友人たちと再会しました。その中の何人かとは、PIASSではいつも昼食と夕食を一緒に食べ、授業やワークショップ、結婚式やセミナーに一緒に参加し、留学生たちは(*注:ジャスタス自身もウガンダ出身でPIASSでも留学生)まるでひとつの家族のように暮らしています。一方、TUFSの寮では個々がそれぞれの部屋で過ごします。これはコロナのせいなのでしょうか? それとも留学生が多すぎるせいでしょうか? 僕たちは新宿で会い、まずはお寿司を食べ、その後焼き鳥を食べに行きました。正直に言うと、調理された肉を2年前から食べるようになった自分が生魚なんて食べられるはずがないと思っていましたが、これは間違っていました。そして中でも気に入ったのは握りです。そしてその歴史的背景が気になり、後日その起源を詳しく調べました。PIASSの元留学生たちとの再会は本当にうれしいものでした。その時に初めて会った元留学生で、PIASSでは「アフリカンマン」として語り継がれている河野賢太さんは今頼りになる友人です。
オンライン日本語教室に参加
2021年2月には、大学の世界展開力強化事業(アフリカ)が行ったオンラインの日本語初級コースの授業を受けました。日本語と日本文化を学ぶことは、来日前から掲げていた留学の大きな目標の一つですので、帰国までになんとしても成し遂げたいです。コロナ禍では人との交流から日本文化と日本語を学ぶことは難しいため、参加者の要望に沿って授業内容の決まる、このオンラインの日本語教室に参加することにしました。生徒はアフリカ各国やハイチ、ネパールなどさまざまで、また学部生もいれば博士課程の学生もおり、またアフリカ地域専攻の日本人学生が補助してくれ、正しい発音を教えてくれたりロールプレイングで相手役を演じてくれたりしました。この授業に参加できたことは、学びの観点からだけでなく、社会的意義としても助けになりました。コロナ禍で人と交流することを強く求めていましたし、いつかこの教室で知り合った新しい友人たちと出かけられたらいいなと思っています。
広島オンラインツアーで被爆者と平和構築を考える
僕が初めて広島と長崎について学んだのは高校生の頃でした。そしてルワンダにいた2020年8月には広島の平和に関するオンラインセミナーに参加し、被爆者の話に感銘を受け、広島と長崎の戦後復興やトラウマの癒しについてさらに関心を抱いたのです。そして2021年3月、大学の世界展開力強化事業(アフリカ)がNPO法人 Peace Culture Villageの協力の下、実施した広島オンラインツアーに参加しました。ツアーは3部構成で、第1部では戦前・戦中・戦後の広島に関する講義を受けました。第2部では被爆者へ質問する機会に恵まれ、第3部では世界各国からの留学生や日本人学生たちとツアーの感想について話し合いました。広島を直接訪れたいという思いはありましたが、今回のツアーで見た写真は学べるところが多く、広島の復興への道のりを見ることができました。また、参加者たちがそれぞれに異なる歴史的背景をもとに、平和維持について熱く語るようすに感銘を受けました。被爆者の方々はとても深い歴史の知識と経験をお持ちで、本を読むだけでは知りえないであろうことを学べました。若い世代は、彼らの知恵と経験を生かして戦争と核兵器のない世の中を目指すべきだと強く思います。
オンライン瞑想ツアーに参加
2021年3月、大学の世界展開力強化事業(アフリカ)が実施したオンライン瞑想ツアーに参加しました。PIASSで佐々木和之先生から仏教と神道について学んだ際に、その実践のひとつが瞑想であることを学んでいたので、これは僕によってよい機会となりました。とても興味深く、時に笑わせてくれる僧侶の方の話を聞いたあと、参加者はマントラを唱えながら瞑想を開始。最初は他の参加者のことが気になってスクリーンを見てしまいましたが、最後には気分をリフレッシュさせることができました。日本人の友達が増え、また、今回の体験によって日本社会における瞑想の起源について興味をかきたてられその歴史について調べました(彼のリサーチ内容については原文をご覧ください)。